デジタル改革しないと「12兆円の経済損失」の衝撃、DX実現のカギとは?

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記事の情報は2018-11-05時点のものです。

いま、あらゆる業界でビジネスモデルやサービスの大変革が起こっている。Uber、Airbnb、メルカリのような急成長企業が登場したり、異業種から競争相手が参入したりする変化の激しい市場環境を勝ち抜くためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)が求められている。

OBCはなぜ奉行シリーズをクラウド化したのか?

奉行クラウドは、すべての経済現象をデジタル化し、データを集約・分析することで、電子申請やマーケティングに活用したり、自社の戦略に役立てたりする仕組みでもある。

和田氏は、クラウドのメリットの前に、奉行シリーズの進化の過程、すなわちクラウドに至るステップについて触れた。

OBCのクラウド化への道のり。5年前からクラウド化をスタートさせ、現在は第三段階に入っている。中堅企業向けの「奉行ERP」と、中小企業向けの「奉行クラウド」を展開

同社では、5年前に奉行シリーズをオンプレからデータセンターのIaaS環境に移行した。この際にマルチクラウドで運用にすることで万全を整えた。

第二段階として、マイナンバー対応を踏まえたデジタル化を行い、勤怠管理や給与明細、年末調整申告書などの業務をクラウドで提供。

さらに第三段階の現在は、中堅企業向けクラウドERP(IaaS)「奉行ERP」と、中小企業向けSaaSモデルの「奉行クラウド」を展開中だ。

同氏は、後者の奉行クラウドにおける重要なポイントについて説明した。

基幹業務クラウドシステムに求められる3つのポイント。これらを踏まえて、すべての業務につながり、ひろがっていく奉行クラウドを開発してきたという

「1つ目のポイントは今まで以上の機能と操作性。機能・操作性・スピード・信頼性を向上し、企業変化に対応できます。2つ目はつながる、ひろがるということ。DX時代にAPIでつながり、RPAで自動化させました。3つ目はセキュリティを重視し、安心して使い続けられること。さらに今後はAIの活用も視野に入れています」(和田氏)

奉行クラウドでは、1つ目のポイントで従来の使い勝手を継承しつつ、操作性も進化したという。入力しやすくなり、経理のプロも納得する高速性を実現した。

使い勝手のよさを継承しつつ操作性も進化。特にローカルキャッシュを使うことで、オンプレ時よりも操作が高速になり、ネットワークの接続が切れても継続作業が可能に

「オンプレよりもクラウドのほうが速い理由は、ローカルキャッシュで作業してクラウドにデータを書き込む仕組みを採用したからです。そのため回線が一時的に切れても、そのまま操作を続けられます」(和田氏)

また自動処理については、たとえば領収書を学習し、仕訳伝票を自動生成してくれるため、担当者の業務負担が大幅に軽減される。

作業時の端末はマルチデバイス対応なので、ユーザーに合わせてリッチクライアントやWebクライアントを使い分けられる。