基幹業務クラウド化からDXを推進、「つながる、ひろがる世界」をひらけ
次に2つ目のポイントである「つながる、ひろがる世界」では、APIによってシステムの垣根を超えてデータを自動連携させ、現場の変化に対応。データが自動でつながれば、入力や受入れが不要になる。
税理士や会計士といった専門家との情報共有もラクになり、アドバイザーとしてサポートしてくれる。
和田氏は、API連携ソリューションの事例として、銀行の入出金明細データをもとに仕訳伝票を作成する「MoneyLook」や、クラウドPOSレジ「スマレジ」との連携などについて紹介した。
もちろん、つながるのは国内の話だけではない。同社では勘定奉行クラウドのGlobal Editionを提供し、国内本社から海外現地法人のデータを見える化することで、連結決済の早期化も実現した。
また、前出のように専門家とデータを簡単に共有できる点もメリットだ。
税理士などが奉行クラウドをともに使えるよう「専門家ライセンス」を標準で提供。さらにBPO事業者向けモデルで、互いに役割を分担しながらコラボレーションを実現できる。
「BPO事業者向けモデルでは、ビジネスプロセスの全部、あるいは一部を切り出し、業務をシェアリングするイメージです。外部の会計士や税理士、BPO事業者などが、ITツールでサービスを提供し、複数の顧問先を一元管理できるようになります。大事な点はパートナー・ツー・パートナーで、異なるレイヤー同士で協力できることです」(和田氏)
信頼性の高い「Microsoft Azure」で、セキュリティも万全
3つの目のポイントであるセキュリティに関しては、信頼性の高い「Microsoft Azure」を採用し、大事なデータを保全している。
暗号化による強固なデータの保護はもちろん、24時間365日の運用監視を行い、脅威に対する備えは万全だ。また、災害などが発生しても、業務を止めない仕組みも提供される。
「マイクロソフトの国内データセンターのみで災害復旧対策を実現しています。東日本のデータセンターで、自動的にデータを三重化し、それらを西日本のデータセンターでバックアップしています。災害だけでなく、繁忙期の業務負荷にも耐えられるように、負荷を自動分散し、高いパフォーマンスを維持しています」(和田氏)
さらに同氏は、将来の奉行クラウドシリーズのありかたについても触れた。
会計業務プロセスでは、APIで取引データを自動集約し、勘定奉行クラウドにより起票することで、経理の負担を大幅に軽減。これらのデータを申告奉行クラウドにつなげる。
また経営者も、自社の状況をいつでも把握し、税理士にアドバイスを受けられる。税理士は、そのまま会計データを活用し、電子申請まで一気通貫で完了させるという流れだ。
人事労務プロセスでは、さらに使い勝手をよくして満足度を高める方向だ。
人事奉行クラウドを活用し、従業員の最新の人事情報を一元管理することでマネジメント。また給与奉行クラウドによって、給与や社会保険、年末調整といった業務も自動化し、申請・申告作業をスピーディに処理していく。
販売管理プロセスについては、商奉行クラウドが新商品として新たに加わった。売上・販売データを自動で取り込み、集計・消込・請求などを自動化することで業務の負荷を軽減。会計業務との連携もスムーズに実現する。
最後に和田氏は「我々にとって特に大事な点は、満足度が最高の奉行クラウドを展開し、OBCとパートナーさまとお客さまで三位一体となって進んでいくことです。お互いにビジネスをシェアリングしながら、社会に貢献していきたいと思います」とまとめ、講演を終えた。