いまどきシニアのスマホ事情を調査
iPhoneの最新機種「iPhone XS」と「iPhone XS Max」が9月に、「iPhone XR」が10月に発売された。
iPhoneと言えば「若者のもの」というイメージだが、実はシニア層のユーザーも少なくないことがMMD研究所の調査データから分かっている。
知っているようで知らないシニアのスマートフォン事情。そこで今回から、「いまどきシニアのスマホ事情」と題し、シニアのスマートフォン利用に関する調査データを分析する連載企画をスタートする。
第1回となる今回は、利用OS別――iPhoneとAndroid別に傾向を見ながら、シニアのスマホ事情を探っていく。
シニア層の55.1%はスマートフォンを利用
まず、シニアはどんなモバイル端末を選んでいるのか?
ガラケーと呼ばれる従来型のフィーチャーフォン、あるいはシニア向けスマートフォンやフィーチャーフォン。スマートフォン以外にもさまざまな選択肢がある。
シニア層、50~79歳の男女6,444人にメインで利用している携帯端末について聞いたところ、55.1%がスマートフォンをメインで利用していると回答した。
OS別にみると、iPhoneが25.0%、Androidが30.1%となった。スマートフォンに続いて利用者が多かったフィーチャーフォンの利用率は、35.9%。
シニア向け端末をメインで利用しているのは、スマートフォンとフィーチャーフォンを足し上げても3.8%に過ぎない。シニア向け端末を利用しているシニア層は、思いのほか少ないことがデータから読み取れる。
スマートフォンは難しい――そんなシニアの声を身近に聞くことも多いが、であれば、なぜ、どのような理由でシニアはスマートフォンを手に取ったのだろうか?
iPhone?Android?シニア層のスマホ選び基準は
iPhone/Androidのスマートフォンを利用していると回答し、本調査に進んだ50~79歳のシニア1,328人を対象に、スマートフォンを持ったきっかけを聞いたところ、iPhoneユーザーとAndroidユーザーでは、異なる傾向があらわれた。
iPhoneユーザーがスマートフォンを持ったきっかけ上位3つをみていくと、「家族にすすめられたから」(15.8%)、「周りがみんなスマートフォンだから」(11.1%)、「家族が持っているのを見て興味を持ったから」(11.0%)となり、いずれも身近な人間が起因となっていることが分かる。
それに対し、Androidユーザーのきっかけ上位3つは、「家族にすすめられたから」(13.1%)、「インターネットの広告をみて興味を持ったから」(11.5%)、「周りがみんなスマートフォンだから」(10.9%)である。
上位3つ以外に関しても、「家電量販で見て興味を持ったから」「友人・知人にすすめられたから」といった項目で両者に差が出た。
シニアのiPhoneユーザーは周囲に影響されてスマートフォンを持とうと思い、シニアのAndroidユーザーは家電量販店や広告に触発されてスマートフォンを持ち始める――そんな動機の違いがうっすらと見えてくる。