人材不足の切り札RPA、いまだ導入していない企業6割|人事担当者100人が回答

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次世代人事責任者候補者の育成を目指す「日本CHO協会」(運営主体:パソナグループ)は、人事部門の取締役・執行役員・部長・課長層の役職者を対象に「RPAの導入と活用に関する調査」を実施。10月29日にその結果を発表した。それによると、半数以上の企業がRPAを未導入であることがわかった。
人材不足の切り札RPA、いまだ導入していない企業6割|人事担当者100人が回答

RPAに注目集まるも、導入には課題あり?

RPA(robotic process automation)とは、これまで人間が行ってきた事務作業の一部を、ロボットを使って自動化する取り組みのこと。AIと違うのは、判断したり、学習したりする機能がないことだ。

RPA導入には、以下のようなメリットがある。

1.人件費のコストダウン
2.業務処理のスピードアップ
3.アウトプットの正確さ
4.高付加価値業務へのリソース増強
5.リソース追加の簡便さ

中でも、RPAのコストは人件費の1/10~1/3とも言われており、圧倒的に安い。またソフトウェアなので、ヒトのように休憩も必要なく、24時間365日休まず働き、人為的なミスも防げる。

BPOや人材派遣のように、リソース追加のリードタイムが無いなど、人手不足の企業にとっては非常に有益な解決策なのだ。

「日本CHO協会」では、このRPAの導入状況について調査を実施。調査方法はWEBアンケート票記入方式で、CHO協会会員(人事部門の取締役・執行役員・部長・課長層の役職者)100人が対象である。

調査結果を以下で紹介する。

RPA導入済みの企業は4割にすぎず

まず、RPAの導入状況を聞いた。その結果、「本格展開中」が15%、「トライアルが完了し、本格展開の検討中」が5%、「トライアル実施中」が20%と、導入済みの企業が4割となった。

一方、「導入を検討中」は30%、「未導入・未検討」は23%となり、半数以上の企業がRPAの導入自体を行っていなかった。(n=100、単回答)

出典:プレスリリース

次に、導入しているRPAツールのタイプを聞いたところ、「デスクトップ型(各自のパソコンによる処理)」が34%ともっとも多く、「サーバー型(サーバー経由で、RPA実行専用パソコンによる処理)」が27%と続いた。「デスクトップ型とサーバー型の併用」は17%だった。(n=40、単回答)

出典:プレスリリース

対象業務の選定に迷う企業が多い

そして、RPAの展開での課題でもっとも多かったのは、「対象業務の選定に関する課題」で16件、続いて「開発人材不足・開発スキル不足」の13件だった。(n=40、複数回答)

出典:プレスリリース

どの業務にどんなRPAを導入すべきかわからない、それを知っている人材もいないというのが多くの企業の実態なのだろう。

RPA活用部門の最多は「経営企画部門」

また、社内でRPAを展開する推進主体部門を聞いた。その結果、もっとも多い回答は「経営企画部門」の17件、次いで「情報システム部門」で16件だった。「人事部門」は4件で、回答選択肢内で6番目となった。(n=40、複数回答)

出典:プレスリリース

次に、社内でのRPA導入・展開方法を聞いた。その結果、「経営層からのトップダウンによる全社展開」が59%ともっとも多く、「現場主導による一部の部門内導入(全社レベルの展開には至っていない)」が18%、「管理職からの提案をきっかけにした全社展開」が15%だった。(n=40、単回答)

出典:プレスリリース

日本総研によれば、企画経営部門の主な仕事は以下の3つである。

●中期経営計画・ビジョンの策定、設定、管理、
●単年度予算の編成・管理、
●特命プロジェクト推進など

経営トップとのやり取りも多い部門である。このことからも、RPAは「上層部の判断で決まる」企業が大半だということがうかがえる。

人事部門では「出退勤・勤怠管理・労働管理」が多数

最後に、人事部門の業務におけるRPAの導入状況を聞いた。その結果、出退勤/勤怠管理・労働時間管理」への導入がもっとも多く12件、続いて「給与計算・社会保険関連」が8件、「採用関連」が5件だった。一方で、「(人事部門の業務には)導入していない」は15件に上った。(n=40、複数回答)

出典:プレスリリース

まだまだ情報不足や、経営陣の意識不足などの課題があり、導入に二の足を踏んでいる企業も多い。しかし労働力人口が不足する中で、この流れはもはや「流行」ではなく、「当たり前」のものになっていくだろう。