スマホユーザー6割「携帯代は高い」、ドコモ値下げは不信感を払拭できるか

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NTTドコモは10月31日、携帯電話料金をこれまでの2~4割程度値下げする方針を発表した。野村総研の調査によれば、スマホユーザーの6割が携帯電話料金を高いと感じており、3割が納得していないという。そしてその根底にあるのは、通信事業者に対する不信感だ。楽天とKDDIの提携など、業界再編の動きが加速する中、事業者・ユーザーがとるべき道とは?
スマホユーザー6割「携帯代は高い」、ドコモ値下げは不信感を払拭できるか

携帯電話料金をめぐる業界の動き

8月、菅官房長官は「携帯電話料金はもっと値下げできる」と発言し、話題となった。

そして10月31日、NTTドコモは2019年3月期の第2四半期決算説明会の中で、料金を2~4割ほど値下げすることを発表した。

ドコモによれば、これは政府からの働きかけを元に行ったものではなく、あくまでもドコモユーザーからの「料金プランが複雑でわかりにくい」という声にこたえるものだという。

これまでドコモは端末代金を毎月の通信料に分割して上乗せする料金プランを実施していたが、これを「分離」し、シンプルな料金プランを拡充する考えだ。これにより、ユーザーには年間約4,000億円を還元できるとしている。

またKDDIは決算説明会の中で、auはすでに独自の分離プランを行っていることをあげ、値下げでドコモに追随しない姿勢を表明している。

さらに、KDDIは第4の通信事業者となる楽天モバイルとの提携を発表している。楽天モバイルは2019年10月に通信事業者として参入を表明している。事業を早期に安定軌道に乗せたい楽天モバイルと、通信以外の事業を成長させたいKDDIの思惑が一致した形だ。

出典:プレスリリース

ただこの提携により、楽天モバイル単独での大幅値下げなどは難しくなったのでは、という憶測も出ている。

ソフトバンクはまだこれについて言及していないが、ドコモの発表を受け、ソフトバンク株も急落する影響をうけている。

今後、各社がどのような戦略で臨んでくるのか。4社による寡占状態が見込まれる中、勝敗を分ける鍵となるのは、ユーザーの信頼をいかに勝ち取るかという点にあるのかもしれない。

6割のユーザーが携帯電話料金は高いと回答

野村総合研究所が10月に発表したスマートフォンユーザーを対象にした調査によれば、6割の人が携帯電話料金は高いと感じ、3割が納得していないという。

この調査は、自身で携帯電話料金を支払っている大手3社(ドコモ・au・ソフトバンク)ユーザー3,000人を対象に行われたものである。

野村総研は、「携帯電話料金の負担感」と「通信事業者に対する不信感」の2つが、高いと感じ納得していないユーザーを生み出していると指摘している。

複雑な料金プラン、おとり広告、オプションの無理販、月々割や2年縛りでの囲い込みなどは、複雑でユーザーが望まないものまで含まれている場合がある。

こうした通信事業者の不誠実・不透明な料金プラン・販売手法があり、ユーザーが支払いを考える額と実際の支払い額には、2割のギャップが生まれているというのだ。

野村総研では、携帯電話料金の適正化に向けて、ユーザー・通信事業者の取るべき行動について、以下のように提言する。

●ユーザー
能動的に料金プランや、格安スマートフォンを含む事業者の見直しを行う。
●通信事業者
料金プランのアンマッチ解消を能動的に行うとともに、シンプルで透明性の高い料金プランの投入、誠実な販売手法への転換を行う。

また、政府による規制や消費者への教育・啓もうなどの対策も同時に必要だと同社は指摘している。

安いだけであれば、格安SIMの通信会社に消費者は流れてしまう。単なる価格競争ではなく、ユーザー視点にたった明瞭で使いやすいサービス、ユーザーとの深いコミュニケーションができるか。

大手4社は、課題を抱えて2019年を迎えることとなる。