スマートシティとは|IoT時代に広がりを見せる次世代都市

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今後世界人口の70%が都市部に集中すると予測されており、交通網やエネルギー不足などが問題となってくる。そんな中、あらゆる課題解決を目的としてスマートシティに注目が集まっている。各国でどんなスマートシティがあるのか事例とともに見ていく。

日本国内のスマートシティの例

経済産業省が進めている「次世代エネルギー・社会システム実証事業」に選ばれた都市は、神奈川県横浜市、愛知県豊田市、京都府けいはんな学研都市、福岡県北九州市の4都市である。民間主導のプロジェクトもあり実証研究でCO2削減などの成果をあげている。

横浜スマートプロジェクト

東芝によって企業や家庭などの単位ごとの電力供給に対して節電を促され、ピーク電力量の削減や電力の安定供給を実現した。暑い時期や寒い時期など一時的に電力需要が増大すると、それだけ発電量を増やす必要があり電力需要は不安定になる。

そこで電力需要ピーク時に節電を促し、需要の集中を緩和させることに成功し安定的な供給を可能にした。また、これによりピーク時に高騰する電気代を減らすことにもつながり、ユーザーとしても節電と節約が可能となった。

超小型EVシェアリングサービス「Ha:mo」

出典:Ha:mo RIDE 豊田

トヨタ自動車の本社があることで有名な愛知県豊田市では、超小型EVシェアリングサービス「Ha:mo」による実証実験が行われている。超小型EVが各ステーションにあり、ステーション間であれば乗り捨てできるというサービス。EV×シェアリングサービスで利便性とCO2削減を両立できている。現在では東京・沖縄やバンコクなどに実証エリアが拡大している。

柏の葉キャンパスシティプロジェクト

欧州と同じく不動産(三井不動産)主導のもと行われているプロジェクト。地球にやさしい「環境共生都市」、日本の新しい活力となる成長分野を育む「新産業創造都市」、すべての世代が健やかに、安心して暮らせる「健康長寿都市」を3つの指針として、「公・民・学」の連携をベースにしたプラットフォームの構築を目指している。

東京大学の高齢社会の研究拠点も柏の葉キャンパスに設置され、エネルギーだけのスマート化とは違ったアプローチもしている。また千葉大学の予防医学センターも置かれ健康長寿都市としての取り組みがなされている。

IoT接続によるセキュリティへの課題

スマートシティによりメリットや解決できる課題が多くある反面、インフラをIoTでつなげることよるセキュリティへの懸念も増す。スマート化が進めば進むほどシステムの中枢に情報や決定権が集中し、よりサイバーの攻撃の対象となりやすい。個人情報などもデータ化されるため悪用への懸念も大きい。

2018年には、IBMのセキュリティ部門のデータセキュリティ会社のThreatcareの調査チームにより、スマートシティに用いられるセンサーやデバイス・システムに広範囲で脆弱性がある事例が報告されたという報道もあった。システムの根本的な部分に脆弱性があれば致命的な攻撃を受けるリスクも大幅に上がってしまう。

「スマート化」を行うことは同時に「セキリュティ対策の強化」も必要となってくる。今後スマートシティでのシステム導入の前に多面的な視点でのセキュリティ診断が必要となる。

スマートシティの今後

IoT時代の到来により、スマートシティのような仕組みは必要不可欠だと考えられる。スマートシティの拡大にはまだまだ課題が多く、実証実験を行いながら進めていくフェーズだといえる。

しかし世界各地にあるスマートシティの多くの事例を参考にすることで、より有効で安定性のあるシステムを構築できる。環境問題・高齢化問題・セキュリティ問題などさまざまな課題を同時に解決できるようなスマートシティの発展を期待したい。