「このデータの個数を数えて」とか「この条件に合うデータがいくつあるか調べておいて」などと言われて困った経験はありませんか?
実はこの悩み、エクセルの関数ですべて解決できます。しかし「あるデータの個数を数える関数」と一口にいっても、設定したい条件によって使う関数が変わってくるので、よくわかっていないという方も多いと思いのではないでしょうか。
本記事ではそんな「データを数えたいが、どの条件のときにどの関数を使えばいいかわからない」という悩みを解消します。
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まずは以下でデータを数える7つの関数とその機能を簡単に紹介し、その後で基本的な5つを詳しく解説します。
範囲内で特定のセルを数える関数7つ
- COUNT:数値を含むセルの個数を数える関数
- COUNTIF:指定した条件を満たすセルを数える関数
- COUNTIFS:指定した複数の条件を満たすセルを数える関数
- COUNTA:空白以外のセルを数える関数
- COUNTBLANK:空白のセルを数える関数
- DCOUNT:条件を満たす数値を数える関数
- DCOUNTA:条件を満たす空白以外の数値を数える関数
以上7つが範囲内で特定のセルを数える関数です。多いですが、そのうち5つは意外と簡単なのでここで覚えてしまいましょう。DCOUNTとDCOUTAは複雑な関数なので本記事では扱いません。
COUNT系関数5選
それでは簡単に覚えられるCOUNT系の関数5つを詳しく解説します。この5つの使い方を覚えればほとんどどの条件でもデータが簡単に数えられるので頑張って覚えましょう。
COUNT
数値を含むセルの個数を数えるCOUNT関数は、「引数」が以下の1つしか存在しません。つまり、数値がいくつあるか調べたいセルの範囲を入力すればそれで完成です。範囲を複数指定することも可能ですが、その場合は「,」を使って区切る必要があります。
引数とは
引数(ひきすう)とは、関数を使う際に必要とされるインプット情報です。「ある情報を取得するために与えるべきデータ」とも言い換えられます。つまり、関数のカッコの中に入る数値や言葉、セルの範囲などはすべて引数となります。
COUNTIF
COUNTIF関数はCOUNT関数とは違い、「条件」を設定しなければなりません。引数「範囲」はCOUNT関数と同じです。
条件は「指定範囲内でどのデータに合致したらカウントしますか?」という問いに答える引数です。たとえば、あなたがA列に「りんご」という言葉がいくつあるか調べたいとしましょう。そうすると関数は以下のようになります。
この時は条件を数値ではなく、文字にしたい時は「”」で囲むようにしてください。これはCOUNTIF関数だけでなく、すべての関数で適用されるルールです。
COUNTIFS
COUNTIFSは上記のCOUNTIF関数の条件を複数にしたい場合に使用する関数です。
注意しなければならないのが、指定した条件は「AND」の関係になるということです。実例で説明しますので以下のエクセルデータを見てください。
(1)は「県別の人口(E4:E50)が5,000人以上(>=5000)」かつ「人口密度(F4:F50)が4,000以上(>=4000)」の両方の条件を満たすデータを数えるように指示しています。
つまり、人口が5,000人以上であっても、人口密度が4,000以下の北海道のようなデータは数えられないということです。
「条件のどちらか一方を満たすデータ個数」を調べたい方は、本記事では解説していないDCOUNT関数を使用するしかありません。
(2)は「県別の人口(E4:E50)から5,000人より上(>5000)」かつ「県別の人口(E4:E50)から6,000人より上(<6000)」のデータをカウントするよう指示しています。
つまり「県人口が、5,001〜5,999人のデータ個数を調べて」という指示です。このように2つの条件の範囲を同じにすると、より条件を絞ったカウントができます。
COUNTA
COUNTA関数の引数は、COUNT関数と同じように考えて大丈夫です。
両者で違うのは、COUNT関数が範囲内の数値のみを数えるのに対し、COUNTA関数は何か文字が入っていればすべてカウントすることです。似ているので間違えて覚えないよう、注意してください。
COUNTBLANK
空白のセルを数えるCOUNTBLANK関数もCOUNT関数と同じく範囲だけを指定すれば大丈夫です。しかしCOUNT・COUNTA関数と違って、範囲は1つだけしか設定できないので注意してください。
COUNT・COUNTIF関数をマスターして初心者から脱却しよう
基本的な関数を知らない方は、どうしてもエクセルに苦手意識を持ってしまいがちですよね。
COUNT系の関数は使う頻度が多いため、知っているか知らないかで業務のスピードも大きく変わってきます。ぜひ本記事を利用してCOUNT系関数をマスターし、初心者から脱却するきっかけとしてください。