就職活動での仕事選びや就職先企業を探すために学生が経験するインターンシップ。本記事では、そんなインターンシップの最新事情について解説していきます。
目次を閉じる
「インターンシップ」とは
インターンシップは、特定の職種の経験を積むために、企業や組織に従事することを指します。具体的には、企業で一定期間働いたり、実際の仕事に近いグループワークを経験します。
従来は、学生などが企業の仕事を一定期間体験する職場体験がインターンシップの役割と考えられていました。しかし、現在では政府や大学の後押しなどもあり、就活の入り口となりつつあります。
インターンシップの種類とその期間
インターンシップには、大きく分けて以下の3つがあります。
1Dayインターンシップ
1日だけのインターンシップ。企業と学生の出会いの場として普及しつつあります。短期インターンシップ
1週間程度の短期間のインターンシップ。実際に仕事を体験できるほか、社員にアドバイスを受けたりと、充実した内容です。しかも手軽に参加できるメリットがあります。長期インターンシップ
1か月程度から1年以上の長期間のインターンシップ。当該企業の実務を経験できるのが大きなメリットです。そのままその企業に就職するケースも見られます。
企業側のインターンシップ 開催の目的とは
学生にとっては、職場体験や実務を知るなど意義のあるインターンシップですが、企業にとっても「優秀な学生と出会う」「企業を知ってもらう」など、多くのメリットがあります。
就職後の仕事内容など、学生が企業や職種に抱いているイメージのミスマッチを防げるのも大きなポイントと言えるでしょう。
「就活ルール廃止」が学生に及ぼす影響
2018年、経団連は企業の新卒採用の面接開始時期を定めた「就活ルール」を廃止すると発表しました(2021年度以降に入社する学生が対象)。これには、「就活ルールの形骸化」「通年採用の要望が高まっている」などの背景がありますが、学生にはどういった影響が出てくるのでしょうか。
「就活ルールが廃止」の就活との関係性とは
就活ルールが廃止されることによって、「選考のさらなる早期化」や「インターンシップの実施による学生の囲い込み」などが、これまで以上に企業によって積極的に行われることでしょう。
一方、売り手市場を背景として、21年卒だけでなく、現行ルールが適用される20年卒についても、就活が早期化される可能性があります。
インターンシップ参加状況
就職支援サービスであるキャリタス就活によると、20卒の大学生のアンケート調査で9割近くの学生がインターンシップへの参加経験があると回答しています。また「学生のインターンシップ参加率」と「企業のインターシップ実施率」も、年々増加している傾向があります。
これは、学生と企業の両方にインターンシップの重要性が認識され、活用が広がっていることを意味します。この傾向は今後も加速していくはずであり、学生にはさらなるインターンシップの活用が求められていくでしょう。
インターン参加のメリット
では、学生にとってインターンシップに参加するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
業界や就職研究につながる
実際に志望する業界で仕事をすることで、業界の知識向上や就職研究が行えます。自己成長につながる
実際の職場を体験することで、自分の成長やスキルアップにつながります。
「採用に有利」、「就職に直結」といった点だけが、インターンシップのメリットではありません。上述したように、志望する業界についての知識や、自分自身のスキルを高めることもできるのです。
インターンとアルバイトの違いとは?
当然ながら、インターンシップは、企業で仕事をするものの社員ではありません。では、同じように企業で仕事をするアルバイトとはどう違うのでしょうか。
インターンとアルバイトの大きな違いは、「採用に直結する」「責任ある仕事を任せてもらえる」ことです。インターンでは、アルバイトに比べて将来につながる高度な業務経験を積むことが可能です。
インターンの選び方/探し方
就職活動を前にインターンに興味をもち、自分も参加してみたいと思っている人も多いでしょう。ここで気になるのは、どうやって企業を選べばよいのかという点です。
目的にあったインターンの選び方
まず大切なのは、「自分の目的にあった企業を選ぶこと」です。「業界/職種」はもちろん、「実施期間」「場所」「得たいスキル」などの視点から選択します。
たとえば、「業界/職種」では、自分の専門分野に準じた内容の職業を選択すべきでしょう。また、学業との両立を考慮すると「実施機関」や「場所」も重要となります。
自分にあったインターンの探し方
インターンシップ先を探す方法としては、以下のようなものがあります。
友人や知人から紹介してもらう
大学の先輩や、企業に勤める知人からの紹介を受ける方法です。大学のキャリアセンターを利用する
大学で就職サポートを行うキャリアセンターは、インターンの情報も持っているため、これを活用するのもよいでしょう。合同説明会に参加する
複数の企業が合同開催するインターン説明会を活用するのもひとつの方法です。就活サイトを利用する
リクナビ、マイナビ、キャリタスのような大手就活サイトにもインターンの情報が掲載されています。
リクナビ:https://www.rikunabi.com/
マイナビ:https://job.mynavi.jp/2020/
キャリタス:https://job.career-tasu.jp/2020/top/
インターン参加に向けた注意事項
実際にインターン先で職業体験をするとなった場合には、以下のようなことに注意してください。
エントリーシートの提出と面接の参加の際の注意事項
新卒採用に直結させるという意味でも、しっかりとしたインターンの採用選考を行う企業が増えています。そのため、エントリーシートの作成や面接対策を行う必要があります。
<エントリーシート作成>
- 丁寧に書く
- 文章はわかりやすく端的に
- 誤字脱字に注意
<面接>
- 相手の聞き取りやすい声で話す
- 相手との対話の場であるということを心がける(一方的に思いを話さない)
- 服装はビジネスの場にふさわしいものにする
インターン参加の際の注意事項
インターンに参加する場合、必ずしもスーツを着る必要はありませんが、「仕事である」ということを考えると、少なくとも「ビジネスカジュアル」が基本といえます。
服装
就職活動では一般的に黒無地のリクルートスーツを着用します。インターンでも、これは同じです。また、スーツを着用しない場合でも、ジャケット・シャツ・スラックスのビジネスカジュアルが良いでしょう。詳しくは、下記を参照してください。
髪型
髪型も重要です。黒髪・パーマ無しの清潔感のある髪型にしましょう。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
面接
さきほども軽くふれましたが、インターンでの面接は、「参加する目的」「自分のこと」を中心に聞かれます。なぜ参加したいのか、自分は将来どういう仕事をしたいのかといったことを明確に答えられるようにしましょう。また、応募先企業の研究も大切です。詳しくは、下記を参照してください。
その他
ここまで、インターンに参加する場合の注意点をいろいろと見てきました。これ以外にも、いろいろと注意する点がありますので、下記の内容を参考にしてみてください。
参加目的を明らかにしてインターンに参加しよう
近年、就活が大きく様変わりしています。学生へのアンケートでも9割近くがインターンに参加するなど、インターンが就活の入り口として定着し始めています。
現場で実務を学びさまざまな経験を積むことが可能なインターンは、単に採用に有利になる、とか就職につながるというだけでなく、人として成長できるとても有意義なものです。ぜひ、今回の記事を参考にインターンを活用してみましょう。