ノマドという働き方のメリット・デメリット、必要な持ち物から節約術まで紹介

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記事の情報は2018-11-25時点のものです。

オフィスなどの決まった勤務先を持たずに好きな場所で仕事をする働き方を、決まった家を持たずに生活する遊牧民になぞらえてノマドと呼んでいます。特定の仕事場所を持たないワークスタイルを表した用語です。ノマドとして働くために必要な持ち物やメリット・デメリットにはどのようなものがあるのか、また必要とされる節約術について説明します。
ノマドという働き方のメリット・デメリット、必要な持ち物から節約術まで紹介

ノマドという働き方

「ノマド」とはもともと「遊牧民」のことを指す言葉です。モンゴルをはじめとする中央アジアの国々において、主に牧畜をしながら各地を転々と移動し、決まった居住場所を持たずに暮らしている人たちを意味しています。

現代社会では決まったオフィスで働くのではなく、インターネット環境が整備されたカフェやコワーキングスペースなどを利用し、パソコンやスマホなどのIT機器を用いて業務を行う働き方を選ぶ人が増えています。

こうした働き方をノマドやノマドワーキング、このようにして働く人のことをノマドワーカーと呼んでいます。

 

フリーランスとの違い

フリーランスとは、特定の企業や勤務先に属することなく企業や個人と契約して仕事を請け負って働く人たちのことで、労働契約に主眼が置かれている点でノマドとは異なります。

ノマドは特定のオフィスなどを持たず、いろいろな場所で仕事を行う労働スタイルを指しており、主に働く場所に注目したワークスタイルを表す用語です。

正社員であれ非正社員であれ、特定の仕事場を持たない働き方をしているのであれば、広い意味でノマドと言えるでしょう。

ノマドワークの現状

あるノマドワークについての調査によると、ここ数年でノマドワークの認知度は急速に広がりつつあります。聞き覚えがある人と意味を知っている人を合わせると、その割合は約4割にのぼっています。

また調査対象の2割の人は実際にノマドワークを行っており、オフィス以外でも仕事が可能と感じている人は5割を超えるなど、ノマドワークに肯定的な意見も多いようです。

ノマドワークが受け入れられつつある背景には、Wi-Fiの普及などIT環境の整備が関係していることはいうまでもありません。オフィス勤務にありがちな上司や部下などの人間関係に気を遣わずにすむ、周りの声が気にならないなど、ノマドワークならではのメリットも少なからず影響を与えていると考えられます。

ノマドワーキングの方法

ノマドワーキングは決まったオフィスなどではなく、カフェなど好きな場所で仕事をする働き方です。ノマドワーキングを行ううえで、どのような仕事や職種が向いているのか、どのようなものが必要になるのか、その一例を紹介します。

仕事内容

ノマドワークに向いている職業としては、まずPCやスマホひとつで仕事が可能な職種が挙げられます。

特にWebデザイナーやSE、プログラマー、ウェブコンサルタントなど、Web系の職種はノマドワークに向いている職種の代表格といえるでしょう。環境さえ整っていればオフィスであえて業務を行う必要もなく、ノマドワークに適しています。しかしデバイスが複数必要だったりバッテリーやコード類がかさばるなどで、荷物が重くなるという悩みもあるようです。

こうしたIT関係の職種以外にも、外回りの多い営業マンや記者、ライター、カメラマンなど、もともとオフィスよりも外で働く機会の多い職種もノマドワーク向きといえます。

持ち物

ノマドワークに最低限必要なものとしては、次のものが挙げられ、すべて自分で用意する必要があります。

  • スマートフォン
  • ノートPC
  • モバイルバッテリー
  • ポケットWi-Fi
  • 必要なケーブル類

コンセントがある場所であればバッテリーは不要となるでしょう。しかし、すべての作業スペースにコンセントがあるとは限らないため、バッテリーは持ち歩いた方が無難でしょう。

Wi-Fiに関しては、公衆の無線LANが使える場所もありますが、業務を行うにはセキュリティ上問題となることも多く、やはりポケットWi-Fiを用意して使用するのが安全です。

ノマド的節約術

ノマド的節約術とは、「ノマド的節約術」というサイトを運営している松本博樹さんが考案した節約術です。

松本さんは会社を退職後、一時期フリーランスとして働いていました。生活が苦しくなり節約の必要に迫られてお金の勉強をしていくうち、お金について学ぶことがどんどん楽しくなって行ったそう。

ノマドの多くはフリーランスの方が多いのではないでしょうか。そうなるとやはり会社勤めと比べると、収入が不安定なのは否めません。節約と一言で言っても、そもそもお金を使わない、株主優待を利用する、通信費を節約する、などさまざまなテーマとやり方があるようです。

収入・支出の見直し

節約の基本は、まず生活に必要な費用を洗い出し、家計の収入・支出を把握するところから。家計簿ソフトやアプリなどをそのためのツールはなんでもいいので活用し、お金の流れを正確に把握するのが大切です。

そして家賃や住宅ローン、保険料など固定費の中から、削れるもの・安くできるものを探して、余分な支出を減らして見直すよう説いています。

資産を増やす

定期預金などを活用してお金を増やすことも大切です。低金利時代ではあるものの、インターネットバンクや地銀などで高金利キャンペーンなどもあるので、少しでも有利な預金をするよう心がけたいところです。

また企業の株を保有することで特典が受けられる株主優待もおすすめですし、投資信託にチャレンジするのも資産を増やす手段としては有効でしょう。確定拠出年金やNISAを活用するのも一手でしょう。

最近では、楽天ポイントなどのポイントから投資にチャレンジできる仕組みなどもあるようです。実践するにはある程度の知識が必要ですが、資産を増やすことは寿命が伸びると言われるこれからの時代、非常に大切な観点です。

ノマドワーキングのメリット・デメリット

ノマドワーキングはここ数年、急速に世間に浸透し広がりを見せています。ノマドワーキングのメリット・デメリットとはどういうものがあるのでしょう。

ノマドワーキングのメリット

ノマドワーキングは決まった場所で仕事をするわけではなく、自分の好きな場所で仕事が可能です。

職場へ通勤する必要がないので時間を節約できますし、ランチも家で食べられるので食費も節約できます。好きな服装で働けるので、会社に着て行くスーツも不要で服飾代も抑えられるでしょう。

インターネット環境やPCさえあれば、カフェでも公園でもお気に入りの場所を仕事場にできることも嬉しいですね。気分転換をしやすく、生産性も上がるはずです。

また場所だけでなく時間的にも自由度が高く、自分の都合や体調に合わせた業務が可能となり、休日も自由に設定できます。自分のライフスタイルに合わせた働き方が実現しやすいでしょう。

ノマドワーキングのデメリット

どこでも働けるように、自分の働き方にあったデバイスや通信環境を自前で用意する必要があり、こだわればこだわるほどコストはかさむでしょう。カフェなどを利用すれば飲食代はもちろんセキュリティ対策などにも、コストはかかります。

働く場所を自由に選べる反面、きちんと自己管理ができなければ生産性は落ち、終わらなかった仕事を深夜まで行うなどして体調を崩す原因にもなります。そして会社に勤めていない、仕事場所が不定であるという点から、社会的な信用を得られにくいという側面もあります。

ノマドワーキングは定着するか

会社に行かなくてもいい、という自由を手に入れられた一方で、自律性が問われる働き方である「ノマド」。

会社に行くというルールがある方が気が楽だ、周囲の目がある方がサボらないですむという人には、ノマドは向いていないかもしれませんね。

しかし、日本国内に限らず世界中を旅しながらでも仕事ができるノマドワーキングは、必要最低限をお金を稼ぎながら知見や人脈を広げられるなど、使い方によっては人生を変える働き方だと言えるでしょう。