「日本の有給休暇取得率」世界最下位、2019年4月に迫る義務化を徹底解説

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12月10日、エクスペディアが【世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018】発表しました。これによると、日本の有給休暇消化率は3年連続で世界最下位。一方、2019年4月からは有給休暇取得の義務化がスタートすると話題ですが、未だ、具体的にどのように対応していくかは未定という会社が多く、働く方の多くは義務化自体をよく知らないことがほとんどです。ここではなにがどう変わるのかを取り上げます。

義務化にどう対応していくべきか

義務化とは言いますが、目指したいのは5日の取得ではなく、有休取得率70%の達成です。義務化を突破口に、根底にある取得しにくい状況を改善していくことが重要です。

もともと有休の取得率には、業種ごとに大きな開きがあります。中でも取得率が低いのが、休みが不規則なシフト制勤務のサービス業。取得率が低い理由としては、シフトを組む時点で、ある程度休日の融通が利くこと、慢性的な人出不足などが考えられます。

今回の義務化に業種ごとの措置はありませんので、義務化に対応していくには、通常の1か月シフトの所定休日+1日といった形で、有休取得日を設定していく必要があるでしょう。

また、シフト制勤務の会社に限らず、働く方任せで取得率を向上させることが難しい会社は、有給休暇の計画的付与も検討してみるとよいでしょう。有給休暇の計画的付与は、付与された有休のうち5日を超える部分について、あらかじめ、会社と労働者代表との間で有休取得日を定める方法です。会社単位で行うことも、事業所や部門単位で交代で行うことも可能です。

例えば、ブリッジホリデーといって、会社所定の夏季休暇や年末年始休暇の前後に計画付与日を設定したり、ゴールデンウィークなどの飛び石連休の間に設定したりして、大型連休を実現する使い方があります。他にも、会社の創立記念日に設定したり、祝日がない月の金曜日あるいは土曜日に設定して独自の3連休を設けたりといった使い方も考えられます。

確実に有休を消化してもらう意味でダイレクトに効果がある仕組みですが、有給休暇の計画的付与を実施している会社は、実施していない会社に比べ有休の取得率が高いというデータもあり、自発的な有休取得を増やすきっかけとしても期待できます。

それでも「付与日を設定した後に仕事の予定が変わるかもしれない・・・」「仕事の内容ごとに取得できるタイミングは異なる・・」といった理由から計画的付与には踏み切れない会社もあるでしょう。そんなときには、有休取得の推奨日を周知するだけでも効果が期待できます。

誕生日や記念日、連休の中日や土曜が祝日の金曜など、取得推奨日を色付けしたカレンダーを社内で共有し、定期的に取得の声がけを行うことで、取得率が大幅に改善した事例もあります。時間単位での有給休暇を許可するなど、取得する側にとって使い勝手の良い制度を勘案することも大切でしょう。

中には、有休を取りたいと思っていない方もいるかもしれません。ですが、有休は働く方にとって権利で、会社にとっては義務ですので、これを機に有休の活用方法を考えてみるとよいでしょう。

会社側は、有休に限らず多様な働き方の広がりによって、常に全員が揃って働くことを当たり前とすることはもはや難しいことを自覚しなくてはいけません。全員が揃わないことを前提にした業務体制を整え、社員が気兼ねなく有休を取得できる会社を目指しましょう。