PayPay、AmazonPayなど大手参入で急成長、QRコード決済市場は2023年8兆円へ

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日本能率協会総合研究所は11月9日、日本国内のQRコード決済市場規模を推計した。2018年はPayPayやAmazonPayなど、大手が実店舗での運用・実証実験などをスタートし、〇〇Payの乱立状態となった。同調査によれば、2023年のQR決済市場は8兆円と推計され、東京五輪のインバウンド需要や政府の後押しもあり、市場は拡大するという。
PayPay、AmazonPayなど大手参入で急成長、QRコード決済市場は2023年8兆円へ

QR決済元年とも言われる2018年を振り返る

2018年7月、政府は産学官からなる「キャッシュレス推進協議会」を発足させた。2025年までにキャッシュレス決済比率を40%に、将来的に80%にするという目標達成のために本腰を入れ始めたのだ。

今年に入り、企業の動きも活発化している。

8,700万人という大きな会員を抱える楽天Payは加盟店を伸ばし、ECの巨人AmazonのAmazon Payも実店舗での実証実験をスタートさせている。

また、グローバルの月間流通総額が約1,300億円を突破したというLINEPay。2018年の送金件数は前年比2.8倍、決済額は同2.5倍、QRコード決済は同11倍に増加したというが、実店舗決済では他社に後れをとっている状況である。

そして、2018年にインパクトが大きかったのはソフトバンクとYahoo!が設立したPayPayだ。ユーザー数・加盟店数NO.1を目指すと宣言し、10月からアプリ利用をスタートさせた。

加盟店数は急増しており、12月1日からはH.I.S.で旅行業界初となるQR決済の導入が発表されている。

PayPayはファミリーマートでの支払いに対応する12月4日にあわせ「100億円あげちゃうキャンペーン」も実施予定だ。 キャンペーン期間中、PayPay加盟店で支払うと、PayPay決済利用金額のなんと20%相当がボーナスとして還元されるという大判振る舞い。

還元ボーナスは上限金額50,000円相当だというが、H.I.S.も参加予定で、旅行などの高額商品を購入予定の人にとっては大きなメリットとなる。

こうした大手の動きの中で、日本で早い段階からQR決済市場開拓に着手していたOrigamiPayは苦戦を強いられる状況だろう。

2019年以降、どの企業が主導権を握るのか。QRコード決済をめぐる覇権争いが注目されている。

QR決済市場は2023年に8兆円へ

日本能率協会総合研究所が11月9日に出した「国内のQRコード決済市場調査」によれば、2023年の国内QR決済市場は約8兆円と推計されるという。

グラフでは2019年度の6,000億円から、4年で約13倍増という急成長が見込まれるのだ。

出典:プレスリリース

この背景として、同社ではスマホ決済の先進国である中国の影響をあげている。訪日中国人対応により「WeChat」や「Alipay」などを導入する企業が国内でも増加しているという。

また2020年の東京五輪による需要の拡大は、QRコード決済市場にとっては後押しになる。また前項でも述べたとおり、大手の参入の動きもあり、爆発的に普及すると予想されている。

ただ、現在の〇〇Payの乱立状態に、ユーザーからはどの「決済手段が良いのかわからない」「どこで何が使えるのかわからない」などの声もあがっている。

各社はキャンペーンなどでユーザーと加盟店の囲い混みに必死だが、その裏にはユーザーデータを巡る各社の思惑も見え隠れする。

今後、細かく乱立している決済手段は淘汰されていく可能性もあるだろう。