オフィスで生鮮食品受け取れる
クックパッドが提供する生鮮食品ネットスーパー「クックパッドマート」で、オフィス配送サービスが始まった。GMOクラウドと提携し、2019年1月23日より開始。同社の従業員は、クックパッドマートアプリで購入した商品を、オフィスの規定場所で受け取れる。
クックパッドマートは2018年9月に都内で始まったサービス。地域の有名店の味や育て方にこだわった食材などを、スマートフォンアプリから購入できる。
自宅への配送ではなく、地域の店舗や施設で商品を受け取れるという仕組みで、購入者は注文時に受け取り日時と場所を選べる。
受け取り場所は設備を設置できるだけのスペース(0.5平方m程度)があればよく、9月にはドラッグストアチェーン(ツルハ、スマイルドラッグ)、酒販店のカクヤスなど5社とも提携している。
新鮮な食品を、新鮮なうちに
生鮮食品のEC(ネット販売)はやはり鮮度維持がネックになる。生産者や販売店からすると、人員やオペレーション負担の面からもEC参入は難しい。クックパッドマートのようにこだわり、高品質をウリにしていれば、なおさらだ。
一方、消費者にとっても日々の買い物は課題の一つ。営業時間中に立ち寄るのが難しかったり、重いものを長距離運ぶのが困難だったりと、買い物できる店や商品が限られてくる。また地域に「いい店」があるとは知っていても、その一品のために訪れるのはハードルが高い。
そこでクックパッドマートが取り組んだのが、「何個購入しても送料無料。さらに、最低注文金額1円から注文」できるシステム。受け取りも楽になるよう、生活のなかで訪れる店舗などと提携する仕組みをつくった。
サービス発表時の取材で、クックパッドマート事業責任者の福崎康平氏は次のように話している。
「毎日の料理を楽しみにしていくために、日々の買い物をより便利に、より楽しく、美味しくしていく義務がクックパッドには有ると思います。
クックパッドマートは地域の商店と受取場所をつなぐプラットフォームサービスです。利用者にとっては送料無料で、多様な食材を利便性高く購入する機会を増やすことができます。また、参加される販売店にとっては、これまでは来店いただくかお取り寄せしていただくしか販売の選択肢がなかったものから初期費用無料で配送できることによって販路を拡大することができます。」
利用者動向分析でさらに便利に
オフィス配送は、クックパッドのオフィスで2018年3月より実施してきた。
利用する従業員からは、「店舗に立ち寄る時間がない日でも焼き立てのパンが購入できるのが嬉しい」「保育園のお迎え前に食材を受け取れて助かっている」「オフィス近隣に住んでいるからオフィスで受け取れると便利」といった声が寄せられており、社外へのサービス提供に踏み切ったという。
この度のGMOクラウドとの提携では、利用者動向の分析にも取り組む。
同社が提供するAIによる来店者分析サービス「Diversity Insight for Retail byGMO」を設置し、クックパッドマートの利用者動向を分析する実証実験を共同で行う。得られたデータはサービス改善に生かす。