被雇用者6割「給与アップ」希望するも実施は4割弱 - 勤務時間は大きく改善

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被雇用者の6割が「給与アップ」を希望しているが、実際に改善を実施した雇用主は4割に満たないという。一方で、残業時間を短縮、時短労働など、勤務時間に関して改善した企業が希望よりも多い。ディップが「はたらこねっとユーザーアンケート 勤務条件の改善について」で発表した。

被雇用者6割「給与アップ」希望するも実施は4割弱 - 勤務時間は大きく改善

進まない雇用環境改善

厚生労働省は2018年4月、非正規雇用者のキャリアアップを促進するため、正社員化、あるいは処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する「キャリアアップ助成金」を改正した。たとえば、有期雇用者を正規雇用に転換した場合一人あたり最大72万円を助成するもので、改正により支給申請上限人数を拡充するなどした。

ところが、非正規雇用者問題は解決したとはいえない。とくに2018年は「無期転換ルール」で雇止めが加速するかもしれないという「2018年問題」も問題視された。

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とりわけ賃金を巡る問題は山積しており、6月に成立した働き方改革関連法では「同一労働同一賃金」導入が決まったものの、不安は拭えない。

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勤務条件の改善を当事者はどう見る?

非正規・正規問わず、従業員と企業とのミスマッチは常に起きている。勤務条件から見た場合、どのような意見があるのだろうか。

ディップが総合求人情報サイト「はたらこねっと」において実施した「はたらこねっとユーザーアンケート 勤務条件の改善について」によると、現在の雇用形態を「希望していない雇用形態」と回答した人は3分の1。また勤務条件に満足している人も3分の1と、多くの人が不満を抱えていることが改めて浮き彫りになった。

3分の1が雇用形態に不満

調査は2018年6〜7月に実施。有効回答数は1,447件だった。

現在の雇用形態について尋ねた設問では、「希望通りの雇用形態」が34%、「希望していない雇用形態」が32%と、ほぼ同じ割合となった。「とくに雇用形態にこだわっていない」も34%とわかれたかたちだ。

希望していない雇用形態で働いていると回答した人に理由を尋ねると、次のような声が挙がったという。

年齢の壁がある
・年齢的に雇用されにくい。(すみれさん)
・正社員になりたいが、年齢的には採用が難しいと思います。(まあちゃんさん)

正社員の条件が厳しい
・正社員制度があるというので入社しましたが、条件が厳しくなかなかそのレベルまで引き上げてくれない。(こぶたさん)
・正社員の試験を受けているが、なかなか受からないから。(まゆたんさん)
出典:プレスリリース

なお、キャリアアップ助成金を理解している人はわずか9%と低かった。反対に「聞いたことがない」が59%と半数を超えている。

勤務条件「不満」も約半数

現在の勤務条件について満足しているかどうかを尋ねた。

結果、「とても満足している」(5%)と「満足している」(27%)をあわせて32%が満足している、という。一方で「まったく満足していない」(13%)、「満足していない」(33%)、計46%が満足していないと回答し、満足しているを上回った。

さらに、勤務先に勤務条件の改善要望をしたことがあるか尋ねたところ、「ある」と答えた人は全体の43%だった。このうち改善要望をした後に改善がなされたのはわずか15%。

従業員は「給与アップ」希望するも

従業員は具体的に、雇用主にどういった内容の改善を望んでいるのだろうか。同調査では「給与を増やしてほしい」が62%で最多となり、次いで「評価・昇給・昇格制度を整えてほしい」が28%、「自分に合った仕事内容にしてほしい」が21%だった。

ところが、雇用主が実際に改善に取り組んでいる項目は、従業員が望む項目とかい離していることがわかった。

出典:プレスリリース

従業員が改善を望む項目と雇用主が実際に改善したことの割合を比較したところ、「残業時間の短縮」「時短労働勤務」「自分に合った勤務時間」など、勤務時間に関する項目の割合については後者が前者を上回った。勤務時間は大きく改善できる傾向にあるといえる。

一方で、従業員が多く希望している「給与の増加」「評価・昇給・昇格制度を整える」「正規雇用者と同等の待遇」など、人事制度や待遇面で改善を実施した雇用主の割合は希望割合と比べて少ない。

こと給与に着目すると、給与増額を望む従業員が62%いるのに対し、実際に改善した雇用主は38%。ほかの項目と比べると実施している企業が多いものの、希望数とのかい離は目立つ結果となった。

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