PayPayは100億円でシニアと富裕層を獲得した - 決済アプリ利用動向調査

12月にPayPayが実施した「100億円あげちゃうキャンペーン」は大きな話題を呼んだ。キャッシュレス決済比率向上に貢献したといわれるが、実際には、ユーザーはどういった行動をとったのだろうか。ヴァリューズは、ユーザーの行動ログ分析を通じて、スマホ決済アプリの利用動向を調査した。

PayPayは100億円でシニアと富裕層を獲得した - 決済アプリ利用動向調査

2018年末に実施された、スマホ決済「PayPay」の「100億円あげちゃうキャンペーン」。還元額の大きさもあって大きな話題を呼んだ。一時システム障害が発生するなどトラブルはあったものの、キャッシュレス決済比率の向上に一役買ったといわれている。

実際このキャンペーンに反応し「キャッシュレス社会」に足を踏み入れたのは、どういった人だったのだろうか。ヴァリューズは、ユーザーの行動ログを用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、PayPayの利用動向を調査。2月に結果を発表した。

調査では、PayPayのほか主要決済アプリとしてOrigami決済アプリ楽天ペイ、PayPal、Pay8、QUICPayも分析対象としている。LINEアプリ内で展開するLINE Payは、決済機能単独でのログが取得できないため対象外。

1日に471万人がPayPayを起動

100億円あげちゃうキャンペーンは12月4日から約4か月間の予定でスタートした。ところがユーザーが殺到し、わずか10日で還元額が上限の100億円に到達。最終日となった13日には約471万人がPayPayアプリを起動したという。

キャンペーン開始前にあたる3日時点では約104万人。瞬間的ではあるが、起動するユーザーはキャンペーン期間中に約4.5倍に増えている。

出典:プレスリリース

12月21日~25日に50%ポイントバックキャンペーンを実施した楽天ペイも起動ユーザーが瞬間的に増加、22日には約187万人が利用している。

新規9割がキャンペーン中に登録

PayPayのキャンペーンは新規ユーザー獲得にも貢献した。12月にアプリをインストールした新規ユーザー約541万人のうち、9割にあたる489万人がキャンペーン期間に集中している。

出典:プレスリリース

月次でユーザー数推移を見てもインパクトは大きく、12月、PayPayは楽天PayやOrigami決済アプリを一気に抜き去った。

出典:プレスリリース

PayPayはシニアと富裕層を獲得した

では、キャンペーン中にPayPayが獲得したユーザーは、どういった層だろうか。年齢別でみると、目立ったのは60代の増加だった。

下図は10〜12月の年代別ユーザー層推移を表している。10月時点で14.5%だった50代以上のユーザーが、12月には27.9%まで増加。特に60歳以上の増加が顕著で、10月の4.4%から12月の12.5%へと8ポイントシェアを増やした。相対的に、当初37.7%を占めていた20代が23.6%へと減少している。

出典:プレスリリース

世帯年収別にみると、収入が多い層の比率も増加した。世帯年収1000万円以上のユーザーは10月の11.2%から12月の14.0%へと3ポイント、800万~1000万円未満のユーザーは11.0%から12.5%へ2ポイント増加し、計26.5%と全体の4分の1を占めている。反対に、10月時点で半数近かった400万円未満のユーザーは、12月時点で28.2%まで減少した。

出典:プレスリリース

2019年も参入続く決済アプリ市場

スマートフォンを活用したコード決済アプリへ市場は、2019年も参入が続く。

2月13日には、メルカリが「メルペイ」をiOS先行で開始した。メルカリの取り引きで得た売上金を、実店舗の支払いに利用できる。NTTドコモの非接触決済サービス「iD」に対応したことで、全国約90万店と大規模での導入に成功した。

今後も、3月にはみずほファイナンシャルグループが、春にはセブン&アイ・ホールディングスが、7月にはファミリーマートが、それぞれ独自の決済アプリをリリース予定だ。

コード決済は小口利用こそが普及の鍵を握るともいわれている。PayPayも100億円キャンペーン第2弾で少額利用を促進しようとしており、12月の第1弾実施時とはユーザーの行動も大きく異なりそうだ。

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