2019年の干支「己亥」どんな年に?意味・由来・十二支との違い・早見表

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記事の情報は2019-01-01時点のものです。

暦で用いられる干支(えと)は、十二支(じゅうにし)と十干(じっかん)を組み合わせた、60で一周する数え方です。近年は、干支といえば12の動物で表した十二支を指すことが多いものの、干支と十二支は別物。早見表をあわせ、干支の意味や由来、十二支との違いを解説します。2019年の干支は「己亥(つちのとい)」。どんな年になるのでしょうか。
2019年の干支「己亥」どんな年に?意味・由来・十二支との違い・早見表

2019年、新しい年が始まりました。本年もビヨンド/Beyondをよろしくお願いいたします。

さて、みなさんにとって2018年はどんな1年だったでしょうか。2018年のニュースを振り返ると、働き方改革関連法案の可決、大手も参画し急速に普及したキャッシュレス決済、トヨタも本腰を入れ始めたモビリティの活性化など、大変革への助走ともとれる出来事が多く見られました。

一方で2018年を表す漢字「災」にも象徴されるように、大規模な自然災害も相次ぎました。生活再建や防災対策は引き続き大きな課題の一つです。そしてクリスマスを直撃した株価の下落。一時1万9,000円を割り込み不安を残す年末となりました。

2019年はどんな1年になるでしょう。1年を占うヒントになるのが干支(えと)です。2019年の干支「己亥(つちのとい)」は、どのような傾向があるのでしょうか。

干支とは?十二支との違い

そもそも干支(えと)とは何でしょうか。年賀状などで使う「いぬ」や「いのしし」といった十二支(じゅうにし)と混同されがちですが、本来、干支と十二支は異なります。

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干支とは

干支(えと)とは、十二支(じゅうにし)と十干(じっかん)という2つの暦の数え方を組み合わせた表記方法です。十二支と十干の組み合わせは60パターン存在しており、この組み合わせを干支と呼びます。60年かけて干支を一周すると「還暦」を迎えます

十二支や十干の法則は次のとおりです。

十二支の法則

まず十二支では暦を12年間1セットで表記します。

1年目が子(ネ/ネズミ)、2年目が丑(ウシ)、3年目が寅(トラ)となり、卯(ウ/ウサギ)、辰(タツ/リュウ)、巳(ミ/ヘビ)、午(ウマ)、未(ヒツジ)、申(サル)、酉(トリ/ニワトリ)、戌(イヌ)、そして12年目の亥(イ/イノシシ)で1周して、13年目から子の年に戻ります。

十干の法則

十干では暦を10年間1セットで表記します。

1年目が甲(コウ・キノエ)、2年目が乙(オツ・キノト)、3年目が丙(ヘイ・ヒノエ)となり、丁(テイ・ヒノト)、戊(ボ・ツチノエ)、己(キ・ツチノト)、庚(コウ・カノエ)、辛(シン・カノト)、壬(ジン・ミズノエ)、そして癸(キ・ミズノト)で1周して、11年目から甲の年に戻ります。

近年の干支早見表

2018年は、十二支だと戌(いぬ)年。干支で表記すると「戊戌(つちのえいぬ)」の年でした。2019年は亥(いのしし)年ですが、干支では「己亥(つちのとい)」の年にあたります。

ちなみに近年の干支は次の表のようになっています。

西暦 十二支 干支
2009年 うし 己丑(つちのとうし)
2010年 とら 庚寅(かのえとら)
2011年 うさぎ 辛卯(かのとう)
2012年 たつ 壬辰(みずのえたつ)
2013年 へび 癸巳(みずのとみ)
2014年 うま 甲午(きのえうま)
2015年 ひつじ 乙未(きのとひつじ)
2016年 さる 丙申(ひのえさる)
2017年 とり 丁酉(ひのととり)
2018年 いぬ 戊戌(つちのえいぬ)
2019年 いのしし 己亥(つちのとい)
2020年 ねずみ 庚子(かのえね)
2021年 うし 辛丑(かのとうし)
2022年 とら 壬寅(みずのえとら)
2023年 うさぎ 癸卯(みずのとう)
2024年 たつ 甲辰(きのえたつ)
2025年 へび 乙未(きのとひつじ)
2026年 うま 丙午(ひのえうま)
2027年 ひつじ 丁未(ひのとひつじ)
2028年 さる 戊申(つちのえさる)
2029年 とり 己酉(つちのととり)

2019年の己亥は干支の組み合わせの36番目で、翌2020年の干支は庚子です。

干支の意味と由来

十二支(じゅうにし)と十干(じっかん)の組み合わせで年を表現する干支(えと)は、全部で60通りあり、60年で一周します。

十二支の由来

十二支の起源は古く、紀元前から十干と組み合わせて日付の記録に使われていたといいます。

十二支の分類に用いる文字の由来は不明。さらに十二支に12の動物をあてるようになった理由は、「覚えやすくするために身近な動物をあてはめた」など諸説あります。また動物の順番にも諸説あり、例えば「神様が動物にレースをさせて、上位12種を十二支に任命した」といった逸話が知られています。

十干の意味

十干は、古代中国の五行説に由来します。五行説ではすべてのものごとを、木、火、土、金、水の5種類に分類します。十干ではさらに、各要素を兄(え/陽)と弟(と/陰)2パターンに分類し、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸の10字で表現します。

たとえば、十干にある「甲」と「乙」は両方とも木を表す十干ですが、甲は兄としての性質、乙は弟としての性質を持っています。

五行思想および十干があまり使われなくなったため、近年では干支といえば十二支を指すことが多くなったといわれています。年賀状の図案や、お年賀商品、また生まれ年を表現するのに使ったりと、生活に根付いているからでしょう。

干支に由来する名前

日常生活で干支に触れることは少なくなったものの、実は身の回りの文化や風習は干支に大きくな影響を受けています。たとえば「還暦」や「甲子園」がその一例。次から詳しく解説します。

還暦

60歳を「還暦」として祝う風習は干支に影響を受けたものの一つ。

「還」の字は一巡りすることを意味します。暦つまり干支が一巡りするから「還暦」。干支は60年で一周するので、60歳になると再び自分が生まれた年の干支を経験します。60年という節目に長寿を祈念し、還暦として祝うようになりました。

阪神甲子園球場

高校野球で盛り上がる「阪神甲子園球場(通称:甲子園)」も干支にちなんで名付けられました。

甲子園が完成したのは1924年。1924年は、十干の最初である「甲」と十二支の最初である「子」の年であり、干支の一番目の年「甲子(きのえね)」に当たります。その縁起の良さにあやかって甲子園と命名されました。

干支にちなんだ商品

2019年の十二支は亥(イノシシ)です。すでにいくつかの企業が、イニシシにちなんだ商品の製造・販売を決定しているので、いくつか紹介します。

スタバ初“干支デザインカップ”

スターバックスコーヒーは、チルドカップ「キャラメルマキアート」を期間限定で販売しています。パッケージにいのししを採用したもので、干支モチーフを使用するのはスタバとして初めてとのこと。

出典:プレスリリース

サンスター「干支ハブラシ2019亥」

サンスターも十二支にちなんだ歯ブラシを発売しました。今年は、いのししと演技の良い柄を持ち手にデザインしており、ふるさと納税の返礼品としても採用されています。

出典:プレスリリース

「亥」ラベルのウイスキー

ジョニーウォーカーもイノシシをあしらったオリジナルボトルのウイスキーを販売しています。1万樽に1樽しかできない、ジョニーウォーカーブルーラベルをイノシシをモチーフにした専用ラベルのビンに詰めたコレクターアイテムです。

出典:プレスリリース

このほか、お年賀や手土産向けの商品が多くのショップで販売されています。

2019年「己亥」はどんな年に?

2019年の干支(えと)は「己亥(つちのとい)」。60で一周する干支のうち36番目にあたります。己亥年がどのような年になりそうか、己亥の意味とこれまでの傾向から見てみましょう。

「己」と「亥」の意味

己亥は、十干で「己(つちのと)」、十二支で「亥(い)」に相当します。

己は五行説でいう「土の弟」の年になります。また亥は十二支の最後で、いのししには無病息災を願うほか情熱といった意味合いも含まれています。

「亥年」の特徴

「亥」には無病息災を願う意味があるものの、実際には災害や事故などが発生しやすい年であるといわれています。

たとえば、阪神大震災が発生した1995年は亥年でしたし、近代の東京に大規模な被害をもたらした関東大震災も1923年、亥年の9月でした。震災だけではなく、1995年には世間を震撼させた地下鉄サリン事件も発生しています。

1959年「己亥」年の出来事

さらに、60年前、前回の己亥にあたる1959年には、吉事と災い双方で大きな出来事がありました。

1959年(昭和34年)の日本はは戦後復興も一段落し、高度経済成長の真っ只中。「岩戸景気」と呼ばれる時期でした。さらに、4月末で退位される今上天皇がご成婚された年でもあり、テレビ中継されたパレードに多くの人が見入りました。

一方で、亥年の特徴といわれるとおり大きな災害・事件も起きました。戦後有数の大きな被害をもたらした「伊勢湾台風」が日本列島を襲ったのは1959年でした。また世界的に見れば、キューバ革命やチベット蜂起などが発生した年です。国内外を問わず、歴史に残る出来事がありました。

一年をより良く過ごすために

干支(えと)は60を周期とする数詞の一つで、12ある十二支(じゅうにし)と10ある十干(じっかん)を組み合わせたものです。暦のほか、時間や方位にも用いられます。近年は、身近な動物を当てはめた十二支を干支ととらえることが多くなってきましたが、本来、干支と十二支は別物です。

2019年は、干支で36番目にあたる「己亥(つちのとい)」の年。十二支(じゅうにし)では無病息災を願う動物「亥(いのしし)」の年にあたるものの、災害や事件が多い年といわれています。2018年に引き続き、災害が気になる年となるかもしれません。

2020年の東京五輪を前に、働き方改革関連法の施行、消費増税などを控えた2019年。一つでも良い出来事が続くよう願うばかりです。