QRコード決済が電子マネーを超える日はくる?2019年利用者数は960万人へ

2018年末、PayPay、LINEPayなど各社がQRコード決済の大型キャンペーンを展開し、キャッシュレス旋風が起こった。では、実際の利用者数はどのように推移しているのか。ICT総研が発表した「モバイルキャッシュレス決済の市場動向」によれば、スマホのQRコード決済サービス利用者(アクティブユーザー)は2018年度末に512万人、2019年はさらに伸び960万人になると見込まれる。ただ、電子マネー利用者数と比較すると、規模はまだ半数程度である。今後QRコード決済利用者はどのように増えていくのだろうか。

QRコード決済が電子マネーを超える日はくる?2019年利用者数は960万人へ

キャッシュレスが話題を呼んだ2018年

2018年はキャッシュレス決済が脚光を浴びた。政府も本腰を入れて動き始め、10月に予定する消費増税時には、消費の落ち込みをカバーすべく各サービスを介したポイントバックも予定している。

2018年12月、ソフトバンクとヤフーの合弁会社であるPayPayが仕掛けた100億円あげちゃうキャンペーンが大きな反響を呼んだ。続いて、LINE Pay、Origami Payなどもキャンペーンを展開。スマートフォンによるバーコード/QRコード決済は、消費者にとって一気に身近なものになった印象だ。

一方で、電子マネーの存在感も強い。コード決済のような爆発力はないものの、形態こそカード型からスマートフォン型へと変わりつつあるものの、アプリの利用者数をじわじわと伸ばしてきた。Suica、楽天Edy、nanacoなどがこれにあたる。

コード決済VS電子マネー

キャッシュレス決済のなかでも、スマートフォンを使ったコード決済と電子マネー決済を「モバイルキャッシュレス決済」とし、ICT総研が市場動向調査の結果をまとめている。決済サービス運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,062人へのwebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものだ。

ユーザーの利用実態はどうなっているのだろうか。

出典:ICT総研「モバイルキャッシュレス決済の市場動向」

ICT総研が2018年12月に実施した「2019年 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」によると、堅調に利用者を増やしてきた電子マネーに対し、QRコード決済が2018年に一気に伸ばしている。2019年以降も両者とも伸び続け、2021年時点ではほぼ横並びになる見込みだ。

QRコード決済が広がりを見せる背景には、お得感のあるキャンペーンに加え、店舗側も設備投資が必要なく、参画しやすいことが挙げられる。

しかし、電子マネーからコード決済に切り替えるユーザーが急増するということも考えにくいだろう。なぜなら電子マネーは、画面を操作することなく読み取り端末にかざすだけ。ユーザーの手軽さにおいては、電子マネーの方が優れていると考える人も多いのだ。

サービスの乱立が続く中で、両方を使い分ける状態がしばらくは続くとみられている。

QRコード決済、楽天Payが利用者数1位

そうはいっても、現金も含めた支払い手段全体から動向をみると、現金とクレジットカードが多い。とくに少額決算時は7割が現金と回答。また電子マネーに関しては、まだスマートフォンアプリよりもカードの利用者が多いようだ。

出典:ICT総研「モバイルキャッシュレス決済の市場動向」

利用者の多いサービスは、電子マネー(スマホアプリ)が、1位「Suica」、2位「楽天Edy」、3位「nanaco」。コード決済(QRコード決済)は、1位「楽天ペイ」、2位「PayPay」、3位「LINE Pay」だった。

出典:ICT総研「モバイルキャッシュレス決済の市場動向」

出典:ICT総研「モバイルキャッシュレス決済の市場動向」

満足率はLINE Payが1位

最後に、満足率をみてみよう。「満足」「どちらかと言えば満足」をあわせた数字をみると、電子マネー(スマホアプリ)が91%、コード決済(QRコード決済)は83%。電子マネーがやや上回る結果となった。

理由について同社は、「QRコード決済サービスの満足率がやや低いのは、利用できる店舗がまだ少ないことや、利用時の操作性、サービス開始後の期間がまだ短く信頼性への不安が払拭できていないことなどによると思われる」と伸べている。

サービス別満足率は、電子マネー(スマホアプリ)ではQUIC Pay(82.5ポイント)、Suica(81.4ポイント)が上位。コード決済(QRコード決済)がLINE Pay(80.5ポイント)、楽天ペイ(76.0ポイント)だった。

今後も、KDDIのau PAY、セブン-イレブンのセブンペイなど新たなバーコード/QRコード決済サービスのリリースが予定されている。キャッシュレス、とりわけスマートフォンを利用したモバイルキャッシュレスサービス市場は、2019年も大きく動きそうだ。