バイドゥ「中国人の越境EC利用実態」レポート発表

百度(バイドゥ)は1月29日、北京市、上海市など中国在住の中国人2,000人を対象とした越境ECサイトの利用に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると、越境EC利用のきっかけは「周囲のすすめ」がトップであるものの、海外旅行がきっかけという人も約2割だった。日本商品購入率が高い居住エリアは、北京・上海・天津であることも分かった。全調査結果は「中国人越境EC利用実態」レポートとして販売するという。

バイドゥ「中国人の越境EC利用実態」レポート発表

本調査結果を発表したバイドゥ株式会社は、米国NASDAQへ上場しているBaidu, Inc.(百度)の日本法人だ。百度(バイドゥ)といえば、 BATと称される中国IT大手3社のうちの1社で、中国の検索市場におけるシェアはNo.1だ。今回バイドゥより発表された「中国人の越境EC利用実態」によると、海外旅行をきっかけに越境ECを利用する人の動きに注目すべきだという。

中国人の越境ECは「爆増中」

経済産業省が2018年4月に発表した数値によれば、中国人消費者による日本事業者からの越境EC購入額は前年比125.2%の増加傾向。購入額は、1兆2978億円にのぼる。そのなかでも、「訪日観光をきっかけに越境ECによる日本製品購買の動きが広まっている」という点には注目だ。観光庁が2018年6月に発表したレポートによると、取引規模は約3500億円と推計されている。

海外旅行がきっかけで越境ECサイト利用は約2割

今回バイドゥが発表した調査結果によると、海外旅行がきっかけで越境ECサイトを利用した人は、約2割だった。なかでも越境ECサイトでの購入額が高いほど、海外旅行きっかけで購入する割合は高くなる傾向だ。インバウンドにおける実購買が、帰国後のECサイト利用における顧客単価アップに繋がることが分かる。

引用:プレスリリース

日本製品がよかったと回答している人が約5割であるのに対して、北京・天津/広東省に住む女性では6〜7割。居住地によってばらつきがあることも見逃せない。満足度の高いエリアの施策を強化したほうが、高い費用対効果を得られるはずだ。

他方、越境ECサイト利用のきっかけとして最も多いのは「周囲からのすすめ」で、特に上海ではこの傾向が強い。口コミやSNSでの評価も重視されており、広東省・北京・天津・上海などは平均値を上回っている。ブランドや商品に対する周囲の評価が購買に直結することを意識し、炎上マーケティングにも力を入れるべきかもしれない。

インバウンドと越境EC「ウェブマーケ戦略」再考が必要に

いま日本企業が意識すべきは、こうした変化を受けたウェブマーケティング戦略の再考だ。

かつては、訪日中国人向けのインバウンド施策と、中国国内からの越境EC施策とで、中国人消費者向けウェブマーケティング戦略を完全に切り離し、別々に検討する必要があった。しかし今後は、中国人消費者に商品を認知してもらうための集客・プロモーション施策においては、インバウンドと越境ECとで分けて考える必要はなくなったと同社は指摘する。

インバウンドにおける店舗対応、越境ECにおけるサイト最適化、基本的対応はもちろん継続して必要ではあるが、旅行前・旅行中・旅行後を問わず、いかに中国人消費者に自社製品の魅力を伝え購買につなげていくかがより重要になるという。

日本語のサイトを「自動翻訳」がCV率向上の鍵

最も手早くできる対応は、サイトの言語対応ではないだろうか。同調査によると、すべて日本語のサイトでは、購入するのは2割に止まる。対して「日本語のサイトを自動翻訳した」サイトでは、6割が購入。買い物はしないけど閲覧するという人も3割で、CV率の劇的な改善が期待できる。

引用:プレスリリース

引用:プレスリリース

注意すべきは、「必要な情報だけ翻訳」ではあまり効果が上がらない点だ。「買い物をする」・「閲覧はする」というポジティブなユーザーは多いものの、その内訳を見ると購入する人は3割強に止まっているのだ。また、繁体字だけのサイトも、日本語のサイトを自動翻訳した場合よりも購買率が低い点も要注意。日本人が運営しているサイトであることを証明する意味で、「日本語サイトの自動翻訳」が求められいるのかもしれない。

引用:プレスリリース


引用:プレスリリース

独身の日をはじめとするネットセールでの爆買いも、売上拡大においては無視できない存在だ。インバウンド・越境ECの相互作用を意識したウェブマーケティング戦略が求められいる。

【参考資料】
平成30年版観光白書について(概要版) 観光庁平成30年6月
http://www.mlit.go.jp/common/001237304.pdf
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模が16.5兆円に成長。国内CtoC-EC市場も拡大~(経済産業省、平成30年4月25日(水))
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180425001/20180425001.html
http://www.cneo.com.cn/article-79242-1.html