2019年春闘賃上げ見通し6820円、6年連続2%台 - ベア実施予定は4割きる

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労務行政研究所は、2019年の春闘に向けて実施した「賃上げ等に関するアンケート調査」の結果を公表した。ことしも賃上げの見込みで、全回答者の見通しは平均6,820円、2.15%。また基本給の賃上げを指すベースアップ(ベア)を実施予定と回答した経営者は4割未満で、「実施するべき」と考える労働者の半数程度だった。

2019年春闘賃上げ見通し6820円、6年連続2%台 - ベア実施予定は4割きる

労務行政研究所は、2019年の春闘に向けて実施した「賃上げ等に関するアンケート調査」の結果を公表した。調査は毎年行っているもので、ことしの調査時期は2018年12月3日~2019年1月16日。調査対象は労働側2,089人、経営側4,927人、専門家1,835人だった。

2019年も賃上げの見通し

2019年の賃上げ見通しは全回答者の平均で6,820円、2.15%だった。厚生労働省調査による2018年の賃上げ実績7,033円(2.26%)には届かないが、賃上げ率は6年連続で2%台に乗ると予測している。

労使の賃上げ見通し額は近接

労使別にみると、労働側が6,779円(2.14%)、経営側が6,701円(2.11%)で近接している。同団体は「日本社会全体で賃上げムードが高まる中、労使の見通しに開きが生じていたが、16年以降は縮小に転じている」と述べている。

賃上げ率の分布

賃上げ率を分布図でみると、労働側の39.5%、経営側の43.7%が「2.0~2.1%」と予想しており、もっとも多い。本調査では前提として定期昇給率(定昇率)を「1.8%程度」と提示しているため、定昇にいくらかのベースアップ(ベア)が上積みされるとの見方が多いという。

ベアは労使間で相違

賃上げ見通しの値は近接していたものの、定昇とベアについて尋ねると、ベアに関しては労使間の相違があった。

定昇の実施

定昇は労働側の85.2%が「実施すべき」、経営側の83.3%が「実施する予定」と回答した。経営側の「実施しない予定」は2.4%にとどまった。労使ともに定昇実施の意向を示している。

ベアの実施

経営側はベアを「実施する予定」が38.1%、「実施しない予定」が37.3%だった。一方、労働側は「実施すべき」が75.8%と4分の3以上に。労使の見解に大きな違いが生じている。

過去の数値の変化を同社は次のように述べている。

2010年以降、低迷する経済・経営環境から、労使ともベアの実施には否定的な傾向が続いていたが、労働側は14年に一転、実施派が主流となった。例年、ベア実施には慎重な姿勢を示してきた経営側も、14年16.1%、15年35.7%と「実施する予定」の割合は増加。16年は30.1%で15年からやや減少し、17年は23.7%とさらに低下したが、18年は33.6%と増加に転じ、19年は38.1%と2000年以降では01年(41.3%)に次いで高くなっている。(出典:プレスリリース)

なお、2018年のベア実績を経営側に尋ねたところ、「実施した」が57.9%、「実施しなかった」が35.7%だった。

時間外労働規制は「効果あり」

働き方改革関連法の施行を4月に控え、改めて働き方が見直されている。焦点の一つが長時間労働の是正だ。

本調査では、時間外労働の上限規制について尋ねている。結果は、経営側の56.8%が「現行制度ですでに対応できている」と半数を超えた。他方、労働側は、自社の働き方改革に対する効果見通しを「あり」と捉えている人が約7割だった。回答者の所属組織は異なるため厳密にはいえないものの、労使ともに概ね時間外労働規制を肯定的にとらえているようだ。