バズったサービスは停滞しやすい?リリース初期のユーザー獲得の落とし穴

リリース初期に大きな話題となったサービスでも、しばらくすると全く名前を聞かなくなったと思い当たることはないでしょうか。リリース初期に「バズる」ことで思わぬ機会損失が発生する可能性があります。グロースハックの観点から、リリース初期のバズについて考察します。

バズったサービスは停滞しやすい?リリース初期のユーザー獲得の落とし穴

ここ数年スタートアップや個人でサービスを作るフルスタックエンジニアの総数が増え、2Cのサービスが矢継ぎ早に生まれています。

そんな中で、リリース初期にバズったサービスが、数か月すると全く名前を聞かないようになる、という状況を見たことはないでしょうか。

バズった2Cサービスは停滞する?

2CとはBtoC、つまりは一般消費者向けにサービスを提供するビジネス形態のこと。

あくまで汎用的な分析で、特定のサービスについて言及するわけではないのですが、グロースハックのとあるフレームワークの観点から見てみると、リリース初期にバズったサービスはその後停滞しやすいのではないかという仮説が成り立ちます。

グロースハックのARRRAモデル

グロースハックとはサービスを成長させること、およびそのフレームワークのこと。

グロースハックにはよく使われている「ARRRAモデル」というフレームワークがあり、ARRRAとはサービスを成長させるのに注力することの各単語の頭文字をとったものです。

Activation

Activation(アクティベーション)ではその表現のとおり、ユーザーをアクティブにすることに専念します。

サービスはそもそもユーザーが求めているものか、よさがきちんとユーザーに伝わっているかを検証するフェーズです。

Retention

Retention(リテンション)ではユーザーの継続率を伸ばすことに専念します。

初回利用後も継続的にユーザーが利用してくれているかなどを見直し、その数値が健全な状態になるまでPDCAを回します。

Rifaral

Rifaral(リファラル)は継続率が伸びてきた段階で、既存のユーザーが知人、友人にそのサービスを紹介してくれているかの検証、および紹介したくなるようなアプローチをします。

SNSでの拡散の仕組みや友だち紹介キャンペーンなどもこのフェーズで仕込みます。

Revenue

Revenue(レベニュー)では収益化に専念します。

新たに課金モデルを構築したり、すでにある機能を一部有料化したりして収益を生み出します。

Acquisition

Acquisition(アクイジション)ではユーザー獲得を行います。

ユーザー獲得は本来であれば一番始めに行うように思えますが、初期の段階でユーザーを大量に獲得してしまうとある問題が生じてしまうのです。

このAcquisitionが今回お話するサービスの停滞理由にもつながってきます

グロースハックの「バケツと穴」

グロースハック施策に取り組むときに気をつけるべきことを「バケツと穴」という理論で表現することがあります。

それはサービスをグロースさせる際、初期の段階ではユーザー獲得に注力すべきではないというものです。

穴が空いたバケツに水を注ぐと…?

当たり前の話ですが、穴が空いているバケツに水を注いでもどんどんこぼれていってしまいます。バケツにしっかりと水をためるためには、まずはバケツにある穴を塞ぐ必要があるのです。

リリース初期のバズ=穴だらけのバケツに大量の水を投下する

バケツと穴理論では

  • サービス=バケツ
  • ユーザー=水

に例えます。

先ほどの水がこぼれてしまう例えと同じことがサービスグロースにも言え、ActivationやRetentionが健全でないのにも関わらずユーザーを大量に獲得することは、穴が空いたバケツ(サービス)に大量の水(ユーザー)を注ぐ行為と同義と言えるわけです。

一度こぼれた水は二度と戻らない

「覆水盆に返らず」ということわざがありますが、穴の空いたバケツから一度こぼれてしまった水は元には戻りません。これはユーザーのサービス利用時における体験としても同じこと。

たとえばあなたが接客が悪い飲食店でおいしくないものを出されたとして、再度同じ店に行きたいと思うでしょうか。よほどいい口コミが回ってこない限りは二度と行かないでしょう。どの2Cのサービスでも同様のことが言え、一度離脱してしまったユーザーはなにか劇的なきっかけが無いと二度とそのサービスには戻りません。

それは、本来ならコアユーザーになりえたユーザーを、初期のうちに失ってしまったことを意味するのです。

初期のユーザー大量獲得はかえって逆効果に

サービスリリース初期のバズは、ほとんどの場合意図せずに発生するものだと思います。逆にバズらせようと思ったとしてもバズらないことのほうが多いでしょう。

ですがそのバズによるユーザー数の伸びは健全なものではなく、ましてやボーナスタイムでもありません。穴だらけのバケツにじゃばじゃばと水を注いでいるだけで、底の穴からはジョボジョボと水がこぼれている状態。

最近ではそれも見越してバズに制限をかける(ユーザー数を制限する)サービスも増えてきたように感じます。そういった対策をしておくと不意のバズでも慌てずにすむのかもしれません。