CAMPFIRE家入一真×村田アルマと考える「コミュニティの正解とは」【連載第1回】

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SNSグループやオンラインサロンなど、現代のコミュニティは無数に増え、そのカタチも変化し続けている。しかし、選択肢が増えれば増えるほど、自分にとって必要なコミュニティはどこなのか、どのように付き合うべきなのか、判断は難しくなっている。そこで、CAMPFIRE家入一真氏、村田アルマ氏と一緒に、複雑化するコミュニティについて深く考察する会を開催。全3回の連載第1回は、それぞれの原体験やコミュニティ運営への想いなどを伺った。

2.運営者と参加者が陥る「一対多」の関係

原体験から生まれた強い想いをもってコミュニティ運営を行う家入氏と、アルマ氏。発信者だからこそ抱える、課題もあるという。

コミュニティにおける強者と弱者

家入氏 アルマくんはめちゃ優しいんですよ。僕も優しいとよく言われるんですけど、本当は優しくないんだと思うんです。

先日、乙武さんと話をしていて「弱者の強者」って話が出ました。乙武さんがどれだけ障がい者やマイノリティのための場を作っても、中には「乙武は弱者のふりをしているけど強者だから、俺たちの気持ちはわからない」という人が出てくるそうなんです。

僕もそれは同じで、立ち上げた責任はもちろんありますが、ある意味コミュニティの強者になってしまいます。お金を稼ぎたいわけではないし、ここから先どう作るかについて、僕が話すのを参加者が一方的に聞くだけというのは、よくないですよね。

多対多のカオスこそがコミュニティの価値

家入氏 すぐに一対多の構図になってしまうのは、あまり気持ち良くない。本当は一緒に作っていきたいんです。そこは、自分の中でもいまだに答えがでていないところで、悩みながら模索を続けています。

アルマ氏 悩みどころですよね。一対多のほうが楽なんですよね、多の人たちは。考えなくていいですから。

家入氏 ある意味僕も楽なんだと思う。一対多で、やさしいかくめいラボはこういうものだ、方向性はこうだと言い切ったほうが。でも、ラクなほうに行くと終わってしまう気がするんです。うまくいかないよね、っていうところで終わって、すぐに結論を出したがるのはあまり好きではないですね。

多対多でカオスを生み出したいんです。次世代のヒロイン・ヒーローは、カオスの中からこそ生まれると信じています。

3.コミュニティにおける安心・安全とは

昔からの村社会、家族や親族などのコミュニティの閉鎖性は、安心・安全を守るものと考えられてきた。しかし、コミュニティが無数にある現代、どのコミュニティならば自分にとって安心・安全といえるのだろうか。

閉じられたコミュニティの良さ

アルマ氏 mixiが流行ったあとに、Twitter、FacebookなどオープンなパブリックタイムラインのSNSが出てきた。そしてその数年後、今度はオンラインサロンなどのクローズド、つまり閉じられた空間が増えてきました。

コミュニティのあり方がオープンか、クローズか。これはそのコミュニティの性質を大きく変えると思います。

クローズド・コミュニティの良さというのは、基本的には安心・安全が守られていることだと思うんです。これはオフライン、オンラインに限らずで。やさしいかくめいラボでも、Twitterでは言えないことが、ここでは言える、という子たちがいます。

安心・安全が保たれている閉鎖的な空間は、楽しくなってしまうんですよ。アドレナリンが出る。外の人から見れば、意味のわからないハッシュタグつけて盛り上がっている、と見えるかもしれないですが(笑)。参加している人にとっては生活や人生においてかけがえのないものになっているんですよね。

いろんなコミュニティを選べる時代がきているのは間違いありません。一方で、今オンラインコミュニティを求める人たちは、自分のまわりの世界でのコミュニティを求めるのを、やめてしまった人たちかもしれません。

安心・安全を作るというのはなかなか難しいもので、僕らも模索しているところです。

たしかな「つながり」を求める若者たち

家入氏 最近村を作ろうとする若い子たちが増えているし、シェアハウスも増えています。ここ数年の流れだと思うんですけどね。

歴史的に振り返ってみると、ヒッピーカルチャーにおけるコミューンの盛り上がりや、かつての日本の村社会の良さを説いている。

自分たちの居場所を自分たちで作っていくという子たちが、一定数出てきているんですよ。

オンラインですべての世界の人とつながっていく中で、今揺り戻しがきているのかなと。小さいけどたしかな幸せ、たしかなつながりを確認したいというのが、出てきていると思うんです。

コミュニティはアップデートされ続ける

家入氏 たしかなつながりと言っても、ただ昔と同じしくみに戻ればいいのかというと、それは違います。血縁とか地縁とかいいますけど、それに縛られている世界に戻ってしまう。

僕がイメージしている社会は、らせん状にアップデートしていくと思っているんです。何度も何度もこれまでの歴史と近いところを通るんですけど、少しずつテクノロジーによって上へ上へと向かっているみたいな。

昔のコミューンや村は、中にいる間は安心・安全でも、一回でもやらかしてしまうと村八分になってしまう、一度出てしまうと二度とは戻れないものでした。

今の時代のクローズド・コミュニティは、コミュニティとしては閉じられているのですが、中のつながりはゆるやか。コミュニティとコミュニティ同士もつながっていて、ここが違うなと思ったらいつでも出ればいいし、戻りたいときにはいつでも戻れる。そうあるべきだと思います。

そういう場所が増えていけばいい。自分が属する場所を選べる世界というのは、素晴らしいなと思うんですよね。

連載第2回では、現代のコミュニティの特徴やオンラインサロンについて、家入一真さん、村田アルマさんに考察していただきます。

(撮影:新井勇祐/企画・取材・文:安住久美子)