CAMPFIRE家入一真×村田アルマ「与え続けることからはじまる」【コミュニティ論・最終回】

SNSグループやオンラインサロンなど、現代のコミュニティは無数に増え、そのカタチも変化し続けている。しかし選択肢が増えれば増えるほど、コミュニティとの付き合い方は難しくなっている。CAMPFIRE家入一真さん、村田アルマさんとコミュニティについて理解を深めてきた本連載。最終回は、コミュニティに関わる姿勢や選び方についてお話しを伺った。

CAMPFIRE家入一真×村田アルマ「与え続けることからはじまる」【コミュニティ論・最終回】

家入一真氏:CAMPFIRE代表取締役社長。paperboy&co.(現GMOペパボ)、BASE、partyfactory、XIMERAの創業、「リバ邸」の全国展開、ベンチャーキャピタルNOW設立などを行う。オンラインサロン「寺子屋いえいり」「やさしいかくめいラボ」主催。著書に『なめらかなお金がめぐる社会』(ディスカバー・トゥエンティワン)など。

村田アルマ氏:2016年にCAMPFIREに入社。ファンクラブ開発を経て、2018年5月より事業部長を務める。自身の活動としても、コミュニティの歴史を学ぶ「Community Frogs」というサロンを立ち上げ、深く探求している。

議論をやめないことが重要

さまざまなコミュニティのプラットフォ―ムであるCAMPFIREは、コミュニティオーナーに伴走し、一緒により良いカタチを探し続けている。

コミュニティオーナーも悩んでいる

家入氏 もしかしたら、一番悩んでいるのはコミュニティオーナーさんなんじゃないかな。

アルマ氏 そうですね。オーナーの方は、目指す方向がそれぞれ違います。たとえば、退会率を気にする方もいますし、オンラインのROM(見ているだけの人たち)が多いところに危機感を抱く方もいる。一つひとつ、細かい対応が必要だと思います。

家入氏 クラウドファンディングも、ファンクラブもそうなんですが、CAMPFIREでは掲載ルールを一律には決めていないので、本当にさまざまなコミュニティがあります。

最近社内で議論になったのが「政治」です。維新の党の方が、オンラインサロンを立ち上げました。社内の中でも、政治に絡むのは大丈夫なのかという人もいるし、新しいロールモデルになるからやるべきだという人もいる。

そこで大事なのは、一律0か100かで決めてしまうのではなく、議論することだと思うんです。

アルマ氏 そうですね。一律にすると、可能性をつぶしてしまいますよね。

ファンクラブは、定額で長く支援していただくという特性がありますが、オーナーさんの人生観が途中で変わることもある。

サロンオーナーさんが自分のプライベートの優先順位を変えてまで、サロン運営をするかという点は、今後僕らは問われてくると思います。

仮の話ですが、箕輪さんが政治家になったら、政治のプラットフォームじゃないかと、指摘されるかもしれません。ですから、都度話し合いをしながら一緒に考えていくようにしています。

コミュニティについて学ぶ場「Community Frogs」

アルマ氏 僕が運営している「Community Frogs」では、ベンチャー企業でコミュニティ運営をされている方、箕輪編集室の運営の方など、いろいろなコミュニティの方が集まり、悩みを共有し議論しています。

「コミュニティはプロジェクト型だ」「もともと好きで運営していた方のモチベーションが下がったとき、プラットフォーマーとしてどうあるべきか」などを、話し合う。カヤックの柳澤大輔さんの著書『鎌倉資本主義』など、課題図書を読んで議論することもあります。

インターネットの成長とともに、時代が進むスピードはどんどん速くなっている。「コミュニティって何だっけ?」というのが、やはりわかりにくくなっているんだと思います。正解を模索し続けることが重要ですね。

コミュニティが合わないと感じたら

コミュニティは「人」が作り上げるもの。だからこそ、うまくいくときもあれば、いかないときもある。もし、所属するコミュニティが自分と合わない、無理が生じている場合、どうすれば良いのだろうか。

家入氏「世界は広いと信じたい。逃げてもいい。」

家入氏 僕は、今いる場所に固執しないというのは、大事だと思います。よく「逃げろ」って言葉を使うんですけど。僕は学校から逃げて、そのあと就職を何度かするけどそれもフィットせずに逃げて、自分でpaperboy&co.(現GMOペパボ)という会社を作ったら、それが居場所になりました。

それから少しずつ、自分で居場所を作るという感覚が生まれてきたんです。

そこに固執して、どうにか頑張ろうと思うと、自分もまわりも不幸になってしまいます。世界は広いと信じたい。ここじゃない場所でも、他にも居場所はあるはずだと信じて、逃げてもいい。

アルマ氏 逃げられない人は、責任感が強いんですよね。自分がやらなくちゃいけないと思ってしまう。

家入氏 そうなんだよね。絶対に逃げられないと思い込んでしまう。ここで頑張らなきゃと。もちろん、みんなが逃げてしまったら、世の中まわらなくなってしまうんだけど。

そこで心が折れてしまう人がたくさんいて、僕は見ていてつらいです。合わないのであれば「違う場所があるよ」って呪いを解いてあげたいんだよね。

逃げて限界を知ることが次へのスタート

アルマ氏 僕自身のコミュニティについて考えてみると、福岡に住んでいたとき「ボランティア」が強制力の軸にありました。かなり深いところまで極まっていたので、コミュニティのアドレナリンのようなものが出ていて、楽しかったんです。

アルマ氏「ボランティアが、強制力の突き抜けた場所にありました。」

家入氏 でも、なんで福岡を嫌いになっちゃったの?(笑)

アルマ氏 ちょっとキャパオーバーになってしまって、あるコミュニティに属することから逃げました。でも、そのときに自分の中で「強制力」という部分が、理解できたんです。

逃げることで、自分の限界を知ることができる。ここまでは動いていい、ここまではいかない、という自分なりのスタンスができあがってくると思うんです。

やさしいかくめいラボをやっていて思うのは、強制力はたしかにあります。でも、自分の状況やタイミングに応じて、バランスを変えていくべきでしょうね。

家入氏 アルマ君が福岡から出てきたとき、どういう気持ちで出てきたかわからないし、そこだけ切り取ってみると「あいつは逃げた」という人もいるかもしれない。

でも、そこから踏み出していかないと人は変われないよね。結果的に自分が変わっていって、5年後10年後になってあの時はこうだったね、と笑える関係であればそれでいいんだと思います。