楽天が京東(ジンドン)と提携、ドローン・UGV活用した無人配送ソリューション構築へ

公開日:
2019年2月21日、楽天と京東(ジンドン)集団は日本国内における無人配送サービス提供に向けて連携することを発表。楽天が日本国内で構築する無人配送ソリューションに、京東のドローンとUGV(地上配送ロボット)を導入することで合意した。
楽天が京東(ジンドン)と提携、ドローン・UGV活用した無人配送ソリューション構築へ

楽天の無人配送サービス、京東のドローン・UGVを活用

楽天は、日本国内における無人配送のパイオニアだ。2016年には、ドローン配送ソリューションを提供するサービス「楽天ドローン」を開始。企業や自治体と連携した実証実験や試験的なサービス提供を重ねてきた。2018年6月には埼玉県秩父市にて、スマートフォンから注文した弁当をドローンで配送し話題になった。

このときに行われたのは、東京電力ベンチャーズ、ゼンリンと共同でドローンハイウェイを活用した「レベル3(山間部での目視外自律飛行による荷物配送)」を想定した飛行。送電設備を活用し、ドローンを安全に自律飛行させる可能性が見出されたとして注目を集めた。

楽天と京東(ジンドン)は今回の提携で、楽天が日本国内で構築する無人配送ソリューションに、京東のドローンとUGV*(地上配送ロボット)を導入することで合意したという。

UGV*:Unmanned Ground Vehicleの略

京東のドローン・UGV、中国や東南アジアで実績多数

京東(ジンドン)とはECサイト「京東商城」を運営する、中国の大手EC&小売インフラカンパニーだ。その京東がドローン開発に着手したのは2015年。翌2016年には、江蘇省、陝西省をはじめその他の省にある農村部で商用ドローン配送を開始した。これまでに40万分以上の配達飛行実績を有している。

2019年1月にはインドネシアでも同国初となる政府承認ドローン試験飛行を成功させた。インドネシアの試験飛行で使用されたドローンは、累計飛行距離12万キロ以上、すでに中国国内8省の地域で正常化運営を行っているモデルだったという。人口第4位、政情も安定しているインドネシアでの試験飛行成功を皮切りに、東南アジアでの商用ドローン基盤を構築を急ぐ。

「Retail as a Service(サービスとしての小売)」を提唱する京東は、UGV(地上配送ロボット)の開発にも積極的だ。2017年に発表した宅配用のUGVは、複数の大学構内に導入され、現在一部の都市でも運行を開始しているという。

2018年11月には中国長沙市、フフホト市に中国国内でも初となる「無人配送車スマート配送ステーション」を設立。CES 2019への出展に先駆けて、最短配送ルートの自動計算や顔認証システムを搭載した配送ロボットなど、無人配送強化を図った設備を発表し注目を集めた。配送ロボットと通常の配送がフル稼働した場合、1日に2,000個の荷物を配送できるという。

日本国内における無人配送ソリューション構築へ

楽天は京東(ジンドン)との提携で、同社が持つドローン配送の運用ノウハウや専用ショッピングアプリなどのITソリューションと、京東のドローンとUGVを組み合わせることで、楽天の無人配送サービス提供を目指すという。

楽天はEコマースだけではなく、フィンテック、デジタルコンテンツ、通信など、多岐にわたる分野で70以上のサービスを提供し、世界30か国・地域に展開している。一方の京東は、中国を代表するテクノロジー主導のEコマース大手で、アマゾンとも"互角"に戦う。Fortune Global 500にランクインした優良企業だ。

両社の提携は日本国内の物流スマート化を、今年から来年にかけて一気に加速させるのではないだろうか。

  • ドローン

    引用:プレスリリース

サイズ: 幅 160 cm × 高さ 60 cm
最大積載量: 5kg
最長飛行距離: 16km
最大飛行時間: 40分

  • UGV(地上配送ロボット)

引用:プレスリリース

サイズ: 縦171.5 cm × 幅75 cm × 高さ160cm ※高さは上部センサー含む
最大積載量: 50kg
最大走行時速: 15km/h ※速度制限は可能

両社のコメントは以下。

「ドローンとUGVは従来の配送コストを削減し、運送時間を短縮することも可能にします。ドローンは山地や離島配送、緊急救助などの分野で日本での応用も大いに期待されます。京東は独自のドローンとUGVを活用した無人配送技術を積極的に研究し、世界中の人々に新しいショッピング体験を提供したいと思います」(京東の副総裁・「X事業部」総裁 肖軍(ショウジュン)氏)
引用:プレスリリース


「中国国内で最先端の自社配送網を保有し、ドローンとUGVを用いた配送においても実績やノウハウのある京東と連携できることを大変嬉しく思います。京東のドローンとUGVを弊社が構築する無人配送ソリューションに導入することで今後、日本の物流分野におけるイノベーションを加速させ、多くの方に利便性を感じていただけるような社会の構築に貢献していきたいと考えています」(楽天の常務執行役員 安藤公二氏)
引用:プレスリリース