ホロラボとSB C&S、3D設計データをAR/MRに自動変換 「mixpace」を共同開発

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ホロラボとSB C&S(ソフトバンク コマース&サービス)は2019年2月25日、3D設計データを AR/MR に自動で変換できる製造業・建設業向けの可視化ソリューション 「mixpace」を共同開発したことを発表した。
ホロラボとSB C&S、3D設計データをAR/MRに自動変換 「mixpace」を共同開発

ホロラボとSB C&S、3D設計データをAR/MRに自動変換できる「mixpace」を共同開発

ホロラボとSB C&S(ソフトバンク コマース&サービス)は、3D CAD(Computer Aided Design)やBIM(Building Information Modeling)で作成した設計データを、AR(※1)やMR(※2)に自動変換し、対応デバイスで確認できるクラウドサービス「mixpace(ミクスペース)」を共同開発したことを発表した。主に製造業・建設業向けの、3Dデータ可視化ソリューションだ。

AR(※1):Augmented Realityの略/拡張現実
MR(※2):Mixed Realityの略/複合現実

引用:プレスリリース

以前、ビヨンドの記事でもお伝えしたとおり、建設業で働く人の年間労働時間は2,056時間(2016年度)。製造業においては1,993時間(2016年度)。他産業は1,720時間で、建設業・製造業における年間労働時間が圧倒的に長いことがわかる。

様々な要因が指摘されているが、ものづくりにおける3D情報を、言語情報や画面表示での2D情報でしか伝えられないことによる齟齬の発生が、非効率を招いているケースは多い。

これまでは、たくさんの種類の図面を手に持って現場で話し合う必要があったシーンでも、リアルな空間にバーチャルなオブジェクトを重ね合わせて、複数人同時に立体的かつ実寸大で確認することができるようになる。

設計、製造、建設、配置シミュレーション、施工、保守、さらには販売など、製造・建築の各工程において、3Dでのレビュー、検証、デモなどを行えるようになれば、シームレスかつインタラクティブな意思伝達が可能になるだろう。製造業や建設業の現場における非効率の根本要因にアプローチできる、画期的な方法だ。

「mixpace」の特徴とは

「mixpace」の最大の特徴は、3D CADやBIMで作成したデータをARやMRに自動変換して、誰でも手軽にAR/MR 対応デバイスで確認できる点ではないだろうか。HoloLensなどのAR/MR 対応デバイスとPC・スマホがあれば、すぐにCADなどのデータを3D化することができるという。

これまでは手作業で何日もかかっていたARやMRへの変換作業が、web上にアップすればクラウド上で最短約10分で自動的に完了。もちろん、データ容量によって変換に要する時間は異なるはずだが、作業時間の大幅な短縮が見込める点は見逃せない。

引用:プレスリリース「mixpaceの作業フロー」

サブスクリプションモデルを採用

「mixpace」では、毎年あるいは一定期間ごとに利用料を支払う、サブスクリプションモデルを採用した。SB C&Sが契約している全国約1万社の販売店を通じて、2019年2月25日に提供を開始。ユーザーは「mixpace」導入にあたっての技術的なサポートやアドバイスのほか、SBC&Sが提供するxR関連のソフトウェアおよびハードウェアの調達、周辺サービスまでワンストップで受けることができるという。「mixpace」の機能や価格については、SBC&Sのサイトを参照されたい。

多様なファイル形式への対応やセキュリティも

また、オートデスクのAutodesk Forgeを採用し、数十種類のファイルフォーマットに対応した。オー トデスクの3D CAD・BIMソフトウェアで活用できる各種データ形式はもちろん、中間ファイル形式などの主要なファイル形式にも対応したという(一部対象外あり)。変換されたデータは日本マイクロフトが提供するクラウドプラットホームMicrosoft Azure上のセキュアなストレージに保存することで、高いセキュリティーを保持した。

最新モデル HoloLens 2 にも対応

「mixpace」は、同日発表された最新モデルHoloLens 2 にも対応するという。仮想空間上のボタンを押したり、オブジェクトを指でつまんでサイズを変更したりなど、ハンドトラッキング機能の向上や、視野角および解像度の劇的な改善が注目されている。(ただし海外メディアでは、初代モデル発表から4年かかった成果としては革新的とは言えないといった報道もあるようだ。)

2020年には高速大容量、低遅延の5Gが日本でもスタートする。デバイス性能と通信環境の改善に加えて、「mixpace」における機能アップデートが並行して行われることで、製造業・建設業における働き方は劇的に変わっていくのではないだろうか。