進まぬ「定年後のキャリアやお金対策」、人生100年時代に待ち受ける苦難

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日本ファイナンシャルアカデミーは3月5日、「定年後のキャリア」に関する意識調査の結果を公表した。これによると、定年後に給与が下がっても働きたい人は約7割と多いが、キャリア対策を十分にできていると答えた人はわずか1%だという。
進まぬ「定年後のキャリアやお金対策」、人生100年時代に待ち受ける苦難

人生100年時代、キャリアをどう考える?

長寿化が進み、70際・80歳になっても働き続けるというライフプラン「人生100年時代」が、現実になりつつある。

年金受給開始年齢の引き上げ、定年制度廃止などの議論も起こる中で、将来のキャリアやお金について、明確なビジョンを持っている人はどの程度いるのだろうか。

日本ファイナンシャルアカデミーが発表した「定年後のキャリアに関する意識調査」から、実態を紹介しよう。

同調査は、2019年2月に「定年後設計フォーラム」の参加者382名(男性 73.7%、女性 26.3%)を対象に行われたもので、内訳は30代 2.4%、40代 24.1%、50代 58.7%、60代 13.8%、70代 1.1%となっている。

定年後「給与が下がっても働きたい」約7割

まず、「定年後も働きたいですか?」という質問では、「給与が下がっても働きたい」が68%となっている。

また理由として上位にあがったのは、老後の資金確保と生きがい・社会とのつながり、といった声だという。

同社では、働きたいという意向には「必要に迫られて」「生きるうえでのモチベーション維持」という大きな2つの気持ちが存在するようだと分析している。

出典:プレスリリース

定年後の対策はどこまで進んでいるのか

それでは、具体的に「お金」や「キャリア対策」をしている人はどのくらいいるのか。

・お金対策について「十分できている」と回答したのは全体の3%
・キャリア対策について「十分できている」と回答したのは全体の1%

母数が少ない調査とはいえ、「定年後設計フォーラム」にわざわざ足を運んでくる、定年後に関心の高い人たちの中での回答としては、少ないようにも思える。

また、お金対策ができていない理由として多くあがったのは、「現状の仕事で精一杯」という声だったという。

このままだと「人生100年時代」は重圧に

調査をうけ、同社では次のようにコメントしている。

新社会人は、社会に出るまでに学校教育を通して社会に出るための準備をしますが、それと同じように、定年後という新しい社会に出るにあたっての準備も必要と言えます。これからの人生100年時代、生涯現役社会を生き抜くために、「そのうち」ではなく「今から」定年後のキャリア形成に向けた学びや対策、定年前活動「定活」を始められるかどうかが、定年後の人生の分かれ目となるのかもしれません。(一部抜粋)

そもそも「人生100年時代」という言葉は、社会の変化、長寿命化などにともない、定年後も続く人生を前向きに生きるためのものである。

しかし、そうはなっていないのが現代の閉そく感の一因だろう。働き盛りの今から長期的な視点で、キャリアや資産を形成していかなくてはならない。