住まいも「コト」化する若者たち - ミレニアルと親世代のギャップが鮮明に

ジャパンネット銀行は1月、ミレニアル世代およびその親世代を対象に、「住まいと暮らし」に関する意識調査を実施した。昨今、「アドレスホッピング」「デュアルライフ」など新しい住まい方、暮らし方が注目されているが、ミレニアル世代はより強く関心を持っているようだ。住まいも「モノ」ではなく「コト」と捉える考え方が垣間見える。

住まいも「コト」化する若者たち - ミレニアルと親世代のギャップが鮮明に

ジャパンネット銀行は1月、ミレニアル世代およびその親世代を対象に「『住まいと暮らし』に関する意識、実態調査」を実施した。調査対象はミレニアル世代にあたる18〜25歳の男女300名と、18〜25歳の子どもを持つ40〜59歳の男女300名、計600名。

ミレニアル世代とは2000年以降に成人、または社会人になる世代の呼称で、日本ではおおよそ1980年〜2000年生まれの人を指すことが多い。インターネットを使いこなし、個を重視する傾向にあり、社会や消費に大きな影響を与えるとして世界的に注目されている。

同社は、ミレニアル世代がどのような特性を持っているかを調査するため、親世代にも同様の調査を実施した。

「住まい」に対する意識

ミレニアル世代は「飲食店」や「都市部」を重視

まず「居住環境を決めるうえで重視すること」を尋ねたところ、両世代共通で「買い物に便利な立地であること」(ミレニアル世代79%、親世代80%)、「最寄りの駅やバス停から近いこと」(同65%、同68%)がツートップだった。

一方で、価値観の違いが見られた項目もある。たとえば「飲食店が多いこと」を挙げたミレニアル世代は32%いるのに対し、親世代で同じ回答をしたのは7%にとどまり、25ポイントもの差がある。同様に「都市の中心部であること」「勤務先から近いこと」もミレニアル世代の支持が高い。

他方、「自然災害に対して安全な立地であること」を挙げた人は親世代だと53%と半数を超えたが、ミレニアル世代は43%で、10ポイントの差が生じている。

出典:プレスリリース

ミレニアル世代は住み替え前提

続いて「住まいを決めるうえで重視すること」を尋ねた。両世代とも住宅性能を挙げた人が最多でほぼ同率だったものの、ほかの項目では違いが見られた。

とくに「気軽に住み替えができること」を選んだ人はミレニアル世代で16%いたのに対し、親世代では5%と、11ポイントの開きがある。「住宅の内装が好みである(または自分で選べる)こと」もミレニアル世代56%、親世代47%と、大きな差があった。

出典:プレスリリース

新しい住まい方・暮らし方に対する意識

先日、インドのユニコーン企業OYOが、ヤフーとともに日本の賃貸住宅事業に参入するというニュースが話題を集めた。スマートフォン一つで物件探しから入居、退去まで手続きでき、1か月単位で「住み替え」できるという。また“旅するような暮らし”を実現する月額制のサービスも次々と登場している。

同調査では、こういった「新しい住まい方・暮らし方」に対する意識も尋ねた。

ミレニアルと親世代は真逆の価値観?

「持ち家や賃貸などにとらわれない、新しい暮らし方に興味はありますか?」との設問に対し、「ある」と答えたのはミレニアル世代で57%、親世代で37%。世代間で価値観が逆転していることがわかる。

出典:プレスリリース

新しい考え方が広がる

さらに「自分の同世代に興味を持たれそうだと思う住まい方・暮らし方」を尋ねると、次の表で示すとおり意識の違いが見られた。数字は当該の回答を選択した人の割合。

住まい方・暮らし方 意味 ミレニアル世代 親世代
アドレスホッピング 固定の家に住まうことなく様々な場所に住む暮らし方 31% 10%
サードプレイス 自宅や職場ではない、心地のよい第3の居場所を持つこと(カフェ・居酒屋・公園など) 29% 10%
ソーシャルアパートメント キッチンやリビングなどを共用部分として利用し、各個室をそれぞれのプライベート空間として利用する住まい 29% 9%
デュアルライフ 2つの地域に拠点をもった生活(都市と田舎、国内と海外など) 22% 13%
コーポラティブハウス 住宅を取得したい人が集まって組合を結成する仕組みにより、集合住宅でありながら自由設計が可能なマンション 20% 8%

(調査結果をもとにBeyond編集部で作成)

結果について同社は次のようにコメントしている。

いずれの項目においても、ミレニアル世代が親世代の回答を上回っており、若い世代は「住まい」や「暮らし」をより柔軟に捉えている様子がうかがえます。特に「アドレスホッピング」については、約3人に1人(31%)が「同世代に興味を持たれそう」と答えており、今後ますますミレニアル世代の間で広がりを見せていきそうです。

住まいも「コト」へ

ミレニアル世代に「住まい・暮らしに対する価値観」を尋ねると、次のような意見が出たという。

  • 数年後に自分がどこに住んでいるかはわからない:72%
  • 土地や家の価値よりも、その土地や家で何ができるのかのほうが重要だと思う:71%
  • 自分らしくカスタマイズした家に住みたいという気持ちが強い:65%
  • 「終の住み家」(最期を迎える時まで生活する住まい)は必ずしも必要がない:45%
  • 気が合う人であれば、家族以外の人と一緒に共同生活をすることにも抵抗はない:38%
  • 同じ場所に住み続けることは、安定ではなく窮屈だと感じる:37%

調査結果からは、住まいを「モノ」ではなく「コト」として捉えるミレニアル世代の考え方が垣間見える。さらに、住まいにもオリジナリティやパーソナライズ性を求めたり、同じ場所に住み続けることを必ずしも求めていなかったりと、「何事にも縛られずに自由に生きていたいミレニアル世代が多い」という。

ミレニアル世代に「親と自分自身では、住まいに対する価値観が異なると思いますか?」と尋ねると4割強が「そう思う」と回答しており、自身も価値観の違いを認識しているようだ。

具体的には、「親は地縁(親族が多い土地、自分にゆかりのある土地に住むこと)を気にするが、自分は好きな場所で暮らしたいと思う」や「親は拠点を持つことを重視しているが、自分は拠点を決めずに身軽でいたいと思う」といった回答が目立ったととのこと。