VCがスタートアップ580社の資金調達実態をレポート、評価額30億円以上での調達件数が倍増

公開日:

ベンチャーキャピタル(VC)のCoral Capitalが、2018年における国内スタートアップ580社の資金調達実態レポート「Japan Startup Deal Terms by Coral Capital」をまとめた。未上場のまま数十億円以上の評価額で調達を続ける企業が2倍以上に増えたほか、調達金額別の手段を見ると、シード案件の10%がコンバーティブルだった。

VCがスタートアップ580社の資金調達実態をレポート、評価額30億円以上での調達件数が倍増

国内スタートアップの資金調達実態を調査

ベンチャーキャピタルCoral Capitalは、2018年の1年間に資金調達を行ったと推測される国内スタートアップ約580社を対象に詳細を調査。30億円以上のバリュエーション(企業価値評価)で調達を行った件数が55件と、前年同期比で約2.6倍に増加した。

同社によると、2018年にスタートアップが実施した資金調達件数は、2018年全体で約580社、828件だった。調達金額ごとの内訳は、1億円以下が509件、1〜5億円が229件、5〜10億円が52件、10〜30億円が30件、30億円以上が8件。

2018年国内スタートアップの調達金額別資金調達件数 調達金額別資金調達件数(出典:プレスリリース)

評価額でみると、2018年第4四半期にバリュエーション30億円以上で調達した件数は、前年同期の22件から58件へと大幅に増加した。同社は、「ミドル〜レイターステージの投資家が増え、スタートアップが未上場のまま数十億円を超えるバリュエーションで調達を続けることが可能となった影響が大きい」と推測する。

ステージごとの調達額中央値はシリーズAが1.0億円、シリーズBが3.7億円、シリーズCが7.4億円、シリーズDが3.5億円だった。シリーズAの高額側の分布が広がっているという。

シード案件の10%がコンバーティブルで調達

スタートアップのエクイティによる資金調達手段は、おおよそ、普通株式、優先株式、コンバーティブル(シードステージの企業に最適な資金調達手法)の3つ。一般的に大型の調達ほど投資家に有利な優先株式を使うケースが多い。

レポートでは調達金額別の資金調達手段も分析している。2018年の実績を見たところ、調達額1億円以下だと509件中52件(構成比10.2%)がコンバーティブル、優先株式が208件(同40.9%)、普通株式が249件(同48.9%)だった。それに対し、1~5億円では優先株式が229件中161件(同70.3%)、5~10億円では52件中41件(同88.5%)、10~30億円では30件中27件(同90.0%)だった。大型調達ほど優先株式が用いられる傾向にある。

2018年国内スタートアップの調達金額別資金調達手段 調達金額別資金調達手段(出典:プレスリリース)

調査は、報道やプレスリリースなどの公開情報をベースにリストを作成したため、非公開案件が含まれていない可能性がある。また投資条件については商業登記簿謄本の記載を元にした同社の推測による。

同社は、「起業家や投資家が実務で必要とするような観点からまとめられた情報は今も数少ない」としたうえで、同レポートを定期発行する。統計データを通じて起業家および投資家の支援を続けるとのこと。