2018年特許出願アジア急増、欧米抜く - ファーウェイ2年連続首位

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世界知的所有権機関(WIPO)によると、2018年の特許出願数でアジア勢が初めて過半数を占め、欧米を引き離した。国別に見ても中国、インド、韓国といったアジア勢の躍進が目立ち、2年以内には中国が米国を抜いて1位に躍り出る可能性がある。企業別ではファーウェイが2年連続で首位、三菱電機が2位だった。

2018年特許出願アジア急増、欧米抜く - ファーウェイ2年連続首位

2018年の特許出願、2位中国が1位米国に肉薄

世界知的所有権機関(WIPO)が、2018年に世界各国の企業や研究機関、大学などの教育機関から出願された特許の集計結果を公表した。あくまでも出願件数をまとめたデータであり、登録されて権利化された特許の数でないものの、研究開発に力を入れている企業や国、注目されている技術分野などを俯瞰(ふかん)するのに役立つ。たとえば、2013年以降に人工知能(AI)関連特許の出願が急増した、といったことが分かる。

2018年の出願件数は過去最高の25万3,000件で、前年の24万3,500件から3.9%増えた。国別の出願件数トップは米国だが、組織別だと中国の通信機器メーカーであるHuawei(ファーウェイ)が2年連続1位を獲得している。中国が米国を抜いて国別トップに立つのも時間の問題だろう。

インド、中国などアジア勢の躍進目立つ

レポートの詳細を、出願組織の国ごとに見たランキング、企業ごとに見たランキング、そして大学など教育機関のランキングを紹介する。

初めてアジア勢が過半数に

まず、出願組織の国別で比較してみよう。

1位は2018年も米国だが、その出願件数5万6,142件は2位中国の5万3,345件に肉薄されている。しかも、米国が前年比0.9%減と低迷したのに対し中国は同9.1%増で、このペースで増加し続ければ2年以内に1位を取る勢いだ。

日本は4万9,702件で3位。2017年に初めて中国に抜かれ、2位から3位に転落していた。

2018年の上位10か国と件数は次のとおり。かっこ内は前年比の増減率。

1位:米国、5万6,142件(-0.9%)
2位:中国、5万3,345件(+9.1%)
3位:日本、4万9,702件(+3.1%)
4位:ドイツ、1万9,883件(+4.9%)
5位:韓国、1万7,014件(+8.0%)
6位:フランス、7,914件(-1.2%)
7位:英国、5,641件(+1.3%)
8位:スイス、4,568件(+1.8%)
9位:スウェーデン、4,162件(+4.7%)
10位:オランダ、4,138件(-6.6%)

出典:WIPO / Facts and Figures

地域別でみると、アジアが50.5%を占め、欧州の24.5%、北米の23.1%を大きく引き離している。アジア勢が過半数となったのは、これが初めてだという。

上位15か国のなかで増加率がもっとも高かった国はインドで、前年比27.2%増と大幅に躍進している。企業規模を見ても、インドはユニコーン企業数で世界第4位に入る。日本へ進出する企業も目につき、今後の動向が気になる国の一つだ。

なお、2けた成長できたのは、インドとフィンランド(同14.7%増)の2か国だけだった。また、中国の同9.1%、韓国の同8.0%増といった具合に、アジア勢の増加が目を引く。

ファーウェイが2年連続1位

企業別では、ファーウェイが過去最高の5,405件で、前年に引き続き1位を守った。2位は三菱電機の2,812件。以下、3位のインテル(2,499件)、4位のクアルコム(2,404件)、5位のZTE(2,080件)が続く。ZTEは2016年に1位を獲得し、2017年には2,965件で2位だったが、出願件数を29.8%も減らして5位に落ちてしまった。

トップ10で日本企業は三菱電機のみ。2017年のラインキングでは、9位にソニーが入っていた。

上位10社は次のとおり。10社中6社がアジア勢となった。

1位:ファーウェイ(中国)、5,405件
2位:三菱電機(日本)、2,812件
3位:インテル(米国)、2,499件
4位:クアルコム(米国)、2,404件
5位:ZTE(中国)、2,080件
6位:サムスン電子(韓国)、1,997件
7位:BOEテクノロジー・グループ(中国)、1,813件
8位:LGエレクトロニクス(韓国)、1,697件
9位:LMエリクソン(スウェーデン)、1,645件
10位:ロバート・ボッシュ(ドイツ)、1,524件

教育機関は米国と中国が圧倒的

教育機関の上位10組織は次のとおりで、5校が米国、4校が中国といった状況。日本の大学は、11位の大阪大学(105件)が最上位だった。

1位:カリフォルニア大学(米国)、501件
2位:マサチューセッツ工科大学(MIT)(米国)、216件
3位:深セン大学(中国)、201件
4位:華南理工大学(中国)、170件
5位:ハーバード大学(米国)、169件
6位:テキサス大学(米国)、158件
7位:清華大学(中国)、137件
7位:ソウル大学(韓国)、137件
9位:スタンフォード大学(米国)、121件
10位:中国鉱業大学(中国)、114件

中国の米国特許登録はまだこれから

WIPOの特許出願レポートは、中国の活躍が目立った。しかし、米国の調査会社IFIクレームス・パテント・サービシズが公開している2018年の米国特許商標庁(USPTO)登録特許件数をみると、状況は大きく異なる。

トップ10は次のとおりだ。

1位:IBM(米国)、9,100件
2位:サムスン電子(韓国)、5,850件
3位:キヤノン(日本)、3,056件
4位:インテル(米国)、2,735件
5位:LGエレクトロニクス(韓国)、2,474件
6位:TSMC(台湾)、2465件
7位:マイクロソフト・テクノロジー・ライセンシング(米国)、2,353件
8位:クアルコム(米国)、2,300件
9位:アップル(米国)、2,160件
10位:フォード・グローバル・テクノロジーズ(米国)、2,123件

ファーウェイは中国企業で最上位だが、1,680件で16位にとどまっている。WIPOの出願とUSPTOの登録では条件が違うため単純な比較はできないものの、特許の権利化という点で中国が結果を出すのはこれからのようだ。ちなみに、WIPOの出願件数で2位だった三菱電機は25位だった。そのほかには、上位20社として13位にトヨタ自動車、15位にソニーが入っている。

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