未来イノベーションWG資料から読み解く2040年の医療|IoT、AI、ロボット導入に向けて

厚労省は未来の医療福祉分野の在り方を検討する「未来イノベーションワーキング・グループ」を2019年1月から開催し、3月に中間取りまとめを発表した。

未来イノベーションWG資料から読み解く2040年の医療|IoT、AI、ロボット導入に向けて

未来イノベーションワーキング・グループ

未来イノベーションワーキング・グループとは、厚労省が2019年1月から開催している、2040年頃の未来における医療福祉分野の在り方を検討するための会議だ。

IoT、AI、ロボット技術導入など、医療福祉分野での変革は進んでおり、政府も制度改革・支援策の策定を進めている。

待ったなしの少子高齢化や労働力不足にどう対応していくべきなのか。同資料の中から、現状と2040年の予測、これからの健康・医療・福祉分野において持つべき価値観などについてを紹介する。

2038年現役世代と高齢者の差「142万人」

高齢化が進んではいるものの、高齢者人口の増加は続くわけではない。2038年を機に増加から減少に転じると予測されている。

しかし、15歳~64歳までの現役世代の人口減少が加速しており、2038年には現役世代と高齢者の人口差は142万人にのぼると見込まれている。現役世代1.5人あたり1人の高齢者を支えるという計算だ。

高齢者福祉や介護の充実はもちろんだが、高齢者、現役世代ともにできるだけ健康を維持し、働き続けることが求められる。

出典:未来イノベーションワーキング・グループ中間発表より

2040年単身世帯は「39.3%」で最大の類型になる

また2038年以降、日本でもっとも多い世帯構成は「単身世帯」になるという。ライフスタイルの変化は、人々の行動にさまざまな変化をもたらす。医療の面で言えば、自分自身で自身の体調を把握し、コントロールする必要性が高まってくると考えられる。

出典:未来イノベーションワーキング・グループ中間発表より

2040年、東京23区だけは高齢者が「3倍」増える

地方と東京の人口格差も、さらに広がる。東京23区では、2015年と比較し2040年、労働人口は維持される見込みだ。一方、高齢者人口は3割増の予測で、入院・介護ニーズの増加率が全国でもっとも高くなるという。医療介護人材が地方から流出する懸念も指摘されている。

また、地方では東京からのサービス移入に伴う資金流出が常態化する可能性があるという。

出典:未来イノベーションワーキング・グループ中間発表より

日本に起こりうる3つのリスク

人材不足解消の一施策として、政府は外国人労働者の受け入れを進めている。2015年に1,775千人であった在留外国人は、2040年には3,324千人と試算されているが、諸外国でも高齢化が進んでおり、各国間の人材収奪競争の可能性も指摘されている。

同ワーキンググループでは、現状のまま2040年を迎えた場合に起こりうる3つのリスクをまとめている。

  • 労働力を医療・介護に優先的に投入しても人材不足が解消しない可能性。
  • 都市部では医療・介護需要が爆発する一方、地方では病院や介護事業所の撤退が生じる可能性。
  • 医療・介護の公的費用がGDP比で約3割増加し、財政・経済に影響。