共働き夫婦がともにキャリアを諦めないための「6つの役割(ライフロール)」とは

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共働き夫婦が増えていますが、どちらかが本意ではないキャリアダウンをするケースは少なくありません。本記事では、子育て中の共働き夫婦がともにキャリアを諦めることなく、家事育児と仕事を両立しながら人生100年時代をゆたかに暮らすために意識すべき、人生における「6つの役割」(ライフロール)について提案します。

人生100年時代に意識すべき「6つの役割」とは

いま、人生100年時代といわれる長寿化が進んでいます。前述したスーパーの理論では、5つの発達段階のうち最終段階は「65歳頃以降」ですが、100歳までは35年も。職業世界から引退してセカンドライフ(新しい役割の開発)に取り組む期間としては、やや長すぎます。少子高齢化が進む日本では、定年引き上げが議論されており、働く期間は長期化する見込みです。

人生100年時代のキャリアにおいて、ほかにも無視できない問題があります。テクノロジーの発展です。AI・ロボットによる仕事の代替、ビジネスモデルや業界の刷新など、生き方・働き方のパラダイムシフトが求められています。

ベストセラーとなった「LIFE SHIFT(リンダ グラットン、アンドリュー スコット共著)」では、学ぶ・働く・引退の3ステージの人生から脱却し、探求や起業などの新しいステージを組み合わせるマルチステージへの移行を提案しています。その基盤となるのが、無形資産。仕事のためのスキルや知識、幅広い人間関係、心身の健康や家族・友人との交流、深い自己理解が、人生100年時代を豊かに生きるための重要な資産になるとしているのです。

仕事とプライベートを切り分けるワークライフバランスではなく、「ワーク・イズ・ライフ」「ワーク・アズ・ライフ」という考え方も広まりつつあります。眠る以外の可処分時間を、仕事であり趣味でもある物事に費やす時間と位置づけ、人生として取り組もうといった発想です。

現代の共働き夫婦のキャリアは、こうした人生100年時代を前提として考えるべきではないでしょうか。目下の課題である家事育児と仕事の両立に取り組みながら、長い職業人生を夫婦がともにキャリアを諦めることなく歩んでいくためには、意識すべき「6つの役割」が浮かび上がります。

【人生100年時代に意識すべき「6つの役割」(子育て中の共働き夫婦の場合)】
(1) 家庭人(親として、育児や教育)
(2) 家庭人(親以外の役割:子ども・配偶者として)
(3) 労働者(働き手として・職業的自己実現を図る)
(4) 学生 (仕事に役立つ知識・スキルを習得する)
(5) 市民 (無償ボランティアなど社会に貢献する)
(6) 再創造(無形資産構築、人生100年時代に備える)

先日、育児休暇から復職する女性に向けて、人生100年時代に意識すべき「6つの役割」に関するワークショップを実施しました。それぞれの役割にどれくらいの時間を費やすのが理想的か、"復職後のありたい姿"を描くというものですが、「再創造」の時間をしっかり確保したいという方が多数だったことは意外でした。

育児休暇という仕事から一定期間離れるタイミングだからこそ、従来の生き方・働き方を見つめなおし、人生100年時代を豊かに生きたいと"再出発"に挑む姿は、令和時代のワーキングマザーの指針であるようにも感じました。

共働き夫婦がともにキャリアを諦めないために

共働き夫婦がともにキャリアを諦めることなく、互いのキャリアを尊重し支え合いながら、それぞれが職業的自己実現を果たす姿を子どもたちに見せることは、子どものキャリア教育にもポジティブな影響をもたらすはずです。

そのための1つの足がかりとして、今回紹介した「6つの役割」というフレームを用いて、いつ、どんなことを実現するために、どの役割に重点を置きたいかを考えてみてはいかがでしょうか。

キャリアにおける重要な局面を迎える時期をずらしたり、収入面でサポートするなど、夫婦で互恵的で補完的な関係を築くことで、人生100年時代のキャリアをより豊かにかつ戦略的に描き、実現していく一助となれば幸いです。