iPad mini5徹底レビュー!「片手で持てる最高のタブレット」かもしれない

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記事の情報は2019-04-12時点のものです。

3月、iPad miniの第5世代(分かりやすくするためiPad mini5と記載)が発売された。 常に「もうすぐ出る!」「もう出ない」と双方の噂が絶えなかったモデルだけに、3年半ぶりとなるiPad miniの復活に歓喜した人も多いことだろう。 iPad mini5を1週間使ってみたので、iPad mini4やiPad Proと比較しながら開封レビューをお届けする。
iPad mini5徹底レビュー!「片手で持てる最高のタブレット」かもしれない

1. 開封レビュー

(1)開封の儀

さっそく届いたiPad mini5の開封を行ってみよう。箱の大きさや、見た感じはほぼiPad mini4と変わらない。だが1点だけ違いがあった。

これまでiPad開封時には、包装してあるビニールの端を箱を傷つけないようにカッターで切っていたのだが、mini5は指でつまんでビニール包装を剥がせるようになっている。開封時のワクワク感を削がれない工夫は素敵だ。

箱を開けてみると、iPad mini4の時と同じだ。

しかし、この「開けてすぐに筐体とご対面できる」のがよい。iPhoneだと、先にもう一つ蓋のようなものがあって「あれ?」となるが、iPadではそれがないのもまたいい。

付属品を見てみると、こちらもiPad mini4の時と同じ。

ここまで見た感じだと、モノ自体には何も変化がないように思える。

(2)外観レビュー

筐体のビニールを剥いでみた。

こちらも見た感じはiPad mini4と同じだ。

ベゼルの幅、インカメラの位置、物理ボタンの配置、筐体の大きさなどなど……。約4年前の開封を思い出す懐かしさはあるものの、目新しさは「全く」と言っていいほど感じられない。

2. iPad mini5のスペック

今回のサイレントアップデートのメインは、内部スペックの向上にある。では、実際にどう変わっているのだろう。

iPad mini5のスペックを、iPad mini4と比較しつつ見てみよう。

iPad mini5 iPad mini4
カラー シルバー/スペースグレイ/ゴールド シルバー/スペースグレイ/ゴールド
ディスプレイ 7.9インチ Retinaディスプレイ/広色域ディスプレイ(P3)/True Toneディスプレイ/耐指紋性撥油コーティング/フルラミネーションディスプレイ/反射防止コーティング 7.9インチ Retinaディスプレイ/耐指紋性撥油コーティング/フルラミネーションディスプレイ/反射防止コーティング
液晶画面 2,048 x 1,536 2,048 x 1,536
解像度 326ppi 326ppi
高さ 203.2 mm 203.2 mm
134.8 mm 134.8 mm
厚み 6.1 mm 6.1 mm
重さ 【Wi-Fi】300.5g 【Wi-Fi+Cellular】308.2g 【Wi-Fi】298.8g 【Wi-Fi+Cellular】304g
チップセット A12/M12 ニューラルエンジン A8/M8
ストレージ 64GB/256GB 16GB/32GB/64GB/128GB
通信方式 【全モデル】Wi-Fi(802.11a/b/g/n/ac)/同時デュアルバンド(2.4GHz/5GHz)/MIMO/Bluetooth 5.0【Wi-Fi+Cellularモデル】GSM/EDGE/UMTS/HSPA/HSPA+/DC-HSDPA ギガビット級LTE/GPS/GLONASS 【全モデル】Wi‑Fi(802.11a/b/g/n/ac)/デュアルバンド(2.4GHz/5GHz)/MIMO/Bluetooth 4.2【Wi-Fi+Cellular】GSM/EDGE/CDMA EV-DO Rev. AおよびRev. B/UMTS/HSPA/HSPA+/DC‑HSDPA/4G LTE/GPS、GLONASS
SIMカード nano-SIM(Apple SIMに対応)、eSIM nano-SIM(Apple SIMに対応)
Apple Pay 対応 対応
Touch ID(指紋認証) 対応 対応
Face ID(顔認証) 非対応 非対応
Apple Pencil 対応(第1世代) 非対応
インカメラ 7メガピクセル 1.2メガピクセル
Live Photos 対応 非対応

※スペック情報はApple 公式サイトより引用、抜粋

mini5が発売されるという噂が出た当初、スペックに関してはネガティブな声が多かったが、実際には予想を覆す高スペック機として登場した。

(1)mini4とのスペック比較

mini5をmini4と比べてみると、外観はほとんど変化が見られない。普段mini4を使っている人に何も言わずにmini5を渡したら、おそらく気付かないのではないだろうか。実際に私はディスプレイ側から見たときには気付かなかった。

しかし、内部スペックは相当に上がっている

まずディスプレイは「広色域ディスプレイ(P3)」を搭載してきた。発売前の情報では、フルラミネーションディスプレイすら搭載しないかもしれないという噂もあったが覆った。

正直、mini4のディスプレイでも不満は無かったくらいだが、Adobe Lightroomでの写真編集を行おうと思っていた私にはとても嬉しいスペックアップだった。

また、私自身はあまり使わないが、True Toneディスプレイも搭載。OnとOffの切り替えも簡単にできるので付いているに超したことはない。iPadは読書用端末として使われることも多いので、長時間iPadを使いたいという人の目には優しい機能だ。

(2)mini4の「もっさり感」を解消する新スペック

次に気になるのは、チップセットの進化だ。

mini4から3年6か月もの期間が空いてしまったため、A8からA12へと4世代分の進化を果たした。こちらも、発売前にはA10あたりを積んでくるのではないかという噂があったのだが、Appleは最新のA12を積んできた。

mini5の登場を待ち望んでいた人の多くの望みはmini4の「もっさり」感の解消だと思う。mini4発売当初こそ、私も簡単な動画の編集などに使ってはいたが、だんだんアプリの挙動にもっさり感を感じるようになり、iPad Proを使いだしてからはmini4を使う場面が大幅に減ってしまっていた。

mini5に実装されたA12は、A12Xほどではないものの、最新のiPhoneXSにも搭載されているチップセットということもあり、性能には充分に期待できそうだ。

もう1つの大きな変化がApple Pencilへの対応だ。

これも期待していた人が多かったのではないだろうか。iPad miniは、手帳として使えるサイス感である。紙の手帳のように書き込んで使いたい人や、簡単なイラストを描きたい人にとっては、Apple Pencilが使えるのは大きな変化である。

ただ、1つ残念なのは、Apple Pencil第1世代のみの対応であり、最新の第2世代に対応しなかったことである。第1世代のApple Pencilは、形状の問題で転がりやすい。ほか充電時の不格好さなど改善の余地がみられ、第2世代と比べてスマートさに欠けている。持ち歩きについても、mini本体にくっつけることができないので、mini5ユーザーにとっては課題となる。

その他にも、インカメラの画質向上、Bluetooth5.0対応、eSIM対応、Retina Flash搭載、若干重くなった、といった変化はある。Touch IDに関しても、記載は無いが第2世代へスペックアップしたと予想される。

3. 使用感レビュー

では、実際にiPad mini5を使って見た所感をお届けしたい。

私は、初代からずっとiPad miniシリーズを使ってきた。しかしiPad Pro 10.5インチを使って以来、iPad mini4のモッサリとした動作に我慢ができず、miniシリーズを一度手放している。

しかしAppleは現段階で最新のCPU、A12Bionicを搭載してきた。またminiを使ってみたいと思わせてくれるんじゃないかという期待を胸に、約1週間使ってみた。

(1)Touch IDの認証速度

iPad mini4を使用し続けているユーザーが一番期待しているのは、動作速度の改善だと思う。特に必ず使用するTouch IDの認証速度が改善されているのかが気になる。

mini4発売時、第2世代のTouch IDセンサーが当時のiPhoneに搭載されていたにもかかわらず、mini4には第1世代のセンサーが使用されていた。miniシリーズは安価なiPadではあるが、その分スペックも落とされていたのだ。

mini5はどうだろか。

動画のとおり認証速度は充分だと感じた。認証技術がFace IDへ移行したこともあってか、Touch IDは第2世代以降、世代が上がったかどうかのアナウンスはない。だがおそらく第2世代を搭載しているものと思われる。

私は普段、第2世代Touch IDを搭載したiPhone8を使用しているので、比較してみた。

やはり、比べてみても認証速度は同程度かと思われる。これだけ認証速度が速ければ、Touch IDは第3世代の開発も必要ないのかもしれない。

ちなみに指紋を3個ほど登録して、各10回程度認証させてみたが、認証失敗は一度もなかった。

(2)アプリの使用感

次に、Apple純正アプリの使用感を試してみた。

A12 Bionicは、半年前に搭載端末(iPhoneXSなど)が出ているので、動作エラーなどの改善も図られていると思われる。iPadでの挙動はどうだろうか。

なお、アプリは一度立ち上げた後だと、タスクキルを行っても起動が速くなることもあるため、タスクキル後に再起動を行ってから検証してみた。

写真アプリ

iPhoneよりも大きなディスプレイで写真を見る人は多いはずだ。純正の写真アプリで簡単な編集までを行ってみた。写真はiPad mini5にて撮影したものを使用した。

アプリ起動時にも、編集時にもヌルヌルと動いてくれ、引っかかりは全く感じられなかった。これならば写真編集をiPad Proからmini5に置き換えるのも検討しても良いかもしれないと感じた。

データ量の多いミラーレス一眼で撮影した写真の編集でも、mini5で撮影した写真と同等の動作が確認できた。

Apple Pencil

今回のアップデートの目玉の一つである、Apple Pencilの挙動は気になるところである。

ディスプレイのリフレッシュレートは、120HzのiPad Proに対して、mini5では60Hzである。以前、iPad Proが出た際に120Hzの書き心地が良すぎることが話題になったので、60Hzだとどうなのか。そしてA12のチップセットの恩恵はあるのか。

書き心地を左右する、入力の遅延を確認してみた。

見ての通り、ペンの入力に対して、若干の遅延があるように感じる。だが実際に使ってみて、特に使い心地の悪さを感じることは無かった。iPad Proユーザーとしては確かに体感レベルで差はあるが、イラストレーターなどの仕事でバリバリ使う方でなければ、充分満足した使用感を得られるだろう。

4. 残念に感じたポイント

久しぶりのiPad mini刷新ということもあり期待が高すぎた感もあるが、「こうだったら良かった」と個人的に感じた点を挙げてみた。

(1)筐体が刷新されなかった

まずは、本体デザインが刷新されなかった点だ。ベゼルレスも薄型化も採用されなかった。

約半年前にベゼルレスのiPad Proが発売されたのは、ご存じかと思う。最新型iPad Proの筐体は、本体サイズはほぼそのままにディスプレイサイズが大きくなって見やすくなった。また薄型化も図られ、iPad mini5よりも0.2mm薄い5.9mmとなっている。初代iPadが出て以降、初めてのデザイン刷新だったと思う。

その発表以降初めてリリースされるiPadということで、mini5にもProと同じくようなデザインが採用されるかもしれないという期待がわずかにあったのだが、実際には今までとほぼ同じ筐体となってしまった

このデザインが嫌いという訳ではないのだが、ディスプレイサイズが大きく見やすくなったiPad miniを見たかったという思いは拭いきれない。次回のアップデートがあるのであれば、ぜひ筐体のアップデートもお願いしたい。

(2)USB-C端子の見送り

iPad Proには搭載されたUSB-C端子だが、mini5では採用されずLightning端子となった。

Lightning端子でも、サードパーティーの企業努力によって、写真以外のデータも転送できるなどさまざまなアプリ、ガジェットが開発されているので、その恩恵を享受できるという面では悪くない。しかし、今後多くのデバイスに採用されるであろうUSB-Cを搭載して欲しかったという思いはある。

充電速度、写真の転送速度、持ち歩くケーブルの種類の統一を考えると、そろそろLightning端子を廃止しても良いのではないかと思うのだ。

USB-Cのみを搭載したMacBookが2015年に発表されて、すでに4年近くが経とうとしている。Appleは全てのデバイスの端子を統一する気があるのか分からなくなってきた。SDやUSB-A端子を廃止して、各方面からブーイングが出た時期も懐かしい。そんな声を聞かなくなってきた今でも、端子が統一できていないのは残念に感じてしまう。

片手で持てるタブレットとしておすすめ

レビューのため、約一週間iPad mini5をiPad Proの代わりに使ってみたたが、私の使い方では「片手で持てるiPad」として最高の端末だと感じた。仕事や趣味のため、片手で持てるタブレットを探している人におすすめだ。

近年は中国のメーカーからも安価で性能のいいタブレットは出ているが、iPhoneやMacを利用している人なら、iPad一択だと思う。一度は手放したminiサイズ。これからガンガン使って行きたい。

「おかえり。iPad mini!」

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