エアロネクスト、ドローンの"本場"深圳に現地法人設立で海外進出

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次世代ドローンのエアロネクストは5月22日、中国におけるビジネス展開の拠点として現地法人「天次科技(深圳)有限公司(英文名 Aeronext Shenzhen Ltd.)」を設立したことを発表した。総経理には深圳を中心に日本と中華圏のドローン産業関係者をつなぐ事業に長年従事してきた川ノ上和文氏が就任、海外進出への基盤を固める。

エアロネクスト、ドローンの"本場"深圳に現地法人設立で海外進出

エアロネクストが深圳に現地法人を設立

エアロネクストは、UAV(無人航空機)やマルチコプターの機体の構造を根本的に見直し、独自の重心制御技術4D Gravityを開発する、ドローンスタートアップだ。昨年11月には、深圳国際ピッチ大会「Nanshan “Entrepreneurship Star” Contest 2018」に日本企業として初めて出場。スタートアップ部門で第3位に入賞し、あわせて知的財産賞をダブル受賞し注目を集めた。

深圳といえば、ドローン世界最大手DJIが本社を構える、ドローンの"本場"だ。中国の経済特区のひとつで、BAT(※)などIT大手企業を中心に、起業家、投資家、大企業の開発部が集積する。無数の中小製造メーカーが存在するハードドウェア・イノベーション都市で、ドローン企業だけでも数百社にのぼるそうだ。

(※)バイドゥ、アリババ、テンセントの頭文字を取った言葉。ファーウェイを加えてBATHと呼ばれることも。

そんな深圳で評価されているのが、エアロネクストなのだ。深圳で日本のドローンスタートアップが高く評価された意義は、昨年の受賞のニュースをBeyondで報じた際にも触れた通りだ。

あれからわずか半年。同社はその深圳に、中国におけるビジネス展開の拠点として現地法人「天次科技(深圳)有限公司(英文名 Aeronext Shenzhen Ltd.)」を設立し、海外進出を果たした。独自開発した重心制御技術4D Gravityを、UAV(無人航空機)の標準技術にすべく、特許ポートフォリオの構築し、4D Gravityテクノロジーライセンスビジネスのグローバル展開を推進するという。

総経理には川ノ上和文氏が就任

深圳国際ピッチ大会を機に、深圳市南山区人民政府、深圳市ドローン産業協会、深圳清華大学研究院から支援を受け、中国におけるビジネス展開の可能性を探って来たという同社。現地法人総経理に就任した川ノ上和文氏の存在は大きい。

引用:プレスリリース

同氏は、2005年北京語言大学へ留学、中国国内における就労、中国企業の東京進出プロジェクト参画などを経て、2016年からは深圳、台湾でのドローン産業リサーチ業を開始。日本と中華圏のドローン産業関係者をつなぐイベント企画や産業ツアーの企画運営を実施し、日中ドローン業界に幅広いネットワークを築いている。

他方、2019年2月に中国政府から正式発表された「大湾区発展計画」のなかでも、深圳は国際的なイノベーション都市を目指すとされ、改めて注目されている。川ノ上氏は深圳に拠点を置きつつも、この大湾区(ベイエリア圏)へ活動範囲を広げ、産官学の現地ネットワーク開拓、国際連携のニーズ把握などを独自に進めているという。

「ドローン前提社会」と「新しい空域の経済化」の実現をビジョンに掲げる、エアロネクスト。現地法人設立と中華圏およびドローン産業に精通した川ノ上氏の参画による、今後のグローバル展開には要注目だ。