オリンピックイヤー、2020年(令和2年)がやってきました。年末には新国立競技場が完成、披露され、準備も大詰めを迎えています。
2020年はどんな1年になるでしょう。1年を占うヒントになるのが干支(えと)です。2020年の干支「庚子(かのえ・ね)」には、どのような意味があり、どのような傾向があるのでしょうか。
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干支とは?十二支との違い
そもそも干支(えと)とは何でしょうか。年賀状などで十二支(じゅうにし)と同じように使われますが、本来、干支と十二支は異なります。
干支とは
干支とは、十二支(じゅうにし)と十干(じっかん)という2つの暦の数え方を組み合わせた表記方法です。十二支と十干の組み合わせは60パターン存在しており、この組み合わせを「干支(えと/かんし)」と呼びます。60年かけて干支を一周すると「還暦」を迎えます。
干支の意味や由来、干支に関連する呼び名など、干支についての詳細は次の記事で紹介しています。
近年の干支早見表
2019年は、十二支だと亥(いのしし)年。干支だと「己亥(つちのと・い)」の年でした。2020年は子(ねずみ)年で、干支では「庚子(かのえ・ね)」の年にあたります。
なお近年の干支は次の早見表のようになっています。
西暦 | 十二支 | 干支 |
---|---|---|
2017年 | とり | 丁酉(ひのととり) |
2018年 | いぬ | 戊戌(つちのえいぬ) |
2019年 | いのしし | 己亥(つちのとい) |
2020年 | ねずみ | 庚子(かのえね) |
2021年 | うし | 辛丑(かのとうし) |
2022年 | とら | 壬寅(みずのえとら) |
2023年 | うさぎ | 癸卯(みずのとう) |
2020年の「庚子」は干支の組み合わせの37番目で、翌2021年の干支は「辛丑」です。
ちなみに、2020年は4年に一度設定される「うるう年」にあたり、1年が366日に。2月29日が存在します。2月は令和の天皇誕生日(2月23日)もあるため、カレンダーに注意した方がよいかもしれません。
干支・十二支にちなんだ商品
2020年は「子(ねずみ)」です。子にちなんだ商品が発売されており、ウィンターギフトやお年賀に活用されています。また“世界最大のねずみ”カピバラを飼育している水族館、動物園では、カピバラたちが活躍する限定イベントも企画されています。
毎年恒例、「干支デザイン缶」のプレモル
サントリービールは、「ザ・プレミアム・モルツ<干支デザイン缶(子歳)>」「ザ・プレミアム・モルツ<香る>エール<干支デザイン缶(子歳)>」を11月から販売しています。ねずみの絵柄は、かつて魔除けのお守りだった土鈴(どれい)がモチーフ。かわいらしく仕上げられています。
ゴディバ「ヌーヴェラネ コレクション」
フランス語の“新年”から名づけられた「ヌーヴェラネ コレクション」。 新春にふさわしい桜の花とねずみをデザインした限定チョコレート、限定カレを含む、詰め合わせです。今年はマカロンショコラも。販売は1月9日まで。
カピバラも「子年」をお祝い
横浜・八景島シーパラダイスは、カピバラ用に笹付きの門松を用意するイベントを開催します。カピバラへの餌やり体験も。元旦から1月13日まで、アクアミュージアム4階「フォレストリウム」内で行います。
2020年「庚子」はどんな年に?
2020年の干支(えと)は「庚子(かのえね)」。60で一周する干支のうち37番目にあたります。庚子年がどのような年になりそうか、漢字「庚」「子」の意味とこれまでの傾向から見てみましょう。
「庚」と「子」の意味
庚子は、十干で「庚(かのえ)」、十二支で「子(ね)」に相当します。
「庚」は十干の7番目にあたります。五行でいうと「金の陽」の性質を持っており、鋼鉄のイメージで、攻撃的、強引な一面があります。
「子」は十二支の一番初め。「水の陽」の性質を持ちます。胎児に例えられることが多く物事の始まりを意味し、可能性や変化といったキーワードが当てられます。繁栄をもたらす「冨の象徴」の一面も。
庚子年の特徴
庚と子の特徴をあわせもつ庚子の年は、一言で表すと、「変化が多い年」になると考えられます。心に影を差すような変化があれば、物事が一気に進む劇的な変化もあるでしょう。
1960年「庚子」年のできごと
60年前、前回の庚子にあたる1960年(昭和35年)には、世の中を大きく変えるできごとが世界中で起こりました。
まず国内政治では、日米安全保障条約に反対する「安保闘争」が政界を揺るがし岸内閣を総辞職に追い込みました。米国では、キング牧師らによる公民権運動のさなか、大統領選でジョン・F・ケネディが勝利。法律上の人種差別撤廃へつながる大きな一歩となりました。
ほか、日本を含む環太平洋全体を津波が襲ったチリ地震もこの年。四日市公害の被害が表面化し、大きな問題となったのも1960年でした。
一方で嬉しいニュースも。2019年5月に皇位を継承した今上天皇陛下、浩宮さまが誕生されたのは、1960年2月23日です。昭和の大スター、石原裕次郎さん結婚という話題もありました。
2020年はどんな年に?
さて、2020年といえば、東京オリンピック・パラリンピックは外せません。宿泊、輸送、観光など周辺各方面でも大きな変化が起きます。
3月には聖火リレーが始まり、羽田国際線が増便され、約50年ぶりとなるJR山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅]」が暫定開業を迎えます。さらに各地で再開発が進められており、ホテルや商業施設も開業ラッシュ。街並みががらりと変わります。
検討を重ねてきた輸送計画も実行に移されます。たとえば都の大会準備局は「2020TDM推進プロジェクト」を立ち上げ、協力者、企業を募っています。TDMとは交通需要マネジメントのこと。とくに大会期間中は、時差Bizやテレワークの積極的な利用、配送時期や時間帯の調整への協力を求めています。
いずれも、まだ実験段階だったり、消極的な意見が多かったりしますが、五輪開催を期に導入障壁が下がれば、その後の生活や働き方を変える第一歩となるかもしれません。
一年をより良く過ごすために
干支(えと/かんし)は60を周期とする数詞の一つで、12ある十二支(じゅうにし)と10ある十干(じっかん)を組み合わせたものです。
2020年は干支で37番目にあたる「庚子(かのえ・ね)」の年。始まりの意味を持つ「子」と力強さをイメージする「庚」があわさり、大きな変化が生じる1年だと考えられます。
いよいよ迎える東京五輪、生活を大きく変える5G通信の開始など、大きなイベントが盛りだくさんの2020年。どれもが「よい変化」となることを願うばかりです。