テスラCybertruckやポルシェTaycan、MINI初のEVなど、魅力的な選択肢で進むEVシフト

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自動車業界で話題のEVシフトは着実に進んでおり、2029年には世界で販売される自動車の16.4%がEVになると予想されている。テスラの「Cybertruck」やポルシェの「Taycan」といった注目度の高いEVだけでなく、「MINI」や「レクサス」にもEVが初めて設定されるなど、選択肢は増えている。

テスラCybertruckやポルシェTaycan、MINI初のEVなど、魅力的な選択肢で進むEVシフト

世界のEV販売比率は2029年に16.4%へ

自動車業界では、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの自動車から電気自動車(EV)へ移行するという、EVシフトが話題だ。ただし、アライド・ビジネス・インテリジェンス(ABI)の調査によると、2018年時点でバッテリー式電気自動車(BEV)の販売台数は、自動車全体のまだ1.3%に過ぎない。それでもEVシフトの流れは確実に存在し、BEV販売比率が2029年に16.4%へ増え、導入台数は1億台を超えると予測した。

EVシフトは、世界各地で開催されるモーターショーにも色濃く反映され、さまざまなメーカーが新型EVやEVのコンセプトカーを出展している。今回は、最近注目を集めたEVをピックアップして紹介しよう。

EVシフトが鮮明な欧米

とりわけEVシフトがはっきりと目に見えるのは欧米の市場だ。ポルシェなど歴史あるメーカーも競うようにEVを開発、発表している。

注目度ピカイチの「Tesla Cybertruck」

注目度の高さでは、テスラの発表したピックアップトラック型EV「Tesla Cybertruck」が一番だろう。曲線を多用する最近の自動車と異なり、無塗装ステンレスの直線的なボディデザインは、一昔前のゲームに登場したような未来の車を思い浮かばせる。

1.5トンを超える積載重量、3,000リットル弱ある積載容量、6トンを超えるけん引力、オフロード走破性など、ピックアップトラックとしての能力に加え、2.9秒で時速60マイル(約97km)に達するスポーツカー並みの加速性能も備える。イーロン・マスク氏率いるテスラらしい個性的なEVだ。

発売予定は2021年とまだ先だが、すでに25万台分の予約が入っている。

出典:テスラ / Tesla Cybertruck

スポーツカーといえば「Porsche Taycan」

スポーツカーの分野で忘れてならないのは、ポルシェ初のフルEV「Porsche Taycan」だ。加速性能はTesla Cybertruckを上回り、停止状態から2.8秒で時速100kmに達してしまう。

2020年に発売される予定で、最上位モデルの価格は2,000万円程度になるそうだ。

出典:ポルシェジャパン / Porsche Taycan

人気の「MINI」が60年の歴史で初EV

1959年発売の初代モデルから60年におよぶ歴史を誇る小型自動車「MINI」も、シリーズ初のEV「MINI Cooper SE」が登場する。停止状態から時速60マイルまでの加速にかかる時間は6.9秒と控え目だが、日常的な用途では十分だろう。

2020年発売予定で、英国などではすでに購入予約の受付が始まっている。英国や米国での販売価格は300万円強。

出典:BMWグループ / The new MINI Electric.

日本のメーカーも魅力的なEVを発表

日本の自動車メーカーも続々とEVを発表している。

ホンダの都市部向けEV「Honda e」

日本車では、欧州で2020年に発売される本田技研工業(ホンダ)のEV「Honda e」が気になる。9月にドイツのフランクフルトで開催された国際モーターショー(IAA)では、量産モデルが披露された。

バッテリー容量は35.5kWhで、フル充電時の走行距離は最大220kmと長くない。そもそものコンセプトが都市部の移動を想定しており、EV充電スタンドが比較的多かったり、毎日自宅や職場で充電できたりする環境であれば問題ない。英国、ドイツ、フランス、ノルウェーで購入予約を受付中で、日本での発売時期も近い内に公表されるだろう。ちなみに、ドイツでの販売価格は約350万円になる見通し。

出典:ホンダ・モーター・ヨーロッパ / MASS PRODUCTION HONDA E REVEALED AND SET TO DEBUT AT FRANKFURT

軽自動車並みのコンパクトEV「ニッサン IMk」

日本のEV市場を「リーフ」で引っ張ってきた日産自動車は、新EV「ニッサン IMk」を発表した。

コンパクトな軽自動車並みというボディで、Honda eと同じく市街地での使用を意識している。10月から11月にかけて開催された東京モーターショーでは、コンセプトカーとして出展された。リーフより小さな扱いやすいEVとして、正式に登場するのではないだろうか。

出典:日産 / 日産自動車、「ニッサン IMk」を世界初公開

個性的なマツダもEV投入

ロータリーエンジンや2人乗りスポーツカー「ロードスター」で知られる個性的なマツダも、初の量産EV「MAZDA MX-30」を発表した。MX-30はバッテリーの電力だけで走るBEVだが、今後ロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして使用するモデルや、ロータリーエンジンを組み合わせたシリーズ型ハイブリッド車も開発するらしい。

欧州ではすでに購入予約が可能になっており、日本でも発売が予定されている。

出典:マツダ / MAZDA MX-30

トヨタの高級車「レクサス」に初のEV

トヨタ自動車は、高級車ブランド「LEXUS(レクサス)」に初のEV「UX300e」を設定する。バッテリー容量は54.3kWhで、航続距離は400kmあるという。もちろん急速充電にも対応しており、高速道路を使った旅行などに活躍しそうだ。

2020年以降に中国や欧州などで順次発売し、2021年前半に日本で発売する予定だ。

出典:トヨタ / LEXUS初のEV市販モデル「UX300e」を世界初公開

EVの選択肢は増える一方、目的にあった車種を

駆け足で話題のEVを見てきたが、もちろん取り上げたのはほんの一部に限られる。ほかにも、ボルボ・カーズの「XC40 Recharge」、メルセデス・ベンツの「EQC」、ジャガーの「I-PACE」など、各ブランド初のEVも興味深い。以前からEVを出しているフォルクスワーゲンのようなメーカーも、「Audi」といった傘下ブランドも含め全モデルにEVやプラグインハイブリッド車(PHV)を設定するとしており、選択肢は増える一方だ。

その結果、長距離ドライブに使いたい、短距離の街乗りで十分など、目的に合ったモデルが選びやすくなるだろう。EV充電スタンドの設置も進んでおり、EVユーザーから多く聞かれる充電の悩みも解消されていくので、利便性の高くなったEVが今後は加速度的に増えるのではないだろうか。