ドコモ5Gスマホは6機種、150か所でスタート - Magic LeapのXRヘッドセットも発売

2020年3月25日、日本でも商用の「5G」サービスが始まった。

先陣を切ったのはNTTドコモ。3月末時点での対応エリアは150か所と少ないが、6月末には全都道府県へ導入する予定だ。5G対応スマートフォンは6機種を用意、まずは「Galaxy S20 5G SC-51A」「AQUOS R5G SH-51A」を発売する。

翌26日にはKDDIが、27日にはソフトバンクが、それぞれ5Gサービスを開始した。

ドコモの5G対応スマホ一覧

NTTドコモが3月18日に発表した5G対応スマートフォン6機種は次表のとおり。機種名およびメーカー、発売日（一部発売予定時期）、主な特徴をまとめた。

※1 プレスリリース参照

人気ブランドXperia、Galaxy、AQUOSの3ブランドに加え、LG製の「LG V60 ThinQ 5G L-51A」を取り扱う。専用ケースを装着すると2画面スマートフォンとして使用できるもので、ゲーミング用途で注目されている。

ほか、背面に特別デザインを施した東京2020オリンピックモデル「Galaxy S20+ 5G Olympic Games Edition SC-52A」を用意、6月以降に販売する。Wi-Fiルーターも1機種発売予定。

ドコモの5G通信料金プラン

ドコモの5Gスマートフォン向けプランは「5Gギガホ」「5Gギガライト」の2種類。

5Gギガホは、月額7,480円の使い放題プラン。データ利用量上限は100GBだが、無制限キャンペーンを実施し上限がない状態とする。超過後の通信速度は送受信時最大3Mbps。

一方5Gギガライトは、毎月の使用データ容量に応じて4段階の料金が適用されるプラン。最大7GB（月額5,980円）まで、超過後の速度は最大128kbps。

※2 無制限キャンペーン中は上限設定なし

なお、「5Gギガホ割」「5Gギガホ音声割」などの割引キャンペーン、機種独自のキャンペーンが設定されている。5G通信対象外のエリアでは従来の4G LTE回線を利用できる。

ドコモの5G対応エリア

NTTドコモは5G対応エリアに関連して、5G通信可能な施設とスポット一覧を公開している。資料より、スタジアム・オリンピック施設、交通施設、観光／商業施設、その他施設等を抜粋して紹介する。

＜スタジアム・オリンピック施設＞

＜交通施設＞

＜観光商業施設＞

＜その他＞

情報は3月末時点の対応予定エリア。この後、6月末には全都道府県へ、2021年3月末には全政令指定都市、500都市以上への導入を進める。また通信速度は、3月時点で受信時最大3.4Gbps、送信時最大182Mbps。6月以降に同4.1Gbps、480Mbpsへのアップデートを予定している。

Magic Leap製品でMRを本格展開へ

ドコモは、空間コンピューティングの米Magic Leapが手がけるデバイス「Magic Leap 1」も発売する。同社によると、日本国内で取り扱うのは初めて。

出典：Magic Leap／Magic Leap’s spatial computing running on DOCOMO’s 5G infrastructure brings Japan one step closer to a world without screens

Magic Leapは、VR（仮想現実）でもAR（拡張現実）でもない、仮想空間に入り込んだかのような体験ができるサービスを展開する。MR（Mixed Reality、複合現実）とも呼ばれる技術で、医療、産業分野でも注目されている。ドコモは2019年4月に同社へ2.8億円を出資し、日本向けデバイスの販売権を取得するなどしていた。

Magic Leap 1は、ヘッドセットを装着し、コントローラーで操作する。ドコモは、建物が完成する前に内覧ツアーをする、天井をスクリーンに変えて、壁から飛び出してくるロボットと戦う、といったアイデアを紹介。Magic Leapの実機は仙台市の「5G OPEN LAB」などで体験できる。

5Gは、4Gを大きく上回る超高速通信に加えて、超低遅延、多数同時接続といった特徴を持つ。エンターテイメント領域だけでなく、トヨタと進めようとしているスマートシティや、医療分野における遠隔手術、産業現場の技術伝承など、あらゆる先端技術の基盤となる技術だ。

全国で広くドコモの5Gネットワークを使える時期は、少なくとも1年後の2021年3月となる見込み。当面は一部エリアに限られるものの、5Gは生活に大きな変化をもたらしそうだ。