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「男性も育休を。」パパ社員が語る育児休暇|スマートキャンプ初の男性育休取得の話 #制度 #SmartThinking #Collaboration

※この記事は2019年2月22日に公開されたものをnoteに再掲しています。

こんにちは!スマートキャンプ広報インターンです。

『育児休暇制度』

働き方の見直しをきっかけに認知が広まったこの制度、男女問わず利用可能ですが、男性が利用しているのはなかなか見かけたことはありません。事実、取得している男性の割合はかなり少ないようです。

スマートキャンプでは2019年1月に、弊社初となる男性社員の育児休暇取得がありました。
今回は実際に育休を取得したスマートキャンプ男性社員へのインタビューを通して、男性の育休についてお伝えしたいと思います。

育休とは?

育休』とは育児休暇の略称のことで、働く人が育児を目的に取る休暇のこと。

中でも、1歳未満の子供を育てているなどの条件が揃うことで取得できるのが『育児休業』です。休業中は一定条件を満たすことにより、雇用保険から『育児休業の給付金』も支給されます。

2018年の統計では女性の取得率が8割を超えており、女性にとっては一般的な『育児休業』ですが、一方で男性の取得率は1割と、とても低い数字になっています。

男性の育休は「よくわからない」「取得が難しそう」と思う方もいらっしゃると思います。実際に取得した社員にインタビューをしたのでぜひ参考にしてみてください。

社員インタビュー|Product Div. Team Manager 米元 智さん

育休前について

ーー取得のきっかけを教えてください。

妻の妊娠が判明した時点から検討を始めました。
夫婦ともに実家が遠方で、いざというときに面倒を見てもらえる人が近くにいなかった事が一番の理由です。

最初の1か月間は妻のお義母さんが来て家事や育児を手伝ってくれることになっていました。ですがその後の生活に不安があったので取得を決めましたね。

ーーどのくらいの期間を取得されたんですか?

1か月間取得しました。ちょうど子供が1か月から2か月になる間の期間です。

ーー取得の際、周囲の反応はどうでしたか?

自分が知る限り社内で育休を取った人がいなかったので、育休を取りたい事を上司に相談する際は正直どうなるかなと思っていました。

また、同僚のエンジニアは若いメンバーが多いことや、普段から皆忙しくしているので育休に対する理解が得られるか不安もありましたね。ですが、いざ伝えてみると皆ポジティブな反応をしてくれて安心しました。

「絶対取った方がいいです」「育児頑張ってください!」と言ってくれた人もいて嬉しかったです。

▼スマートキャンプ社員の平均年齢はこちら

ーー工夫したことを教えてください。

いくつかありますが、育休を取るにあたって目標を決めたことでしょうか。
育休期間の1か月はあっという間にすぎると思っていたので、最低限何を達成するかを決めてから育休に入りました。

ちなみに私はエンジニアなのでエンジニアリング的な考え方で目標を設定したのですが、
具体的には

1. SPOF(Single Point Of Failuer:単一障害点)を無くす
2. できる限り効率化・自動化する

の2点です。

1つめの「SPOF」についてですが、システムの用語で「一か所が動かないとシステム全体が停止する」という意味になります。

仮に私が家事育児を何もしなかった場合、家庭における「SPOF」とは妻の事を指します。つまり妻が病気などで動けなくなったときに家事育児という機能が停止し、家庭というシステムが崩壊する状態の事を指すわけです。そうなると怖いですよね。

ではSPOFを無くすためにどうするかというと、システムでは「冗長化」を行います。
家庭でいう冗長化とは、「妻と(ほぼ)同じ事が私もできる状態」というように定義して、何を行うかを決めました。

ちょっとエンジニアっぽい感じで話しましたが(笑)、要は家事と育児のスキルを上げていつでも妻と交代したり、並行して動いたりできるようにするということです。

授乳だけは男性はミルクを作るしかないので、どうしても妻の負担が大きくはなってしまいますが、妻の側からするといざというときに私に子供を任せられるという安心感があるのと無いのとでは精神的な負担が全然違うのではと考えました。

2つめに関しては、復帰した後の事を考えてできるだけ家事育児を効率化・自動化して負担を減らしておくというものです。
当然ですが復帰後の生活の方が長いので、それまでにできる事をやっておいて復帰後の生活に備えるという内容です。

他にもタスクやスケジュール管理、コミュニケーションでいくつか工夫した点はありますが、それらも含めて詳細は別途エンジニアブログで書こうと思います。

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ーー取得に際して、経験者としてアドバイスなどありますか?

その人の家庭や仕事の状況、兄弟の有無、さらに産まれてくる子の個性によって育児の大変さが変わるので、育休を取るべきかどうかは一概には言えないかもしれません。

なのでまずは「取った場合・取らなかった場合それぞれに対して、家庭や仕事がどうなるか」を夫婦でよく話し合い、シミュレーションしたうえで検討するのが良いかと思います。

取ることに決めたら次は職場の上司・同僚と育休に入る前の引き継ぎや育休中の連絡手段、復帰後の仕事内容と働き方(時短、フレックスなど)について相談し、認識のズレが無いようにしていくのが大事だと思います。

もう1点、これは人によるかと思いますが、可能なら引き継ぎをすべて終えた状態で仕事を持たずに育休に入る事をおすすめします。

私自身は少しですが業務を残した状態で育休に入りました。

育児しながらでも多少は仕事ができるかなと自分では思っていたのですが、実際は何かやろうとするたびに子供が泣き出したり、夜間の子供の世話で寝不足が続いて体力・集中力が無かったりと想像以上に時間も精神的余裕もありませんでした。

特に子供が何をやっても泣き止まない時は作業が全く進まず時間だけが過ぎていき、子供に対してストレスを感じてしまう事もあって…。
後で本当に良くないなぁと反省することが何度かありました。

難しいかもしれませんが、可能な限り育児に集中できる状態で育休に入ってもらいたいです。

育休中について

ーー育休中はどのように過ごされていたんですか?

夜間は主に妻が子供の世話をしてくれていたので、朝は少しでも長く寝てもらうために朝食作りを担当していました。
なので朝起きて朝食を作り、あとはずっと子供の世話が中心でした。
ひたすらオムツを替えて、ミルクを作って、お風呂に入れて、寝かしつけて...の繰り返しです。

合間に買い物や掃除・洗濯などの家事もしていましたが、もし1人だったらかなり大変だったと思います。子供がぐずっているときには片方が子供の相手をしながら交代でご飯を食べることもよくありました。

夜も2,3時間おきに子供が泣き出すので、そのたびに起きて授乳とオムツ替えをして…。

基本的に夜は妻が対応してくれました。ですが毎日だと負担が大きかったので週2くらいで私が対応して妻には寝てもらっていました。

ーーそうなのですね。育休中に工夫していた点などありますか?

家事育児をする中で感じた小さなストレスや、同じ事を何度も繰り返すような作業を少しでも減らしたくて、時間のあるときに効率化の方法を考えたり試したりしていました。

たとえばミルクを作るのは70℃以上のお湯で粉を溶かして人肌まで冷ましてから子供に飲ませる必要があるのですが、ちょうどいい温度にするのは意外と難しくて時間がかかります。
日中ならまだしも、早朝や深夜の眠い中でさらに子供が泣いてる状態での温度調整が大変で、割とストレスに感じていました。

そこで他の方がどうしているのか調べて、赤外線を使った非接触の温度計があることを知ったんです。それ以降は毎回その温度計で温度を測るようにしました。また、それまでは流水や氷水に哺乳瓶をつけてミルクを冷ましていたのですが、お湯で粉を溶かした後に子供が飲んでも安全な水で割る方法をとっている方がいて、同じやり方に変えました。

同じ温度で同じ量で割れば適温のミルクがすぐできるので、このやり方を知った時は感動しました!たぶん育児経験が長い人には常識なんでしょうね(笑)

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他には子供を抱えて両手が塞がった状態でも暮らしやすいように細かい調整をたくさん行いました。

たとえばお風呂に入れたりオムツ替えするときの道具を取りやすい場所に設置したり、部屋を安全に行き来できるように動線を整えたり、GoogleHomeとスマートリモコンを使って音声で電気やエアコンなどの家電を一通り操作できるようにしました。

家事についてもいくつか効率化・自動化を行いましたが、中でも食洗機を購入したのが一番大きかったです。

最近の食洗機は性能が良く、使った後の食器を予洗い無しで入れておくだけできれいに洗えて、さらに乾燥までしてくれます。育児中は食事もゆっくり取れない状況なので、食事の後の洗い物の時間を削減できたと考えると本当に買ってよかったなと思います。

また、コミュニケーションの面では妻と定期的に時間をとって、育休中にやっておきたいタスクの棚卸しや、現状の課題・不満・やりたいことなどを話すようにしました。

一定の頻度でお互いの目線や期待値を擦り合わせる事で、どちらかが一方的に不満を溜めたり負荷がかかり過ぎたりということも無く育休を過ごせたと思います。

ーー育休中の印象的なエピソードなどあったら教えてください。

育児に少し慣れてきた頃に子供が入院するということがありました。

「何かいつもと様子が違うな」と思って熱を測ってみると38度以上の熱があり、夜だったため近くの救急外来がある病院まで連れて行くと、そのまま入院になりました。

一般的に生後3か月未満で高熱が出ることは少ないとされているので、ひどい病気になったんじゃないかと心配になりました。
病院では検査のためにまだ小さい身体に注射や点滴の針を刺されて、可哀想でしたね…。

当時は自宅での育児環境が整ってきたところだったのですが、病院での子供の世話は周囲に気も遣いますし、勝手が違って大変でした。しかも24時間付きっきりで付き添いが必要だったので妻と交代で病院と自宅を往復して世話をしていました。

結局5日間ほど入院しましたが、熱も下がって無事元気になってくれたので本当に良かったです。

入院中に子供がいない家に帰った時の家の静かさと寂しさは今でも覚えてます。
普段泣き止まないときは大変なんですが、泣くぐらい元気がある方がありがたいですね(笑)

退院後しばらくしてから抱っこやオムツ替えのときにニコッと笑うようになって嬉しかったです。それまではただ泣くか寝るだけだったのですが、何かしらコミュニケーションがとれるようになって育児の楽しみが一つ増えました。

育休後について

ーー育休後はどんな1日を過ごされているんですか?

平日は基本的に6時に起きて8時頃出社し、17時〜18時頃に退社しています。
コアタイムは10時〜16時なのでフレックスを使って前倒しで働いてるということですね。

帰宅後は夕食をとった後に子供をお風呂に入れて、オムツ替えやミルクなどをして21時くらいに子供を寝かしつけます。そこから仕事の続きや勉強をする日が多いですね。

ーー育休後の復帰にあたって不安だったことなどありますか?

自分がいない間にも仕事の状況はどんどん変化しているので、それをどうやってキャッチアップしていくかが不安でした。

対策として復帰初日に上司と1on1をして1か月の会社全体の動きをヒアリングし、他のメンバーとも個別にヒアリングをして状況を把握するようにしました。

また、育休中も業務でのやりとりで使っているSlackのログやWikiの更新内容をなるべく見るようにしていたので、ある程度はキャッチアップできたと思います。

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ーー育休のメリット・デメリットを教えてください。

まずデメリットですが、どうしても仕事で周囲に負荷をかけてしまうことです。

育休中に私の業務を分担して引き取ってくださった皆さんには本当に感謝しています。今後、他の方が育休を取る時は全力でサポートしようと思います!

一方、メリットの方はたくさんあるのですが、

1つめ、これが1番大きいのですが、子供の成長を妻と一緒にすぐ近くで見れること。

近くで見られるからこそ、ちょっとした変化に気づけます。
入院したときもいつもと様子が違って発熱していることに気づきましたし、子供が成長する中でそれまでしなかった仕草を見つけたときには喜びを感じました。

2つ目は育児スキルを短期間で集中的に上げられること。
これによってたとえば妻が病気になっても私1人で子供の面倒をみられるので、妻には安心して休養してもらう事ができます。

また、平日の昼間はずっと妻が子供の面倒を見ているので、週末は私が子供を見て、妻には息抜きに出かけてもらう事もできるようになりました。

たぶんやろうと思えば誰でもできると思いますが、育休中にかなり時間を使って繰り返し子供の面倒を見たことで、慣れというか育児に対する苦手意識を無くせたのが大きかったのかなと思います。

3つ目は夫婦で育児について話し合う時間が取れることです。
さきほども話しましたが、お互いの目線や期待値を擦り合わせる時間がとれたので良かったです。もし育休を取っていなければそんな余裕もなく、疲労や不満を溜めてしまう事があったのではないかなと思いますね。

今後も意識的に時間を作って話そうと思っています。

最後の4つ目は環境を整備できること。
家事や育児の負担を減らすための物を買ったり、効率的な手順を考えて試したりと細かいところまで整備しました。
子供の成長に合わせて変えていく必要はありますが、育休前に比べてかなり楽になったと思います。

ーー最後に全体を通しての感想はありますか?

1か月の間、真剣に育児に向き合ってみて想像していた以上に大変だという事がわかりました。世の中のお母さん達がどれだけ頑張っているのか身に染みてわかりましたね。
そういう意味でも育休を取ってよかったです!

ーー育休についてイメージがつきました。詳細まで話していただいてありがとうございます!

まだまだ利用率の低い男性の育休取得。
取得したい方がもっと気軽に取得できるようになったら素敵ですね。

スマートキャンプは全社員の働きやすい環境を目指して柔軟に対応しているので、他の制度も気になる方はぜひ見てみてくださいね!

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