見出し画像

スマートキャンプボードブログ第4回 ワークスアプリケーションズで学んだ『他責NG』という考え方

※この記事は2019年10月24日に執筆されたものを再掲しています。

スマートキャンプCMOの林です。

先日ワークスアプリケーションズのCEOだった牧野さんが退任されました。

私は新卒で入社した会社がワークスアプリケーションズだったのですが、牧野さんの魅力に惹かれ入社を決めた同期が多かったこともあり、フェイスブックでは同期たちがさまざまな投稿をしていて、私も在籍時の事を感慨深く思い出していました。

私も牧野さんに惹かれて入社した一人ですが、思えばワークスアプリケーションズでは本当に貴重な事を学ぶ事ができたと思います。

学んだ事は数限りなくありますが、学べてもっとも良かったと思っている事で、スマートキャンプのメンバーにもぜひ意識してほしいと思う事があったので、本記事ではそれをシェアしようと思います。

他責NG


私が学べてもっとも良かったと思うのは、『他責NG』という行動指針です。

ワークスには「ワークスウェイ」という行動指針があります。下の画像の5つがそれですが、ワークスの経営陣が優秀だと思う人に共通している特徴という軸で厳選したもので、その中でもっとも重要なのが他責NGだと、牧野さんが話されていたのを覚えています。

画像1

参照:ワークスアプリケーションズリクルーティングサイト
(引用元URL:https://career.worksap.co.jp/index.php/268/work-style-2-3

選考中のインターンのときもこの他責NGについて口酸っぱく言われ、学生間で大流行していましたし、入社後も他責NGが社内に浸透し、社員のみなさんが常々意識していると感じた事を覚えています。

他責NGとは


他責NGとは、読んで字の如く他責(人のせい)にするなということです。HP上の説明だと下記のようになっています。

「誰かの」「何かの」「時間の」という条件のせいにしない仕事の姿勢

言葉でいうのは非常に簡単なのですが、この『他責』という言葉が非常に深く、実践するとなると極めて難しいのがこの他責NGです。

具体例にすると難しさがわかる

他責NGの難しさをわかっていただくため、他責NGを追求していくとどんな事がおこるか事例をあげてみます。我ながらあまりいい事例にできなかったのでわかりづらかったらごめんなさい…。

他責にしている状態→他責にしない状態という形でパターンを列挙していきます。

・商品が悪いから売れない。
→商品を改善したらいい。または売れるように自分で付加価値をつければいい。

・会社の仕組みが整ってないからできない。
→自分で整えたらいい。または誰かに整えてもらえるようアクションしたらいい。

・他部署が協力してくれないからできない。
→他部署が協力したくなるようなアクションをしたらいい。それでも駄目なら他部署の協力が必要な部分を自分でやってしまえばいい。

・仕事が楽しくなくモチベーションがわかずできない。
→どうするとモチベーションがあがるか考えその方法をとればいい。

・上司と考え方ややり方が違ってうまくいかない。そのためできない。
→上司と考えを合わせる方向で動いたらいい。上司目線になって考えてみたり、すりあわせのためにできるアクションをまずやりきればいい。それでだめなら上司なしでできる方法を考えたらいい。

・時間がなくてできない。
→時間をつくるか、時間がなくてもできるやり方でやればいい。

こうやって具体例を出していくと、「そこまでやるの?無理無理」という気持ちになってきませんか?
「それはわかるけど、そこまでは自分の仕事じゃない」、「それをしようと思ったら時間がどれだけあっても足りない、組織が壊れる」などなど、いくらでも反対意見がだせると思います。

しかし、他責NGを追求していくと、どこで無理というかは人によって異なるものの、絶対無理、というところを超えて追求できてしまいます。
ここのさじ加減をどう考えるかは他責NGを意識して行動していく中で自分自身で調整していく所だと私は解釈していて、そこが難しさではあるものの、面白さだと思っています。

ただしワークスでは、想像の斜め上をいくような他責NG思考が生み出した成果がいろいろと語られていたので、この幅を広げていく事が能力の幅を広げていくことなんだと理解した事を覚えています。

斜め上をいくような事例として印象的だったのは、当時ワークスのCOOだった阿部さんの事例です。阿部さんは確か新卒のときに、これまで誰もなし得なかったロシア政府(だったかな?)との大型取引を成功させたという話があったと記憶しています。

新卒だからできないとか、前例がないからできないとか、ロシア語喋れないからできないとか、この案件についてはできる理由を考えるほうが難しいくらいですが、他責NG思考を追求するとそんな事までできるんだと驚いた事を覚えています。
※ちょっと他責NGとはずれた事例なのかもしれませんが。。

仕事できる人は他責NGの範囲が広い

他責NGと仕事のできるできないの関係をイメージしていただくために、このセクションでは、自分が知っている仕事ができる人を何人か思い浮かべてみていただきたいです。

今、このタイミングでぜひ思い浮かべてみてください!


会社の人でもいいですし、孫 正義のような経営者でも、イチローのようなアスリートでも大丈夫です。


その人たちって、他責にすることって多そうですか?

こうやって考えていくと、仕事のできる人程、他責NGの範囲が広い事に気づくのではないでしょうか。

そうでもなかったらすみません。
でも、孫 正義なんかはその範囲が恐ろしく広いと私は思っています。

もちろん、職位があがるほどみるメンバーが増えたり、関係部署が増えたりして自分がみる範囲がひろがり、明確に自責にしないといけない範囲が増えるため、職位が高い人のほうが他責NGの範囲が広がります。

仕事ができる人は高い職位のケースが多いので、その関係で仕事のできる人程他責NGの範囲が広くなりやすいというカラクリもあるのですが、同じ階層の人でも他責NGにできている範囲には違いがあり、その広さがその人の問題解決できる範囲となって、仕事のできるできないに影響を与えている事がなんとなく想像できるのではないかと思います。

直近感銘をうけた他責NGの事例

直近で他責NG関連で非常にいいなと思った事例があったので紹介します。

これから紹介する事例は、弊社にマーケティングクラウドというMAツールを提案してくれたセールスフォースの担当者の方の事例です。
部署や会社をこえて人をうごかし、こちらの懸念点をすべて迅速につぶし、納得してツールを導入できる状況を作ってくれました。

背景情報として、マーケティングクラウドは複雑なMAツールで、導入するのにそこそこの工数がかかります。またコストも安くなく、使い方によっては月に数百万かかるツールで、現状の私達にはToo Muchなサービスに見えました。

そこで導入にあたっては、まずはToo Machなのかどうかの見極めから、実際に弊社で活用できるかどうか、導入コストが見合うのかどうか、導入工数が捻出できるのかどうか、運用のタイミングで費用対効果があうのかどうか、実際導入できるのかどうか(インプリで躓いていつまでたっても活用できないなんて事にならないか)、などなど、重い課題がたくさんありました。

下が具体的な内容ですが、セールスフォースの担当者はそれらを一つひとつ丁寧に、自分ごととしてすべて解決してくれました。

・TooMachかどうかわからない
→機能やメリット・デメリット、活用方法についてわかりやすい提案資料を作成して提案

・自社でどう活用できるかわからない
→活用パターンを複数提案

・コストが高すぎて導入できない
→オプションなどを駆使して、値引きできるパターンを複数用意。弊社の条件を鑑み、コストが最小化するパターンを検討して提案

・インプリが適切なコストで適切な期間でできるかどうかわからない

1.社内のインプリサポートを検討→それではインプリが完了するかどうかに懸念が残る
2.通常のインプリ会社を紹介→コスト対効果があわず見送り
3.別のインプリ会社を探してきて紹介
4.紹介いただいたインプリ会社とのコミュニケーションに問題発生→間に入って推し進める
5.活用までのサポートが不安→フロントとしてある程度までサポート
6.長期的なアフターフォローが不安→サポート部隊やサポートの機会を適切に紹介


繰り返しになりますが、この担当の方は部署を超えて会社も超えてアクションをおこし、弊社が障害だと思った事はすべて取り除いてくれました。

このプロセスの途中で、それらの事は自分の担当外だからわかりません、できません、とできない理由を探す事はいくらでもできたと思います。
実際多くの提案がそういう終わり方をしますが、仮にこの担当者が同様だった場合、ツールの導入には至らなかったと思います。

他責にすると楽。でも他責にした途端、解決できなくなる


他責NGのPRをしてきましたが、実際の所、他責NGを貫くのは非常に辛いです。何もかも自分のせいだと思っていると、辛くてなにもやっていられなくなります。

何か悪い事があったときに、アイツのせいだとか、時間がないせいだとか、環境がよくないからだとか、そういってしまったほうが、圧倒的に楽です。

実際、他責にしているとき他責にしている内容はだいたい事実で、アイツがミスしなかったらそんな事にならなかったとか、時間があったらできるとか、環境が恵まれていたらもっとできる、というのは論理的にも正しい事がほとんどです。

なので他責になる思考がロジックとして間違ってないことも多いですが、他責にしたとたん、うまくいかなかった原因が自分以外の何かになり、改善プロセスを動かせなくなります。

「他人や環境は変えられないが、自分は変えられる」、といいますが、実際自分が変えられるのは自分の物事の捉え方や行動だけです。

結局は自分の力で問題を解決しようと思ったら自分ができる事で解決に導いていくしかないので、自分の力で結果を出したかったら、辛くても他責にしたい気持ちを抑え、自分のできる事をみつけて解決にあたっていく必要があります。

他責NGでいける幅がその人の能力の幅だ

最後に、他責NGを貫いていると辛くなり、他責NGじゃなくていいじゃん、と思う事があるのですが、そんなときに思い出すといい言葉を書いておきます。多分牧野さんが話されていた事だと思います。

「他責NGで捉えられる範囲が、その人の能力の範囲だよ。」

他責にした途端、解決のために重要な事が自分からはなれ、他の誰かのコントロール化に入ってしまいます。その状態になったらその案件の成果を自分でコントロールする事はできません。その瞬間に、その仕事がその人の範囲を超えてしまいます。他責するかどうかの壁がまさにその人の能力の壁になっているようにみえます。

能力を広げたかったら、他責にしたい気持ちをおさえて自分でできることを探してみてください。他責NGの幅を広げる事は非常に辛いことなのですが、それによってできる仕事の幅は絶対に広がります。


ということで、牧野さんの件で感慨深くなり、いろいろとつらつら書いてきてしまいました。意図せず決めつけで書いてしてしまい気を悪くするような所があるかもしれませんがご容赦いただけると幸いです。

最後にまとめると、どこまでを自分事と捉え解決にあたれるかが仕事で成果を出すうえでは非常に重要です。他責NGについて、頭の片隅でもいいですが覚えておいていただいて、どこかで実践してもらえると嬉しいです。

林 詩音|取締役 CMO
新卒でワークスアプリケーションズにエンジニアとして入社。医療機器のネット販売事業を立ち上げ、3年で年商3億円程に拡大。
2015年11月、スマートキャンプに入社。PMとしてBOXIL経由のリード数を100倍に伸ばし、新規事業ではWEBマーケティングで単独3000万円程の売上貢献。月間300万PVのWebメディアを約半年間で月間1100万PVへ拡大するなど、グロース施策を推進。

求人情報



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?