組織体制及びインサイドセールスのマネジメント戦略について【パネルディスカッション前編】

SaaS比較サイト「ボクシル」を運営するスマートキャンプは5月21日、「第1回ボクシルユーザー会」を開催しました。ボクシルユーザー様とのパネルディスカッションの様子を前半・後半に分けてお送りします。前編として、マネーフォワードの成末さん、弁護士ドットコムの平さん、スマートキャンプCOOの阿部の3名で、インサイドセールスの組織、マネジメントについてお話しいただきました。
組織体制及びインサイドセールスのマネジメント戦略について【パネルディスカッション前編】

登壇者・モデレーターについて

現在の組織体制について

阿部:Sli.do(会場からの質問を匿名で集められるサービス)を利用しながら進めるので、ガンガンいいねいただきたいです。まず前段として、どんな体制でマーケティングからカスタマーサクセスまで組まれているのかというところを伺いたいなと思います。

成末氏:組織体制についてですが、私が所属する本部自体が立ち上げてまもない部門です。立ち上げ前は色々な部署のメンバーで集まってやっていたのですが、ビジネスが伸びてきた約一年半前、正式に本部としてスタートしました。人も徐々に増えてきました。その中で結構伝統的なセールス&マーケティングでリードジェンしてナーチャリングして、インサイドが電話して、フィールドセールスに渡して、受注してカスタマーサクセスが導入し直して、オンラインサポートチームがサポートする、、そんな体制でやっています。

平氏:弊社ですと、体制としてはMFさんと一緒のような形で、元々自分を入れて2名の営業マンで全てやる、という形だったところから発展して、インサイドセールスとフィールドセールスに分かれて、現在は更に細分化してSDR、BDRに分け、アポイントを取る部隊、オンラインセールス、フィールドセールス、クロージング部隊の4チームでやっています。

インサイドセールス立ち上げ期

阿部:体制の立ち上げ期の話に移りたいと思うのですが、インサイドとフィールドに分けたというお話を頂いたと思いますが、どういうきっかけで分けるようになったのでしょうか?

平氏:そもそも目標に対して何が上手くいって、上手くいっていないのかよくわからない状態になり、各人が頑張っている色々な活動の中で、何を良くすればいいんだっけ?というのがどうしても見えにくくなってしまったんですね。それをアポ取りに集中させる、クロージングに集中させる、というよくあるところではあるんですけが、そこを個人の目標含めてちゃんと紐づかせることで結果として事業計画の達成に紐づいたというような形になっています。

阿部:KPI管理という観点で進めていったという事でしょうか?

平:そうですね。KPIと個人のモチベーションもそこに紐付かせたという形ですね。「自分これ頑張っているのに」と各々が感じる基準が異なるので、そこを会社の評価軸に合わせて、結果としてチーム分けした時に見える化されたという形ですね。

阿部:ありがとうございます。成末さんは最初マーケから始められてたそうですね。

成末氏:まだなにもない状態で、何からやろうという感じでした。リードも何も無かったしどうしようみたいな感じです。

阿部:サービス立ち上げの時に?

成末氏:プロダクトはすでにローンチしていたんですけど、まだベータ版のようなものでした。展示会を多少やっていたんですが、過去にどこ経由で発生したものか良く分からないリードが少しだけ転がっていて、さあ何からやろう?みたいな。特定の職種を採用して集めたというより、色々な部署に配属された人たちが自然発生的に集まって。当時はコンサルやっている人間がインサイドセールスもやっていたりとか、本当にめちゃくちゃだったと思います。その中で自分たちなりの守備範囲を見出しならが少しずつビジネスを大きくしていった、というような感じでしたね。

阿部:最初からインサイドセールスの部門を作ったという訳ではなく、マーケティングとフィールドセールスだけだったという感じでしょうか?

成末:そうですね。当時は何も無かったですね。とにかくリードを集めないと話にならないということでリードを集めて、ある程度数は取れて来たのでインサイドセールスが機能として出来て、だんだん組織として大きくなってきました。今まで僕がマーケを1人でやって、インサイド1人という体制で全て完結していました。そこからメンバーも増えて、だんだん組織らしくなってきたので、じゃあどういう役割分担でどういう風にやっていこうか、という基準を作りました。その他にも、フィールドセールスにリードを渡す時にどういう受け渡し方をするとビジネス成果に繋がるのか、というのは結構細かくディスカッションしました。このように、少しずつ組織を作っていったという感じですね。

まず強化すべきはマーケティングと営業どちら?

阿部:なるほど。では、マーケティングとフィールドセールスってどちらの方が先に強化していくべきなのか、というところを伺いたいのですが、どうでしょう?

成末氏:僕はマーケターなのでマーケ派ですが、前職はエンタープライズ向けの商材を提供していたので、そうするとアカウント営業でゴリゴリ営業入って行って、商談を作っていったほうがビジネス効率が良かったなと思っています。
今いる領域は、SMB向けの商材なので、そうするとマーケティングパワーを活かしやすいかなと思ってやっていたりしますね。

阿部:なるほど、ターゲットの規模によって分かれる?

成末氏:そうだと思っています。

阿部:平さんはどうですか?

平氏:弊社の場合は今の人数規模では営業のほうが多いのですが、予算規模で見るとマーケのほうが現状は多いですね。

阿部:それは御社のターゲットがマーケティングで取りやすい属性だから、という事になりますか?

平氏:そうですね。我々の扱っているサービスが電子契約サービスという特に業種業界に縛るサービスなのではなく、まずどこをターゲットとしていったらいいのかまだ良くわからない、というところからスタートした事もあり、まず受注率や商談化率が高いところはどこだろうか、というのを探すところからスタートしていきました。

阿部:なるほど、じゃあ結構マーケティングから入っていくというパターンですね。

平氏:そうですね。最初のタイミングからちゃんと営業部隊との連携というのを意識していまして、何をしたかによって、どういったお客さんが取れたというところは密にコミュニケーション取るようにはしていました。

インサイド立ち上げ期の苦労や工夫点

阿部:それでは、インサイドセールスの立ち上げで工夫したというか、苦労した点があれば伺いたいのですが。

成末氏:最初の頃は、野武士みたいな人が沢山いたので個の力で突破する、みたいな感じだったのですが、だんだん人が増えて組織として形になっていくに従って課題が変わっていき、組織としてどう標準化するか、どうルール化するか、どう役割分担するか、というところに生まれ変わる瞬間は結構大変でした。

前までは1対1で済んでいたのがN対Nの世界に変わっていったので、部署間の連携を根本的に色々変えなくてはいけないし、結構ワイルドにやっていたところから整えていかないと、新しく入ってきた人とかは良くわからないですし、そういうところですかね。

阿部:ルール整備というところですね。リードソースごとに対応の仕方とかも変えたりされてるんですか?

成末氏:そうですね。セールスフォースで全部管理していて結構細かく数字で見ています。

阿部:なるほど。ボクシルの対応ルールみたいなところでいくと?

成末氏:出来るだけ早く入ってきたリードに対してアクションをする、ですね。
僕が入社する前に今のうちの事業部長がボクシルさんの事を知っていて、ちょうど隣のビルだったのですぐ提案に来ていただいて。その時に結構深い提案をその場でしてくれたりしたので、一緒に伴走いただいて思考錯誤させてもらうということを凄いスピーディーにやらせて貰えた、というのが大きかったかなと思います。

阿部:なるほど、ありがとうございます。平さんはインサイド立ち上げ期の苦しんだところなど、どうでしょうか?

平氏:立ち上げの時は色々と試行錯誤をしながらやっていたので、わちゃわちゃする中での楽しみがあり、実はそこまで苦労はしませんでした。ある程度仕組みが出来上がってからのモチベーションコントロールのほうが難しかったなと思っています。

阿部:モチベーションコントロールとはどういうことでしょうか?

平氏:リードにいかに早く対応して、商談化するという結構ルーティン化されやすい職種かなと思うので、そこに対してあなたが今やっている仕事はこれだけ結果につながっているんだよ、というのを一人一人のメンバーにちゃんと理解してもらわないと飽きちゃうんですよね。僕も野武士スタイルなので新しいことやりたいという感覚になるんですが、インサイドセールスに向き合っているメンバーには、自分の動きがどうやってお客さんに繋がって、その後こんな感じで使えるようになったよ、みたいなところをちゃんとフィードバックしてあげたり、メンバーが商談化させたお客さんがこの事業部にとってどういう影響を与えたか、という事をちゃんと分かるようにしてあげています。

阿部:フィードバックや目的の明確化というところですね。

平氏:モチベーションコントロールというのは凄く重要視しています。「ザ・モデル」の形に添わせていくと縦割りになってしまい、ヨコ軸との連携も薄れがちになることがあるので、その中で全体感として一人一人がモチベーション高くかつ事業を伸ばせるために何ができるのか、というのを考えられるようには意識していましたね。

インサイドセールスに充てる人材について

阿部:なるほど。では、インサイドセールスにはどういった人材をアサインしていますか?

平氏:今は比較的若手が集まっていますね。色々なものを試したいという意欲を持った人が結果的に集まったという感じです。

阿部:この間セールスフォースさんのデータでインサイドセールスを知っている会社(人)は3割くらいしか居なくて、導入している会社はその中で10%くらいしかないというデータを見たのですが、やはりインサイドセールスも創世記だからこそ、色々な定義が出てくる中、突発的で柔軟な対応をしないといけないという、そこのチャレンジャー精神みたいなところは結構必要と私も思ってます。

平氏:そうですね。最近入ったメンバーだと、フルート奏者でうなぎパイの会社に勤めていました。面白いじゃないかって。色々な背景がある中から何故そこに行こうと思ったかという意思を感じられて、試行錯誤した上で今決断しているんだ、ということが見える人を結構採用していたりします。 

阿部:なるほど、ありがとうございます。マネーフォワードさんはどんな人がインサイドセールスをやられていますか?

成末氏:うちは3つ基準を作っています。
1つ目は、「チームワークを大事にできる人、他人に対してリスペクトをちゃんとできる人」というのは特に大事にしています。社内でのフィールドセールスとの連携はもちろん、結構な数のパートナーさんともお付き合いがあります。それぞれと協業していかなければいけない仕事なので、がっつり架電だけしていくというよりはマネジメントしていくタイプの人がいいですね。色々な人と関わりながらビジネスを作っていくので、そこできちんとコラボレーションできる人というか、黙々と1人で完結する人よりも協力できる人や、お互いの私見を共有しあえる人。ディスカッションがフラットにできるとか、相手を尊重できるところが結構求められるかなと思っています。

2つ目が好奇心のある方ですね。インサイドは基本的に言葉と言葉のやり取りなので、その言葉の背景を想像する力とか、相手がどうしてそういうことを言っているのか、という興味みたいなものが無いと薄いヒアリングになってしまうため、そこも求められるかなと思います。

3つ目は僕は「曖昧力」と呼んでいます。フィールドセールスと違ってマーケもインサイドもそうなのですが、成果までの中間指標じゃないですか。セールスフォースさんなどは売り上げの貢献金額など、そういった人事評価を取られていると思うのですが、うちはそこまでまだ成熟していないのでもう少し手前の中間指標で評価しています。その時マーケもそうなんですが、リードを沢山取ってもビジネスに貢献していないと全然意味が無いので、自分の成果と事業貢献尺度とをうまくバランスさせられる、ちゃんと調整できる人でないと難しいのかなと思います。

インサイドセールスの評価指標について

阿部:ちなみにそういう事業成長という意味合いでいくと、最終的な売り上げもインサイドセールス側の評価指標として見ていますか?

成末氏:言える範囲で言うと、最後はROIでしか見ていないので、リード数はそこまで重要視していないですね。

阿部:なるほど。

成末氏:それから、フィールドセールスの人たちと気をつけているのは、「リード」という言葉を主語にしないように気をつけていています。営業からしたら別にリードが欲しいわけではないので、そこの主語を絶対にずらさないように気をつけていますね。

阿部:事業成長というところをちゃんと意識するということ?

成末氏:ちゃんと成長していますか?という前提で会話をしないといけない。もちろんKPIリード件数というのはありますが、その観点だけでは絶対にうまくいかないとわかっているので。

阿部:ありがとうございます。平さんはどうですか?インサイドの評価指標について。

平氏:クラウドサインだと、OKRを実施していますね。基本的に事業計画上の売り上げに対してブレイクダウンしていきます。SDR、BDRが課されている目標は何だろう、そこを達成してかつフィールドセールスとSDR、BDRが達成したら事業計画が達成できる、という構造に落とし込んだ上で設定しています。

阿部:では追うのは最終的には事業数字だけど、個人が持っているKPIはブレイクダウンしたところということですね?

平氏:そうですね。結構シンプルな積み上げになっています。また、言葉とかキーワードは大事にしていて、例えば受注数を追っているところだと、「目指せイチローの打率超え」みたいな。プレッシャー与えないといけないような時でもちょっと和むような、そういう事は意識しています。

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以上が【前編:各社の組織体制やインサイドセールスのマネジメント戦略について】でした。
次回は会場からの質問に対するアンサーとして、【後編:リードマネジメント戦略について】をご紹介します。

後編はこちら

リードマネジメント戦略について〜会場からの質問に対するAnswer〜【パネルディスカッション後編】 | TORCH
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