【Donuts様登壇事例】テレビCMからオンライン広告まで、契約ベースで採算を合わせるマーケティングの方法論

SaaS比較サイト「ボクシル」を運営するスマートキャンプは12月10日、「第4回ボクシルユーザー会」を開催しました。今回はDonutsが運営する勤怠管理システムをはじめとしたSaaS「ジョブカン」のマーケティング責任者である蛸島さんにマーケティングの方法を語っていただきました。
【Donuts様登壇事例】テレビCMからオンライン広告まで、契約ベースで採算を合わせるマーケティングの方法論

登壇者について

Donutsとは

「Donuts(ドーナツ)」はWebサービスやソーシャルゲームをメインに、世の中の時流を変えるプロダクトを生み出すことをミッションにしている会社です。SaaS事業ではバックオフィス関連の勤怠管理、労務管理、給与計算、採用管理などのサービスを提供しています。

体制変革概論

入社時(3年前)の組織体制と課題

まず、私が入社する前から現在に至るまで、体制の変革についてお話をしたいと思います。

3年前の組織体制としては、いわゆる中小企業の営業体制みたいなイメージでした。営業がセールスフォースのリード情報に架電し、顧客の進捗管理をメモに残すことはできていましたが、その後の契約管理はスプレットシートで行っていました。

THE MODELのような分業体制がないだけでなく、顧客情報は一元管理されておらず、1回目のアプローチで成約に至らなかったリードは全部アプローチリストから外しているような状態でした。

集客から請求まで、全ての情報をSFDCで一元管理

その後変わった部分を一言でいうと「集客から売上が立つまでの全ての情報をセールスフォースに入れ込むようにしたこと」です。

このスライドで特筆してお伝えしたいのは3つ目のところです。アドエビスを使用することで「どんなキーワードやメディアから流入して」「どういう探索プロセスを経て」「Webでどういう行動をしてきたか」といった集客データをセールスフォースと連携して情報管理できるようにしました。

FORCASは企業情報をリッチにして顧客の分類を正確に行うために使っています。

ROIベースで思考する組織体制

現状はこのような体制に変わってきています。ABMの一環としてリード管理やリサイクルができるようになり、導入コンサルのチームもできました。

情報がセールスフォースに一元管理されることで分析が容易になり、より質の高いリードを生み出していく仕組みが整いました。
また、共通言語ができたので、マーケティングとセールス、マーケティングとコンサルなど、チームの垣根を超えて議論を交わせる体制になってきています。

体制変革各論

オンライン施策の製品比較・資料請求サイト

続いて、オンラインのマーケティング施策についてお話します。

オンライン施策としては、ボクシルや、ITトレンドなど製品比較サイトをはじめ、約20媒体に出稿していました。ただ、私の入社時はCPAの基準値を下回っていさえいればどこにでも出稿するという状態で、契約や売上の観点で精査はしていませんでした。
ここもリードと契約情報を連携することで、実際どれくらいの割合で契約に至っているかや、売上単価などが可視化できるようになっていきました。

1年半ほど前に、一定期間以内で回収が見込めるかどうかという観点で全チャネルを精査して、出稿先として残ったのが右側にあるものです。

オンライン施策のWeb・SNS広告


 
また、SEMの領域では自社のWebサイト経由のリードっていいよねくらいの粒度感で、資料請求より無料お試しのリードがたくさん欲しいとか、CPA2万までならお金を使っていいよみたいな感じで、アロケーションの視点がありませんでした

これって結構危ういなと思っていて、私の仮説だと指名ワード、例えば「ジョブカン」と検索してくれるお客様と、「勤怠管理システム」などカテゴリ名で検索してくれるお客様は質が違うなと思っていて、そこを分析する目的もありアドエビスを導入しました。
今は、指名ワード等の広告グループ単位で契約率やROASを見ています。〇〇系のワードは契約まで至らないので、予算カットするみたいなことをデータを溜めながら行っています。半年間くらいデータためてわかったことなのですが、指名検索は契約率も売上も高い。ただディスプレイやSNS広告はそこまで契約に寄与していませんでした。

間接効果もあるのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、ジョブカンの場合は初回接触から1週間以内のコンバージョン率が88%で、このうちのほとんどが1日以内なので、基本的にはラストクリックで評価しています。

例外として、指名検索に寄与する形に限り間接効果は認めていいという観点で見ていますが、そこへの間接効果として一番多いのは結局指名検索でした。これはオフラインの口コミやTVCM・Youtubeなどの認知施策がキーになるので、今はそこに注力しています。
   

オンライン施策のSEO・Webサイト

オンライン施策のSEO・Webサイトについては、広報との連動という観点で1つお話します。広報活動が実際どれくらいリードに効いてくるんだろうみたいな疑問ってありますよね。この点を分析したところ、メディアの掲載数がオーガニックの検索数とコンバージョン数に影響を与えることがわかりました。

Webメディアに掲載されると被リンクが増え、Webサイトの検索表示順位が上がります。おそらく日経のような紙面に載ることもWebサイトの信用度を上げることに繋がり、検索表示順位に影響を与えると思っています。メディアに掲載されれば、だいたい5件リードが増えるイメージで捉えているので、広報にお金をかける際もROIを意識した意思決定ができています。去年1年間は広報に力を入れたので、その結果自然検索のリードも200件くらい増えています。

オフライン施策の展示会・イベント

次はオフラインの領域について説明します。オフライン施策は今まで色々やりましたが、効果が悪いものが多く、今はHR系の展示会に大阪と東京だけ出展していて、契約率も10%程度と高いです。その他のイベントも試してみましたが、契約率が低く投資回収できないので、全部止めています。

その代わりに最近行っているのはFORCASを活用したABMの一環としてのリードリサイクルセミナーです。ターゲットに対してセミナーを開催することで契約確度高いが非常に高いです。

CM施策

最後にCMについてお話します。この施策はオンラインの指名検索を増加させることにも関係します。

CMは2019年からラクスルのサポートのもと始めました。テレビCMに関しては最初新潟県で試験的に実施して、クリエイティブを2パターン放映して効果検証をしました。このとき効果の良かったクリエイティブの方はリード数が1.8倍になり契約数も2倍になったので、相当効果はあったと思います。

次は関西・中京等のエリアで放映し、シュミレーション通りリードが1.6倍近く増えました。関東は来年2月を予定しています。

タクシー広告もやっていますが、リード増加にはあまり効果がないと思っています。結局タクシーは決裁層に効率良くリーチするチャネルなので、じわじわ契約率のところに効いてくるんじゃないかなと思っています。

まとめ

ジョブカンの蛸島さんは数年かけて組織体制の変革とマーケティング施策を実施し、ジョブカンを成長させる土台を作ってこられました。BtoBマーケティングについての情報を赤裸々に語っていただきましたので、ぜひ参考にしてください。

人気の記事