PBXの関連情報

どうやってPBXを選べばいいの?

PBXを選定するために、まず必要な要件を洗い出す必要があります。その後比較表でサービスを絞り込んで、試験的に導入する流れがおすすめです。具体的な比較方法は、こちらの記事にまとめています。

PBXとは

PBX(Private Branches Exchanger)とは電話交換機のことで、内線同士を接続したり、外線との取り次ぎをしたりするのが役割です。社内の電話機をまとめて管理し、効率的に使うための装置として広く導入されています。

その歴史は非常に長く、最も初期のタイプは1900年代の初頭に登場したとされています。1950年代まではアナログのPBXでしたが、1980年代にデジタルPBXが使われ始め、2000年代に入ってからはインターネット回線を利用したIP-PBXが誕生しました。

さらに、2010年代からはPBXの機能をクラウドで運用するタイプが主流となり、より低コストで電話機能を利用できる時代に入っています。

現在、PBXは電話回線を利用した従来型のPBX(レガシーPBX)と、インターネット回線を利用したIP-PBX、さらにPBXの機能をクラウド環境に設置し、インターネット回線を利用するクラウドPBXに分類されるのが一般的です。

PBXはなぜ必要か?

PBXは複数の電話機の接続に欠かせない装置です。PBXがない場合、社内で複数の電話機を使用する際に、それぞれの端末が逐一外部の基地局に接続されるので、内線通話でも料金がかかってしまいます。

一方、オフィス内にPBXを設置して各端末とつないでおけば、外線の発着信の振り分けに加えて、内線同士の直接通話を実現できます。

PBXを介した内線通話は外線には接続されないので、通話料金はかかりません。さらに専用回線で拠点同士をつなげば、遠隔地でも無料での内線通話が可能です。

社内に一台しか電話機がない場合は必要ありませんが、内線通話を含めて複数の電話機を使い分ける場合は、PBXの導入が必要となります。ただし、クラウドPBXは提供会社のサーバー上に交換機を設置するタイプなので、利用契約をするだけで各端末から通話ができるようになります。

PBXを導入するメリット

【電話業務の効率化とコストの削減が可能】

PBXを導入することで、代表番号にかかってきた電話をどの端末からも受けられるようになります。

逆に、PBXに社内の回線をまとめることで、それぞれの端末から自由に外線に転送が可能です。PBXがない環境を考えると、圧倒的に電話業務が効率化できるのがわかるでしょう。

さらに、内線通話が無料になるのでコストの削減につながります。大規模なオフィスで多人数が電話機を使う状況ほど、PBXの恩恵を受けられるでしょう。社内の部門同士でスムーズかつ無料で内線通話ができる環境にすれば、企業全体の業務効率化ともに、大幅なコストの削減を実現できます。

【複数の拠点で内線通話ができる】

物理的に離れた拠点同士で通話ができるのも、PBXの特徴です。別の階にある電話端末はもちろん、遠隔地にあるオフィスに接続して内線通話ができるようになります。

たとえば、東京と北海道・沖縄など、かなり離れた場所にある拠点や支店であっても、内線として無料で通話できるのは大きなメリットといえるでしょう。

【カスタマイズ性が高く運用の幅が広い】

上記のように、PBXには従来の電話回線を使用するレガシーPBXに加えて、IP-PBXやクラウドPBXがあります。IP-PBXとクラウドPBXはインターネット回線を通じて通話ができるため、カスタマイズ性が高いのがメリットです。

たとえば、パソコンと電話機を連動させることで、着信先の情報をパソコン画面に表示するCTI機能を追加できます。コールセンターや顧客サポート業務の運営には欠かせない機能です。スマートフォンに着信を転送できるようにすれば、オフィスに担当者がいなくても顧客対応が可能になります。

特にクラウドPBXは導入・運用がとてもスムーズで、社内にLAN環境が整備されていれば、契約後すぐに利用できます。面倒な配線工事をする必要がありません。

初期費用も安く、スマートフォンを社用電話として利用するならば、固定電話機も導入不要です。

PBXのデメリット

【レガシーPBXのデメリット】

レガシーPBXは専用機器を社内に設置する必要があるため、その場所を確保しなければならない点がデメリットです。

それぞれの端末を有線接続する必要があるので、電話線の設置に手間がかかります。端末数が多くなればなるほど、取り回しに時間がかかってしまうでしょう。

特に、社内の配置換えやオフィスの移転が決まった場合などは、PBXと各端末の移動・再設置にかなりの手間を要するはずです。

【IP-PBXやクラウドPBXのデメリット】

IP-PBXとクラウドPBXは、いずれもインターネット回線を利用しているので、回線障害が発生した場合に通話に支障が出てしまいます。

通話音質も環境に依存するため、オフィスからの通話はクリアに聞こえるものの、出先からスマートフォンを使って通話する場合、音質が落ちてしまう場合もあるでしょう。

また、他のクラウドサービス同様、セキュリティは提供会社の運用体制に依存しており、提供側に何らかの問題やトラブルが発生した場合、通話ができなくなる可能性があります。常に外部からのクラッキングのリスクがある点も、忘れてはいけません。

なお、クラウドPBXは、いわゆる緊急通報の「110」や「119」などにかけられない場合もあるので、緊急時には注意が必要です。

PBXの比較ポイント

【回線容量や機能性は問題ないか?】
PBXは接続できる回線容量や内線の数、あるいは機能によって価格がかなり変わってきます。

まずは導入規模を確認し、どれぐらいの接続数を確保すべきか明らかにしましょう。さまざまな要素を比較して、もっともコストパフォーマンスが高いサービスや料金プランを選ぶことが大事です。

特に、将来多くの社員を採用する予定がある場合は、それに対応できる回線数を確保しておかなければいけません。

【レガシーPBXかIP-PBX、あるいはクラウドPBXか?】

レガシーPBXとIP-PBX、クラウドPBXはそれぞれ特徴が異なります。レガシーPBXはインターネット回線を使用しないため、拡張性は劣るものの、セキュリティに優れています。

一方、IP-PBXやクラウドPBXは拡張性とカスタマイズ性に優れており、他のシステムとの連携も可能です。特に低価格で導入したいならば、クラウドPBXを選ぶとよいでしょう。

いずれもメリット・デメリットがあるので、自社の環境に照らしてどのタイプを導入すべきか検討しましょう。

PBXの導入に失敗しない方法は?成功するためのポイント

PBXを本格的に導入する前に、利用シーンを具体的に想定しましょう。利用人数と接続する端末数、運用体制、どういった機能が必要かなどを洗い出し、できるだけ詳細に導入計画を立てることが重要です。

レガシーPBXを導入する場合、専用機器を社内に設置する必要があるため、場所の確保と各電話端末への配線を考えなければいけません。接続する台数が多ければ、それだけ回線が複雑になるので、十分な導入期間を設ける必要があります。

一方、インターネット回線を利用するIP-PBXやクラウドPBXの場合、社内のパソコン端末から電話を利用するケースが多いはずです。すでに社内にLAN回線が整備されているならば、レガシーPBXほど導入に時間はかからないでしょう。

ただし、多人数での同時通話で音質が低下する場合もあるので、高負荷にも耐えられる通信環境を用意しなければいけません。環境によっては、電話番号の変更が求められるケースもあります。
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