Zoho CRM導入事例 入力工数10分の1以下、月間400時間の削減に コストパフォーマンスと連携性が決め手


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CRM導入前は入力だけで1分固まる…。データ活用もされずスプレッドシート管理が限界に
―――CRM導入前は、どのように顧客管理をされていたのでしょうか?
導入前は何もツールを使わず、スプレッドシートで管理していました。担当者名、取引履歴、業種、資本金の金額、住所、窓口担当者など、かなり詳細な情報まで管理しようとしていました。
―――スプレッドシートでの管理には、どのような課題がありましたか?
まず、ファイルが非常に重くなっていました。履歴を違うシートに入力するようにしても動作が非常に緩慢で、入力すること自体にストレスを感じていました。 また、一番の問題は、入力したデータが実際には誰も使っていなかったことです。入力しても何もアウトプットとして出ないため、不満が溜まっていました。
―――動作が重いことで、業務にはどの程度の影響が出ていたのですか?
ほぼ毎日、一つの項目を入力しようとすると画面が固まってしまい、1分程度入力できないことがありました。営業メンバーは1日に10件から20件ほど入力していましたから、入力することを非常にストレスと感じていました。 他にも、誰かが勝手に数式を消してしまい、関数にエラーが生じるという問題もありました。
―――エラーが発生した際の対応も大変だったのではないでしょうか?
システム担当に連携して復旧してもらっていましたが、依頼してから1時間ほどかかっていました。もちろん、その間は内容が入力できません。 仕方なくテキストとして業務内容を入力・管理し、復旧後にそれを転記する作業が「だいぶ面倒くさいな」と思っていました。
経理などバックオフィス側にも影響が出ていたと聞いています。
「CRM経験者」だからこそ即断。決め手はSalesforceの半額以下で実現する「圧倒的なコストパフォーマンスと連携性」
―――そうした課題があり、CRM導入を検討し始めたのですね。
はい。私自身が前職でCRMの導入コンサルティングに従事していた経験があったため、当時の課題を見てすぐに「CRMを導入すべきだ」と進言しました。 理由は、顧客管理の煩雑さ、入力工数の多さの解消、そして何より「入力したデータを活用する」ということをCRMで解決したいと思ったためです。
現状のスプレッドシート管理では、履歴入力に1分以上かかっていたのに対し、CRMなら数秒から十秒程度で完了します。この乖離に、現場で働いていた私個人として非常に大きなストレスを感じており、一刻も早くCRMを使いたいと思っていました。
―――CRM導入検討時に比較検討はされましたか?
はい。Salesforce、kintone、HubSpot、そして今回導入したZoho CRMの4社で比較検討しました。
―――最終的に「Zoho CRM」を選んだ決め手を教えてください。
重視したのは、コストパフォーマンスと他のツールとの連携の充実さです。 一人当たりのライセンスが月額4,800円というのは、圧倒的な安さでした。
例えばSalesforceだと1万3千円から4万円ほどします。kintoneも安かったのですが、その分、機能が自分たちの要件に合わず、導入が大変そうだと感じ断念しました。
―――連携の充実さという点では、いかがでしたか?
Google Workspace(Gmailやスケジュール)やSlackといった、すでに使っていたツールとの連携が非常に簡単にできたのが素晴らしかったです。
例えば、Gmailを自動的に取り込んでくれたり、スケジュールが自動連携されたりするのは非常に便利です。また、Zohoフォームなど、Zoho自体のツールとの連携性も高く、フォームから入力された情報を自動的に取り込めるあたりは非常に強いと感じました。
―――導入にあたって妥協した点はありましたか?
そこはあまりないかなと思っています。強いて言えば、UI(画面デザイン)がもっと日本語に最適化されていると良いなとは思いましたが、Zoho CRMはデザインのレイアウトを変更する機能がかなり強いので、現状は特にこだわっていません。
入力工数10分の1、月間400時間(80万円相当)の削減達成!データがリアルタイムに連携・可視化される環境へ。
―――Zoho CRMの導入後、業務はどのように変わりましたか?
圧倒的に顧客の情報入力についての工数が削減されました。数値だけで言いますと、おそらく10分の1以下には削減できたと思っています。
―――10分の1以下ですか!具体的にはどのくらい変わったのでしょうか?
導入前は1件あたり10分程度かかっていた入力工数が、現在だと1分以下まで下がっています。 Zoho CRM eSMでは全タブからデータを一括で検索する機能があり、簡単に検索できます。その上で、一つのボタンを押せば履歴が入力できるような機能を作ることもできるので、そういうところが非常に楽になりました。
―――データ活用や情報共有の面での効果はいかがですか?
以前はスプレッドシートだったため、商談後に見込みとして管理していたお客様への後追いがしきれていませんでしたが、そうした管理ができるようになったのは大きいです。 入力したデータが蓄積されていくことによって、リアルタイムで表示できるグラフなども作成できるようになりました。
情報共有についても、Slackの方に自動的に対応履歴の内容を連携するということも可能なので、Slack内でリアルタイムに状況を確認できて非常に良いと思っています。
―――コスト削減(ROI)についてはいかがですか?月額費用に見合う効果はありましたか?
月額費用は営業20名ほどで約10万円ですが、効果は「めちゃくちゃ見合ってます」。
単純に入力工数が10分の1になったところもそうですが、入力やアウトプットの確認作業なども含めると、1人あたり月20時間ほどの工数削減になっています。それが20名いますから、合計で月400時間の削減です。仮に時給を2,000円だとすると、それだけで月80万円相当のコスト削減になったかと思います。
「毎日2週間の説明会」と「徹底した役割分担」で定着化。評価は10点満点、次は「AI連携」に期待。
―――新しいツールの導入となると、社内の定着は大変ではありませんでしたか?
はい。ユーザーからは「見慣れない画面なので入力方法が分からない」という声が圧倒的に多かったです。
例えば、「対応履歴」というタブと「活動」というタブの違いが分からない、どのタイミングでどちらに入力するのか分からない、といった声がありました。 特にマネージャー陣はデジタル的なところが弱い方もいるので、そういうところを理解してもらうための説明は難しかったと覚えています。
―――どのようにして定着を進めたのでしょうか?
まず私の方でマニュアルを作成し、毎日説明会を2週間ほど行いました。その際には「誰がどの状態の時に何を入力するのか」というところをきちんと定義付けし、スライドに落とし込みました。 その後は、営業事務の方に「毎日ちゃんと入力ができているか」「入力漏れがないのか」を徹底的にチェイスしてもらいました。
―――フォロー体制をしっかり組まれたのですね。
フォロー体制としては、役割を分担しました。私の方で「何か困りごとがあったらシステム改修や画面改修を行う」担当になり、もう一人の営業事務の子が「毎日日次でリマインド、タスク漏れ・入力漏れを管理する」担当になりました。 そのように役割を分担して、徹底的に入力するという役割をつけたのが良かった点です。
―――最後に、Zoho CRM eSMの総合評価と、今後の期待を教えてください。
評価は10点満点です。この価格帯でこの機能の高さ、連携性の高さは信じられないです。 今後CRMをさらに活用したいこととしては、AIとの連携です。どうしても今、面談した履歴の入力に時間がかかってしまっているので、例えば音声データをCRMに投入すると、勝手に各項目に内容が入力される、といった機能が欲しいと期待しています。
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