「報連相はビジネスの基本」と研修で教えられた経験のある人もいることでしょう。一人で抱え込んでも解決しないことをいつまでも報告しないでいると、業務が滞る原因となります。報連相について紹介します。
報連相とは?
報連相は、「報告」、「連絡」、「相談」の略です。報告は、すでに完了したことや途中経過などについて知らせることで、部下から上司へ行うパターンが多く見られます。連絡は、仕事の関係者に必要な情報を知らせること。相談は、判断に迷ったときに他者からアドバイスをもらうことです。
報連相の目的
良い報連相を行うためには、目的を明確に理解することが役立ちます。業務をスムーズに行えるようにする、業務の無駄をなくす、取引先や顧客からのクレームを減らすなどが目的として考えられるでしょう。目的を理解すると、悪い報告ほど迅速さが大切となることも実感できます。
また、なぜ必要なのかを理解することで、曖昧な表現の使用がふさわしくないことにも気が付きます。話す順序として、わかりやすく結論を先に話し、後の内容に入っていく方法が望ましいでしょう。
報連相の手段
報連相の手段としては、口頭やメールなどさまざまな方法が考えられます。手段を事前に指示されている場合はそれに従い、そうでない場合は、上司の立場で考えてどの手段がふさわしいか選択することが大切です。たとえば図やデータが必要であれば、用意します。
報連相のタイミングも大事
また、タイミングも大事な要素となります。上司のタイプによって、高い頻度で報告することを求められる場合とそうでない場合があるため、臨機応変に対応できると良いでしょう。わからないときは、自分で勝手に基準を作るようなことを避け、事前に上司に確認しておくと安心です。
上司の立場として考えておくべきこと
「報連相は部下の義務の問題」と考えられることが多く見られますが、スムーズに報連相ができる環境を、会社や上司が整えておくことも大切です。やってはいけないこととして、「とにかく報連相をしろ!」とやみくもに強要する行為が挙げられます。
これでは、部下が「報連相は残業を増やす無駄な時間でしかない」と思ってしまうことになります。報連相は社員間の信頼関係を作るツールにもなることを自覚し、必要性を理解するための情報を共有しましょう。
悪い報告ほどしやすい環境に
報連相で大事なのは、悪い報告ほど迅速に行える環境を作ることです。部下が悪い報告をしたときに大事なのは、上司の聞く態度です。ただ叱責するのではなく、問題対処の方法といったことについてしっかり指示することで「早く報告すると問題解決がスムーズになる」と実感できます。
部下に「報告さえすれば自分の責任ではなくなる」といった考えを植え付けてしまうことのないように気を付けながら、「悪い報告をしてもいいことはない」と思わせないように対応しましょう。
無駄な時間を作らないように
部下が「報連相をする時間があったら仕事を進めたい」と感じてしまうやり方での報連相の強制は、避けるようにしましょう。「上司である自分の責任がどうなるのか心配だから」といった考えで必要以上に細かく報告させ多くの時間をかける、あるいは無駄に口を出す、などの行為を続けると、部下の報連相の意欲を削ぐことになります。
報連相を的確にできるように心がけると、業務がスムーズに行えるようになるだけでなく、「指示待ち人間」からも脱せられます。上司に言われる前に「何を報告、連絡し、相談すべきか」を自ら判断し、積極的に行動できるためです。また、上司の立場でどうしてほしいかを考えることは、将来に向けての考え方の訓練にもなります。報連相を自分のためだけの視点で考えることなく、賢く役立てていきましょう。