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WMS(倉庫管理システム)とは | メリット・デメリットや選び方

最終更新日:(記事の情報は現在から116日前のものです)
WMS(倉庫管理システム)とは、倉庫への貨物、資材、商品の入出庫管理や在庫管理を行うシステムです。WMSでできること、失敗しない選び方から、代表的なサービス紹介までをまとめて解説。

WMS(倉庫管理システム)とは

WMSとは、Warehouse Management Systemの略で、倉庫への貨物や資材、商品の入出庫および在庫の管理をする倉庫・在庫管理システムのことです。

物流機能を保有している企業はもちろん、倉庫管理や在庫管理が必要な企業は導入を検討すべきシステムだといえます。最近はクラウドを利用したシステムも増えており、安価で導入しやすくなりつつあります。

基幹システムとの違い

基幹システムはERPのいち機能としての総称で、WMSは倉庫管理のシステムのみを指す名称です。基幹システムには、販売管理システムや在庫管理システムといったERPの機能を切り出したようなものが該当します。

在庫管理システムとの違い

WMSは在庫管理機能を含んでいますが、倉庫内の管理しか行えません。在庫管理システムでは倉庫外の在庫管理なのが一般的です。

TMSとの違い

TMSは配送管理システムのことです。出荷後の配送管理に役立つシステムなので、WMSとは管理対象が異なります。

物流管理システム比較13選 | 倉庫管理や配送管理
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WMSの種類

WMSを導入する場合、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2形態から選択可能です。これら2つの特徴について詳しく見てみましょう。

オンプレミス型

オンプレミス型とは、社内のサーバーにシステムを構築して管理する導入形態のことです。オンプレミスのメリットには次のような点があります。オンプレミスのメリットには次のような点があります。

  • システムのカスタマイズをしやすい
  • オンプレミスのサービスと連携しやすい
  • 継続的な購入がいらない

一方デメリットには、サーバーをメンテナンスするための人材や費用の確保が必要な点、適宜新しいバージョンのシステムを購入すべき点があげられます。そのためオンプレミス型は、既存のシステムとの連携にカスタマイズが必要な企業におすすめです。

クラウド型

クラウド型とは、他社のサーバーへシステムをインストールした状態でオンラインにて導入する形態をさします。クラウド型のメリットは次のとおりです。

  • サーバーの管理が不要
  • 初期費用が安い
  • 自動的にシステムをアップデート可能

他方デメリットは、継続的に費用が発生する点です。また、社内にサーバーを配置している場合は連携が難しいケースもあります。そのためクラウド型は、中小企業をはじめと小さな規模からスタートしたい企業、サーバーの管理に工数を割きたくない企業におすすめです。

WMSの選び方

WMSを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。

  • WMSの導入目的を確認する
  • WMSの機能を確認する
  • WMSを導入する際の注意点を確認する
  • WMSの料金・価格相場を確認する

WMSの導入目的を確認する

WMSの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。

導入目的 詳細
入荷予定情報の取込みを効率化したい 入荷管理機能があるWMSがおすすめ
倉庫内作業を効率化したい 棚卸管理機能があるWMSがおすすめ
誤出荷を減らしたい 帳票・ラベル発行機能を搭載しているWMSがおすすめ

WMSの機能を確認する

WMSでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。

【基本的な機能】

機能 詳細
在庫管理機能 不良在庫が発生していないか、品切れが起こりえないかを事前に確認するのに役立つ
入出荷管理機能 イレギュラーな対応によるミスを予防でき、在庫の有無によるリスクを減らせる
棚卸管理機能 システム上の在庫と実際の在庫が一致しているかを定期的に確認できる
帳票・ラベル発行機能 納品書や梱包明細書、送り状、荷札などの書類を一定の規則に沿って発行できる

【特定の課題・用途・業界に特化した機能】

機能 詳細
作業管理機能 担当者別の生産性や進捗状況を管理できる
収支・請求書管理機能 収支管理や請求書発行をできる
レポート・分析機能 倉庫の物流プロセスや在庫管理を分析して業務改善に活用できる

WMSを導入する際の注意点を確認する

WMSを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。

確認事項 詳細
業界や業種との相性 WMSの提供企業が紹介している導入事例を確認しておきましょう
外部業者や倉庫間との連携 WMSを導入した際に関係する各所との兼ね合いを考えておきましょう
サポート・セキュリティ体制 「どこまでサポートが受けられるのか」「24時間対応してくれるのか」「リモート対応してくれるのか」を確認しておきましょう
システムの拡張性 業態の変化に合わせて機能を増減できると当該システムを長く利用できる

WMSの料金・価格相場を確認する

WMSの料金は、明確な料金表を公式ホームページで公開している企業が少なく、問い合わせてによる確認が必要です。一般的にはオンプレミス型のほうが初期費用は高額になるケースが多いです。クラウド型は月額ベースで課金され、月額10,000円程度からサービスを提供しています。それぞれのメリットとデメリットを確認して使いやすいタイプを選ぶとよいでしょう。

WMSの比較

WMSの代表的なサービスを紹介します。生産管理や購買管理、販売管理などのシステムと連携することで、いっそう便利になるWMS。前述の選定ポイントと合わせて比較していきましょう。

ShipHub - RELINES株式会社

ShipHub
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ボクシルSaaSのデータを元に表示しています
提供企業様でご不明点がある方はこちら

  • BtoB、BtoCに対応したEC向け倉庫管理システム
  • 受注から発送、出荷までの管理作業を自動化
  • クラウド・オンプレミスを選択可能、個別カスタマイズにも対応

ShipHubは、最短1か月での導入が可能なWMSです。上位システムやIoT機器との連携といった個別カスタマイズに対応し、大手ECサイトの物流請負で蓄積した知見をもとに、多様な商材の管理、幅広い業態に対応できます。

入荷から保管、出荷、棚卸までを管理できるほか、受注から出荷までの管理作業や在庫データ管理を自動化可能です。基本機能はすべてWebブラウザで完結できるので、バーコード読取りといった専用端末を必要としない小規模な稼働にもおすすめです。

物流センター管理システム(ONEsLOGI/WMS)

  • 高度な物流管理機能完備で低コスト
  • 誤出荷防止をはじめ物流品質を改善できる
  • 日立物流グループのWMS

物流センター管理システム(ONEsLOGI/WMS)は日立物流グループのWMSで、倉庫や物流センターの入出荷管理、検品、在庫管理、棚卸業務、物流コスト管理を搭載。さらに、通過型物流センター(TC)対応をオプション機能として利用できます。在庫問い合わせ画面と受払問い合わせ画面がシームレスに連携し、在庫変動の確認が簡単にできます。

クラウド型在庫管理システム@wms

  • 低コストで導入
  • 徹底したトレーサビリティ管理が可能
  • 作業履歴もしっかり管理

@wmsは、クラウド型のWMSです。製品の賞味期限・ロット番号・製造日を管理。出荷後も商品を追跡できるのが特徴です。入荷検品・入庫・ピッキングの作業履歴を簡単に確認でき、急な作業報告へも対応可能。

COOOLa - 株式会社ブライセン

  • 一体型帳票でミスを軽減
  • 人員配置最適化で効率向上
  • 操作しやすい設計

COOOLaは、倉庫業者や3PL業者の業務をサポートしてくれるWMSです。納品書や後払振込票、送り状などを1枚の用紙に出力し、帳票を一体化することで、ミスの削減や業務効率化を実現できます。また、作業者ごとの生産性の算出や詳細な作業の進捗状況の把握といった、作業計画に必要な情報を提供してくれるので、的確な作業者の配置変更を行えます。複数荷主・拠点の管理、ロケーション管理、発注店管理など、各種機能を搭載しており、業務コストの削減を実現可能です。

ULTRAFIX/WMS

  • シンプルな業務フローの設定
  • 「あいまい検索」ができる便利で優れた操作性
  • リアルタイム在庫照会でスピード対応可能

ULTRAFIX/WMSは一般的な倉庫内業務のほか、入出荷実績取り消しといったイレギュラー業務にも対応可能な倉庫管理システムです。あいまい検索で入力作業を軽減できます。今ある在庫を速やかに把握し、販売機会ロスを防止。独自配送計画エンジンによる高精度な配車計画を活かした車別ピッキング・仕分け指示により、作業効率化を実現します。

INTER-STOCK

  • オンプレミス型とクラウド型から選択可能
  • 業界初のロジスティクス専用PDCツール
  • 予算に応じたカスタマイズが可能

INTER-STOCK(インターストック)は、業務用途に合わせて柔軟に拡張やカスタマイズ可能な仕様です。オンプレミス型とクラウド型の2つから選択できます。デジタルピッキングを利用したピッキングシステム、本格的BIツールを利用した在庫分析、作業分析や、iPadを利用した見える化など、オプションの機能も充実しています。

W-KEEPER

  • 充実した管理者機能
  • 生産性分析が可能
  • 3か国語対応

W-KEEPERは、倉庫業、3PL業、卸、製造業と幅広い業種に適用しています。複数拠点・複数荷主にも対応。高い汎用性により食品、アパレル、雑貨など多様な品種をカバーしています。インターネット経由での荷主への情報提供機能もあります。英語・中国語対応もしており、利用用途に応じた幅広いラインナップが特徴です。

W3 SIRIUS

  • 独自便利のユニットシステム
  • 柔軟なデータ管理、利用が可能
  • 属人化回避ができる簡単な操作機能

W3 SIRIUSは、複数拠点の在庫統合ビューや一括指示に より、オムニチャネルやToC/ToB同居倉庫に対応できるとともに 、ユニット内の個別業務が設定できる仕組みです。50種類以上ある帳票の中から最適な帳票を選択して利用できます。納品書も、固定文言の表示やロゴの設定が可能なのはもちろん、独自の帳票をカスタマイズで追加可能です。

ci.Himalayas/R2

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  • 小規模管理から大規模管理まで対応
  • 業種・業態に合わせた商品ラインナップ
  • 安心充実の運用・保守サポート

ci.Himalayas/R2は、さまざまな規模に対応可能なシステムです。出荷データが1月あたり1,000件の小中規模の顧客から1日あたり100万件規模の大規模な顧客、単独拠点の顧客から42拠点ある顧客などにも対応可能。業種・業態に合わせて、「BtoB向け」「通販物流向け」「海外拠点向け」のシステムラインナップがあります。

※出典:シーネット「クラウド型倉庫管理システム|倉庫管理/WMS 株式会社シーネット(C_Net)」(2023年11月28日閲覧)

WMSのメリット

WMSのメリットは、倉庫管理の運用がシステム化およびマニュアル化されることにあります。担当者間における差分をなくすことで、意図しない失敗を防げるようになるでしょう。

運用の最適化

WMSで入荷から検品、ピッキング、梱包、出荷までの一連の作業において、あらためて運用を見直せるのがメリットです。

システム化およびマニュアル化する際には運用の見直しが必要になるので、運用の最適化がなされるでしょう。WMSはベストプラクティスをもとに構築されているケースが多いため、システムに合わせて運用を調整するのもおすすめです。

人材の動きを把握

WMSのメリットの1つに、人材の活用を最適化できる点があります。

スタッフの作業を把握し、正しく成果を認識可能できる評価システムを構築すれば、モチベーション向上が期待できるでしょう。また、スタッフの負荷を減らしたり人材配置を見直したりするのにも適しています。

コストの透明化

WMSには、費用や工数といったコストを明示する役割もあります。

「どの作業に」「どれくらいの時間がかかっているか」を把握することで、効果的な対応策を打てるようになるでしょう。コストを最小限に抑えつつ、より期待の持てる施策を打つのに費用を捻出できます。

経営に必要な数値を算出

WMSに蓄積されていくデータは経営戦略の策定に役立てられます。

販売傾向の分析、売上の予測、必要在庫の計算などビジネスの方針を立てるのに便利なデータを算出できるでしょう。ERP(統合基幹業務システム)BIツールとの併用もおすすめです。

オンラインにて情報共有

クラウド型のWMSであれば、オンラインにて倉庫管理が可能です。

各拠点からリアルタイムで情報を共有できます。在庫確認に浪費していた手間や時間を減少させつつシームレスな連携を見込めるでしょう。

ミスを減らせる仕組み

WMSの活用により、ケアレスミスを防げます。

たとえば、人力のピッキングでは品番を誤って入力しかねません。その点WMSであれば、データ間で連携してくれるため、ミスの入る余地がなくなります。可能な限りシステムに任せることで、人間による失敗を阻止しましょう。

WMSのデメリット

WMSの導入にあたって生じるデメリットには、費用が発生する点、浸透しないリスクを抱えている点などがあります。いずれも導入時に気をつければ防げるため対処法と合わせて紹介します。

コストがかかる

WMS導入のデメリットは、それまでに発生しなかったコストが発生することです。ゼロからシステム開発する必要はないものの、システムや運用をWMSに合わせる必要があります。ただし、人材登用にかかるコストや不良在庫の低減を加味すれば利益はプラスになりえます。そのため、概算をしたうえで導入を進めるとよいでしょう。

導入しても定着しない

WMSを導入しても浸透しないケースが考えられます。コストをかけて入れたとしても使われなければ無用の長物です。対策はマニュアルを作成すること、サポートのある企業を選ぶことです。運用に対して前もって計画をしておき、さらにもしものときには相談できるよう体制を整えておくことで、リスクを減らせるでしょう。

WMSの導入事例

次は実際にWMSを導入し、どのように変化があったのかを業界別に紹介します。判断の基準として自分の会社と一番近いもの、そしてまったく関係ないものも含めてチェックしておきましょう。4つの業界を対象に事例を記載します。

流通業

月間130万件前後の出荷を、明細も含めWMSにて管理。物流・流通業界において、現在でも伝票に大丈される紙ベースでの商品の引き渡しは欠かせません。そのような業界において膨大なデータ処理をWMSにて効率化し、ミスの低減、企業間のデータ共有へ貢献しています。

導入事例:C.Net - アサヒロジスティクス株式会社

製造業

顧客が口にする食品や調味料の製造において、WMSを導入。アナログでの作業によるリスクを排除することで、効率化を図るとともに意図しない事件の発生を未然に防いでいます。

導入事例:C.Net - 株式会社Mizkan Sanmi 栃木工場

小売業

多くの拠点を抱えるコンビニエンスストアでの導入事例。Excelからの脱却により、データ連携の改善やミスの削減といった側面にて効果を発揮。規模の大きな企業だからこそシステムによる改善は大きなメリットを生み出しています。

導入事例:C.Net - 株式会社ファミリーマート

医療品業界

WMSの導入と同時に音声認識システムを取り入れることで、ピッキング時における商品の破損・作業者の負担軽減・作業の効率化を目指しています。WMSにて、人命にかかわる商品の管理をハンズフリーでできるのはメリットと言えます。

導入事例:C.Net - 鴻池運輸株式会社

WMSで在庫管理のミスを減らそう

WMSの導入により、WMSで物の動きを可視化し、在庫の管理が効率化できます。一連の物流業務の自動化や最適化ができるため、人件費のコスト削減にもつながります。

WMSを選定の際は、次のポイントに注意して選ぶようにするとよいでしょう。再度おさらいをしてみてください。

  • WMSの導入目的を確認する
  • WMSの機能を確認する
  • WMSを導入する際の注意点を確認する
  • WMSの料金・価格相場を確認する

WMSをより深く比較検討したい方は、ぜひサービス資料の請求を検討してみてください。

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