青色申告と白色申告の違いとは | あなたへのオススメを紹介

個人事業主やフリーランスの方は「青色申告」か「白色申告」のいずれかの方法で確定申告をしなければなりません。その中で様々なメリットがあり利用者が増えている青色申告と、規模の小さい事業におすすめの白色申告との違いをを解説します!
個人事業主の場合など、確定申告の幅広い情報について知りたい方はこちらの記事がおすすめです。確定申告がそもそもなんなのか、控除される額はいくらになるかなど確定申告の概要を把握できます。
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- 青色申告とは
- 青色申告の種類
- 白色申告とは
- 青色申告と白色申告の特徴表
- 青色申告のメリット7選
- 1.10万円または65万円の控除
- 2.赤字の繰越しが最大3年間
- 3.家族への給与を経費に算入
- 4.減価償却費用を一括計上
- 5.自宅がオフィスの場合、電気代や家賃の一部を経費計上
- 6.貸倒引当金
- 7.棚卸資産の評価
- 白色申告のメリット2選
- 1.事前申請が不要
- 2.記帳方法が単純
- 青色申告の4つの手順
- 1.事前申請
- 2.複式簿記・単式簿記の決定
- 3.領収書・レシートなどの整理
- 4.確定申告
- どっちの色の申告書で申請すればいいの?
- 青色申告が向いている人
- 白色申告が向いている人
- 青色申告がおすすめ!
- ボクシルとは
青色申告とは
青色申告とはいろいろな税法上のメリットを与えることで、きちんと帳簿をつけて正しく決算書を作成することを奨励する目的の制度です。個人事業主にとっても法人にとっても税法上のさまざまなメリットがあるため、平成19年の統計では98%の法人が青色申告を行っており、個人事業主やフリーランスの方でも青色申告を選択される方が年々増えています。
青色申告では、「青色申告の承認申請手続」が必ず必要となります。開業した事業者の場合、開業の日から2ヶ月以内に申請が義務付けられています。また、「複式簿記」に基づいた記帳・帳簿を作成も必須です。
青色申告の種類
青色申告は、10万円まで控除できるものと65万円まで控除できるものと、更に二種類に分けることができます。10万円控除の場合は「単式簿記」、65万円控除の場合は「複式簿記」の記帳が必要です。
白色申告とは
白色申告とは、青色申告を申請しない人が自動的に採用することになる確定申告方法です。
白色申告は、もともと面倒な帳簿づけが必要なく簡素なものでしたが、平成26年1月からは白色申告者にも帳簿への記帳と帳簿の保存が義務付けられようになりましたので、実務処理面では青色申告と大きな違いはありません。
ただし白色申告の場合、家計簿のような簡素な単式簿記のみの記帳でよく、提出する決算書も青色申告に比べると簡素なものとなります。
青色申告と白色申告の特徴表
白色申告の場合は、青色申告のように前もって税務署に白色申告をする旨の届出は必要ありません。しかし青色申告の場合には、白色申告にはない特典があります。それぞれの詳細については次項で説明します。
10万円 or 65万円の控除 | 事前申請が不要 |
赤字の繰り越し | 記帳方法が単純 |
家族の給与を経費換算 | |
減価償却費用を一括計上 | |
自宅オフィスの特典 | |
貸倒引当金 | |
棚卸資産の評価 |
青色申告のメリット7選
では、白色申告にはない青色申告のメリットの具体的な内容について説明します。
1. 10万円または65万円の控除
個人事業主の青色申告の場合、単式簿記をつける場合は10万円、複式簿記をつける場合は65万円が、収入から控除できます。所得税は、収入から経費や控除を差し引いた課税対象金額に対してかけられますから、控除額が多いほど節税につながります。
【コラム】 所得税率
青色申告の大きなメリットとして節税効果を挙げましたが、控除額や経費計上があるといっても、そもそもどれだの収入に対してどれだけの所得税を払う必要があるのでしょうか?
所得金額別の税率は以下のとおりです。青色申告にするかどうかの参考にして下さい。%の数字は、所得から経費や控除を引いた課税対象金額にかかる%となります。
195万円~330万円 ⇒ 10%
330万円~695万円 ⇒ 20%
695万円~900万円 ⇒ 23%
900万円~1,800万円 ⇒ 33%
1,800万円~4,000万円 ⇒ 40%
4,000万円以上 ⇒ 45%
2. 赤字の繰越しが最大3年間
青色申告の場合は、損失金つまり赤字分を最大3年まで繰り越すことが可能です。これは例えば初年度600万円の赤字となった場合、赤字なのでこの年度の税金は払わなくてもよい、となるだけでなく、この赤字分を翌年以降3年まで繰り越すことにより、黒字となった場合の課税対象額を減らしていくことが出来るというものです。特に起業したばかりの個人事業主にとっては、事業立ち上げ時にはいろいろな初期費用や設備投資により損失が出ることが多いので、メリットとなるでしょう。
3. 家族への給与を経費に算入
青色申告では、家族に払う給与を経費として計上できます。ただこの場合は「青色事業専従者給与に関する提出書」をあらかじめ提出しておかなければなりません。青色専業専従者給与の対象となる為の要件は、以下の通りです。
- 青色申告者と生計を一緒にする配偶者又は年齢15歳以上の親族。
- 6ヶ月以上か事業年度の半分以上、青色申告対象事業のために働いている事。
- 提出書で届出されている金額の範囲内であること。
尚白色申告の場合は、最大86万円までしか専従者控除として控除できません。
4. 減価償却費用を一括計上
白色申告の場合だと、10万円以上の資産の購入は固定資産として、国が定める耐用年数で分割して計上する減価償却が必要です。青色申告では、30万円未満の資産を購入した場合、減価償却する代わりに購入年度に経費として一括で計上できます。つまり利益が多くなりそうな時には、一括計上して経費も増やすことにより節税が出来ます。但し、年間合計300万円までという上限があります。
5. 自宅がオフィスの場合、電気代や家賃の一部を経費計上
個人事業主で自宅を仕事場にしている場合は、仕事に使用する面積に応じて家賃や光熱費の一部を経費として計上することができます。また自動車のガソリン代や修理代、インターネット料金や電話料金なども、仕事の為に使ったことが証明できれば一部経費として計上できます。尚白色申告の場合は、生活用と仕事用と分けて使っていて仕事用の割合が50%以上の場合しか、経費計上でません。
6. 貸倒引当金
売掛金、つまりモノやサービスの販売代金のうち未払いとなっている金額の一部を、それらが回収出来ない場合を想定して「貸し倒れ引当金」として費用計上できます。年度末時点の売掛金の5.5%を計上できることが認められています。これも、個人事業主の青色申告だけに与えられているメリットです。
7. 棚卸資産の評価
棚卸資産を評価する、つまり在庫の金額を決める場合、通常は仕入原価が適用されますが、青色申告の場合は仕入原価と時価に差があれば低いほうを適用することができます。在庫評価金額が少ない程課税対象額は減りますから、仕入れコストよりも時価が下がっている場合は節税メリットとなります。
青色申告のメリットについてはこちらの記事でも紹介しています。より詳しく知りたい方は読んでみてくださいね。
白色申告のメリット2選
白色申告のメリットとしては、以下のものがあげられます。
1. 事前申請が不要
青色申告をするためには、新規に開業する事業の場合は開業から2ヶ月以内、申告方法を白色から青色に変える場合は変更を適用する年度の3月15日までに、税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。しかし、白色申告の場合にはこの書類を提出する必要がありません。
2. 記帳方法が単純
青色申告では、65万円控除を利用する場合は複式簿記で帳簿をつける必要があります。また書類に不備があると青色申告の許可が取り消されますので、基本的な簿記の知識が必要となります。しかし、白色申告は簿記の知識がなくても簡単に記入できます。
青色申告の4つの手順
青色申告の場合の手順を、順を追って説明します。個人事業主の確定申告は、1月1日から12月31日までの所得から税金額を計算したものを、翌年の2月16日から3月15日までに申告して税金を支払う必要があります。
1. 事前申請
個人事業主の場合は、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を、事業の開始日から2ヶ月以内もしくは申告対象年度の3月15日までに、提出しなければなりません。また、家族に支払う給与を経費計上したい場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」も提出する必要があります。
2. 複式簿記・単式簿記の決定
控除額により帳簿の種類が変わってきますから、10万円控除のために単式簿記とするか、65万円控除のために複式簿記とするかを決めます。単式簿記は家計簿と同じ記述方式ですが、複式簿記では主要簿として「仕訳帳」と「(総勘定)元帳」が必要です。またこの他にこれらを補助するものとして、現金出納帳や預金出納帳、売掛帳なども、事業内容によって準備することが必要となります。
複式簿記の場合、実際に税務署に提出するのはこれらをもとに作成する「損益計算書」と「賃借対照表」になります。単式簿記の場合は、損益決算書だけとなります。
3. 領収書・レシートなどの整理
帳簿づけに必要な領収書やレシート類を整理します。一年分まとめて処理するのは大変なので、月に一回程度は領収書やレシートを整理して帳簿につけておくのがベターです。なお帳簿をはじめ、領収書やレシートなどの書類は7年間の保管義務があります。また帳簿を会計ソフトを利用して作成した場合でも、電子データではなくプリントしたものを保存しましょう。
4. 確定申告
確定申告のための12月31日までのデータで、1~2月中に申告書を準備し、先に述べた期限内に税務署に申告書類を提出します。期限が過ぎて申告すると、税金が加算されますからご注意ください。
青色申告では、以下の書類を提出します。
- 「所得税青色申告決算書」(一般用の決算書)
- 「確定申告書B」(マイナンバーの記載と、本人確認書類のコピー添付が必要)
- 「申告書第四表(損失申告用)」(赤字を繰り越す方は必要)
申告で確定した税金は、3月15日までに支払わなければなりません。税務署からは納付書や納税通知のようなものは届きませんから、自分で気を付けておく必要があります。
青色申告の書き方についてはこちらで詳しく説明しています。
どっちの色の申告書で申請すればいいの?
青色申告が向いている人
収入が多くなればなるほど控除額や経費として計上できる金額が増え、青色申告による節税メリットが大きくなりますから、収入が多いか今後収入が増える見込みがある人は青色申告にした方がよいでしょう。
白色申告が向いている人
簿記の知識がなく、青色申告のような複雑な帳簿をつけたくない人や、ソフトを使う自信がない人は白色申告向きです。また節税メリットを期待するほど収入が多くない人や年度によって収入に大きな変動がある人も、白色申告が向いているといえます。
その他、青色申告をしたかったけれども申請期限に間に合わなかった人は、当然ながら白色申告をする必要があります。
青色申告がおすすめ!
青色申告は、基本的な簿記や会計の知識が必要でやらなければいけない事務処理も増えますが、個人事業主にとっては青色申告の節税メリットは見逃せません。サポートが万全の青色申告ソフトの利用も選択肢に入れて、収益アップにつなげる個人事業主のプロを目指してはどうでしょうか。
こちらではそんな青色申告用のソフトがご覧になれます。会計ソフトには青色申告の書類作成機能が搭載されていることがあるので、簡単にでも眺めると参考になると思います。
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