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EDIとは?種類やメリット・デメリット、Web EDIとの違い

最終更新日:(記事の情報は現在から786日前のものです)
EDIは、受発注業務などの企業間取引データを自動でやり取りできます。そんなEDIの意味や種類、仕組みなどを解説します。近年主流になってきているWeb-EDI、ボクシルおすすめのEDIシステムと合わせて見ていきましょう。

EDIとは

EDIとは、電子データ交換(Electronic Data Interchange)の略語です。受発注・出荷・請求・支払などの各種取引データを通信回線を通じて、企業間でやり取りする電子商取引の仕組みのことです。受発注から請求支払までの取引業務を自動化できるので、業務効率化に役立ちます。

EDIで電話やFAXを一本化

従来の取引では、取引先ごとに電話やメール、FAXなどを用いて書類のやり取りが行われるので業務に多くの手作業が発生します。

しかし、EDIを利用すれば、受発注などの取引データの送受信から業務システムとのデータ連携までをすべて自動化できるので、手作業を減らせます。

EDIの仕組み

EDIは、自社と特定の他社、特定の業界における通信プロトコルやフォーマットを標準化し、通信できるようにする仕組みになっています。

EDIでは異なる基幹システム同士でデータをやり取りするため、通信方法・データ形式・コードなどのルールを事前に定める必要があります。専用の回線を設ける、同じネットワークに参加する、インターネットの通信回線を使うなど、同じ通信方式データを送り合える通信回線が必要です。

また、他社から送られたデータを自社システムに取り込むためにデータの変換機能が必要です。読み込めるデータ形式は企業ごとに異なる場合があるため、データ形式や識別コードなどの仕様を事前に定めましょう。

EDIとEOSの違い

EDIと似た呼び名のシステムに、EOSがあります。EOSとは、電子受発注システムを表すElectronic Ordering Systemの略です。EDIとEOSの違いは、電子データ全般を扱うか受発注データのみを扱うかにあります。

EDIは、受発注業務を含め広い範囲の電子データを処理するのに対し、EOSは受発注にかかるデータのみを扱います。つまりEOSはEDIの一部だといえます。

EDIのメリット

EDIを導入すると、一般的には次のようなメリットが得られます。

書類送付の自動化

EDIを利用することで、納品書や請求書などをFAXや郵送を用いて取引先に送付するといった手作業をなくせます。受発注を始めとする取引データの送受信や業務システムとのデータ連携など、商取引に関わるすべての業務を自動化できます。

ペーパーレス化

電子データですべてやり取りできるので、ペーパーレス化を実現できます。郵送代や用紙代、人件費など送受信に関わるコストを削減可能です。

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業務スピードの向上

EDIを導入するということは、そもそも人の手で行われていた業務が自動化するので、業務効率化とともに業務スピードの向上につながります。インターネットを利用したEDIではさらに高速な通信取引が可能となります。

流通業界などでは多製品の少量発注への対応や、細かい時間単位の納品指定などにも対応できるEDIの業務スピードは必要不可欠となっています。

これらのメリットは流通業界以外にも発揮されており、冒頭にあるよう現在では食品業や日用品業などさまざまな業種から注目を集めています。

正確性の向上

従来の伝票記入では人の手によるものなので、ある程度のミスは避けられません。パソコンでのデータ入力にしても100%の入力精度は保証できないので、やはりミスが発生することはあります。しかしEDIでは取り込んだデータを自動で処理してくれることから、データの正確性向上につながります。

また、記入や入力ミスに費やしていた修正時間も大幅にカットされるので業務効率化となります

EDIのデメリット

送受信環境の整備が必要

業務効率化や正確性の向上などさまざまなメリットのあるEDIですが、デメリットとしては取引先への普及が難しいということです。

取引先との間で確実にデータを送受信するためには、専用の環境を整える必要があります。銀行間では全銀協標準通信プロトコル、小売業・流通業ではJCA手順などの専用のプロトコルを使用しなくてはならず、フォーマットやコードなども選定しなくてはなりません。

このようにEDI導入には、時間とコストが発生するため、導入していない取引先にEDIを勧めても、導入してくれるとは限りません。EDIは企業単体での導入は意味を持たず、取引先との共同導入で初めて機能するシステムであるため、EDIで取引している企業があまりに少ない場合は、コスト面でもデメリットが発生することがあるので注意が必要です。

EDIの種類

EDIを利用するために前述のようなルールを定めておく必要がありますが、このルールの定め方によってEDIの種類を分けられます。

個別EDI

個別EDIは取引先ごとにルールを策定する場合です。それぞれの仕様に対応するデータ変換システムを用意する必要があり、多くの取引先にEDIを広げにくいことがデメリットです。

標準EDI

標準EDIではフォーマットが標準化されているので、複数の取引先同士で利用できます。標準の規格と自社システムをつなぐデータ変換システムを用意するだけで、同じ規格を利用する複数の企業との取引が可能です。

標準EDI(業界VAN型)

「業界VAN」というネットワークサービスでは、商品コードや取引先コードも標準化されています。業界VANとつながることで、VANを利用するすべての取引先とつながれます。

Web-EDIとは

Web-EDIとは、EDIをインターネットを通じて行うことです。近年EDIのクラウド化が進み、EDI導入企業の約7割がWeb EDIを導入しています。Web-EDIはシステムをインターネット上に構築できることから、データ通信速度が従来のVAN型に比べて大幅に改善されました。

Web-EDIのメリット

Web-EDIのメリットには「低コストのインターネット通信を使う」という点があげられ、通信費用のみの負担で永年利用できることが大きなポイントになります。

導入しやすい

Web-EDIは、EDIの機能をブラウザ上で実行できます。よって専用のシステムをインストールする必要がなく、システムの入れ替えも容易なためスピーディーな導入が可能です。従来型のEDIには専用環境の構築が必要でしたが、ブラウザで利用できるのであれば導入環境を気にしなくて良いというメリットがあります。

また、人員や取引先の増減に対しても柔軟に対応できスモールスタートも容易になります。

低コスト

インターネット回線を利用するため、インターネットの通信費用のみで利用でき、電話回線を使用する従来のEDIに比べ低コストで運用できます。従来のEDIで必須だった運用・保守の費用も抑えられ、全体としてコスト削減につながります。

最新のセキュリティ対策

インターネット通信の暗号化技術が発達しているため、安全に利用できます。

回線速度の向上

さらにWeb- EDIシステムを導入することによって、回線速度の向上も非常に大きな利点になるでしょう。データのやりとりに電話回線を利用していたEDIに対し、インターネットの回線速度ははるかに高速です。

企業間取引においてはスピードと効率化が重視されます。EDIの処理速度に不満を感じている場合、Web-EDIの導入によって大幅な改善が期待できます。

Web-EDIの通信プロトコル

カスタマイズの容易さから各社独自のEDIシステム構築が進み、煩雑化している現実があります。取引先が導入しているWeb-EDIの仕様、特に通信プロトコルには注意しなければなりません。

この場合の「プロトコル」というのはいわゆる「規約」のことを指しており、これは一般的な電子化されたビジネス文書(注文書・請求書などを含む)をはじめ、インターネット通信回線などに関する約款内容となります。

  • EDIINT AS2
  • OFTP2
  • ebXML MS
  • JX手順
  • SFTP

以上が主要な通信プロトコルです。複数の通信プロトコルをサポートしているものを選ぶことをおすすめします。

EDIINT AS2

Web-EDIの通信プロトコルでも重要項目となるEDIINT AS2は、インターネット技術の標準化団体 IETFが策定した国際標準規格を指しています。

Amazonやカルフール、ウォルマートなどの海外の大手販売業が推奨し、流通業を中心に普及が進められており、一つの取引におけるデータ通信量が多く、リアルタイム処理を実現したい企業には最適のツールとなるでしょう。

OFTP2

OFTP2は欧州の自動車標準化団体として有名な「Odette」が開発した、主に欧州の自動車業界を中心に利用されている通信プロトコルです。

自動車産業のグローバル化とともに、日本国内の自動車業界でもOFTP2プロトコルの利用が検討されています。

ebXML MS

ebXML MSは国際的なWebサービス標準化組織である「OASIS」と、国連のEDI標準機関「UN/CEFACT」が策定した国際標準規格です。主にアジア圏を中心に普及が進んでいます。

日本では流通業をはじめ、JAMP-GP(産業環境管理業界)やMD-Net(日本医療機器ネットワーク協会)などで利用されています。

1取引あたりのデータ通信量が多く、リアルタイム処理を実現したい企業に最適なプロトコルです。

JX手順

JX手順は従来型手順(JCA手順)による後継プロトコルとされる、日本独自の規格プロトコルです。中小企業に最適化した、低コストでの運用を実現するPULL型のシステムとなります。

OCCTO(電力広域的運営推進機関)や全銀EDIシステム(全国銀行資金決済ネットワーク)で利用されています。

小売業、流通業などを中心に、1件の取引当たりのデータ量が少ない業界での採用が期待されています。

SFTP

SFTPは「SSH File Transfer Protocol」の略称です。FTPで送受信するデータを「SSH」で暗号化する、対話型ファイルの転送プロトコルです。

SSHの仕組み・内容を利用したWeb-EDIで、安全にファイル転送ができます。グローバルEDIや各種SaaSサービスとのデータ連携を駆使し、企業内や企業間でのファイル交換などに幅広く利用されます。

主に大手企業やグローバル企業でもこのプロトコルが採用されています。

全銀協標準通信プロトコル

全銀協標準通信プロトコルは、企業・銀行相互間のオンラインデータ交換に特化した通信手順です。

このプロトコルは、一般公衆電話網かつISDNを適用回線とする「ベーシック手順」をはじめ、「TCP/IP手順」やIPを利用する回線を適用回線とした「TCP/IP手順・広域IP網」の3種類があります。

金融機関での利用に最適なプロトコルが採用されており、金融機関(銀行)と企業間でオンラインデータの情報交換に特化した通信手順です。

ボクシルがおすすめするEDIシステム

近年主流になってきているクラウド型のEDIシステムのおすすめを紹介していきます。

本記事で紹介しているEDIシステムの詳細は、こちらから無料で資料をダウンロードできます。

クラウドサイン SCAN - 弁護士ドットコム株式会社

クラウドサイン SCAN
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ボクシルSaaSのデータを元に表示しています
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  • 契約書のスキャンやデータ入力を代行
  • 柔軟な検索・参照で契約書を管理
  • 契約書の有効期限管理を効率化

クラウドサイン SCANは、紙の契約書をデータ管理する際に問題になる、契約書のデータ化や入力作業を代行し、CLOUDSIGNでの有効期限管理や柔軟な検索・参照を含む、一元管理によるすべての契約書管理を実現するサービスです。これによって手間をかけずに効率的な契約書管理が可能となり、業務効率化と管理コストの削減が期待できます。スキャンした紙の契約書を倉庫で預かるサービスも行っています。

AUTO帳票EX - 日本テレネット株式会社

AUTO帳票EX
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ボクシルSaaSのデータを元に表示しています
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  • インターネットに接続できる端末から操作可能
  • 初期費用無料で選べる接続方式
  • 豊富な導入実績

FAX自動帳票サービス AUTO帳票は、基幹システム販売管理システムから出力されるファイルをインターネット経由で連携することにより、FAXを送信できるインターネットFAX送信サービスです。
接続はWeb-API、FTP(S)、SMTPなど豊富に用意されていて、現在の運用に合わせた接続方法が選択できるため、大手メーカーのERPから専用システムまで、多種多様なシステムとの連携実績があります。

FNX e-帳票FAXサービス - 株式会社ネクスウェイ

  • サーバー/モデムなどの機器の準備は不要
  • 約800社の豊富な利用実績
  • 24時間365日のシステム運用・監視体制を整備

FNX e-帳票FAXサービスは、帳票を自動でFAX送信するクラウドサービスです。さまざまなシステムから容易にアクセスできるため、サーバーなど機器の準備は一切必要なく、耐障害性の高いシステムと日本全国をカバーする広域ネットワークを用いて構築されてサービスが保有する大量回線の利用で、スピード処理、大量配信が可能になります。

※出典:FNX e-帳票FAXサービス「 クラウド型FAX送信サービス FNX e-帳票FAXサービス」(2022年2月1日閲覧))

クラウドEDI-Platform

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  • 取引先に合わせたEDIをサポート
  • 国内3拠点でのBCP対策
  • 安心のサポート体制

クラウドEDI-Platformは流通業の受発注業務を支えるシェアクラウドEDIサービスです。EDI業務におけるさまざまな通信手順、通信手段に対応しています。流通BMSやWeb-EDI、旧来のJCAなどにも対応しているので、取引先に合わせたEDIをサポートしてくれます。また国内3拠点でBCP対策を行っているので、災害時の業務継続やデータのバックアップ体制も万全です。

ACMS WebFramer

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ボクシルSaaSのデータを元に表示しています
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  • 統合管理機能を提供
  • アプリケーションサンプルやテンプレートを提供
  • テナント管理機能

ACMS WebFramerは取引業務を簡単にIT化できるWeb-EDIシステム構築のための新しいシステム基盤です。購買や販売、社内情報共有などさまざまな業務に適用できるので、全社規模のWebシステムの中核基盤としても活用できます。取引業務を想定したアプリケーションサンプルやテンプレートを提供しているので、迅速な取引業務の立ち上げを支援してくれます。

EDI-Master - Canon

  • 30年以上、20万本以上の導入実績
  • 全銀手順・JX手順・JCA手順などさまざまな通信ソフトウェアに対応
  • 購入した日から利用できる

EDI-Masterシリーズは、Canonが提供するEDI・EOSのパッケージソフトです。機能単位でパッケージソフトが用意されているため、スモールスタートはもちろん、導入後の機能拡張も可能です。取引規模やニーズに合わせてさまざまな構成が可能で、柔軟な対応が魅力といえます。

※出典:Canon「 EDI-Masterシリーズ」(2022年2月1日閲覧))

EDIアウトソーシングサービス - インテック

  • 35年以上にわたるの導入実績
  • マルチプロトコルに対応
  • 24時間365日のサービス提供

EDIアウトソーシングサービスは、インテックが提供するクラウド型EDIソリューションです。マルチプロトコルに対応しており、業務アプリや個別案件にも柔軟に対応してくれます。また取引先からの問い合わせ窓口となるコンタクトセンターの設置もできるなど、サポートも充実しています。。

※出典:Intex「 EDIアウトソーシングサービス」(2022年2月1日閲覧))


EDIシステムのおすすめについては、こちらの記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。

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EDIを導入して業務効率化

自社に導入していなければまったく触れる機会のないEDIですが、今後の普及を考えるとどんな企業にも導入される可能性があります。

EDIを導入することで、企業間の取引に関わる業務を大幅に削減できます。EDIは取引の効率化だけでなく、経営のインフラとしての役割も果たしてくれるのでまずは導入してみてはいかがでしょうか?

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