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2017-06-17

Office 365×AI|人工知能によって「働き方改革」はどのように進むか?-日本マイクロソフト株式会社

「SaaS業界レポート2016-2017」のインタビュー(全15本)の第1弾として日本マイクロソフト株式会社のOffice 365の人工知能活用や目指している世界観について迫りました。 【SaaSレポートインタビュー第1弾】
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Officeマーケティング本部 シニアプロダクトマネージャー
輪島文
国内大手通信キャリアにてコンサルティングに携わった後、2008年マイクロソフト入社。Windowsの法人向けマーケティング担当を経て、11年より現職。日本企業の働き方改革を支えるICT活用の推進、Office 365マーケティング戦略策定を担当。

Officeマーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャー
吉田馨一
外資大手ネットワーク機器メーカーにて約9年、コンサルティングサービス部門、製品営業部門にて、大手企業向けにユニファイドコミュニケーション全般の提案・導入支援に携わった後、2014年マイクロソフト入社。Skype for Businessの製品営業を経て、16年より現職。Skype for BusinessやMicrosoft Teamsの製品マーケティングを担当。

働き方の「量」の改善から働き方の「質」の改善へ

―――――貴社ではパッケージ型のOffice製品やクラウド型のOffice 365、そしてOffice 365の機能として最近では「MyAnalytics」や「Microsoft Teams」を発表されました。どのような考え方で製品開発が進められてきたのでしょうか?

弊社がこれまで30年ほど提供してきましたWord, Excel, PowerPointといったOffice製品はもともと個人の作業を効率化するという発想でスタートしましたが、お客様の働き方改革をご支援させていただいている中で、個人の作業の効率化だけでは会社、社会全体の働き方改革には繋がらないということが見えてきました。

そのため次のステップとしてOffice製品をクラウド化し、統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」を提供しています。Office 365は働き方改革において、チームワークの効率化に向けてコミュニケーションとコラボレーションの活性化を支援します。作業の効率化のような働き方の「量」の改善だけでなく、コミュニケーションやコラボレーションの活性化支援を通じて働き方の「質」の改善を目指しています。

【出所】日本マイクロソフト提供

―――――働き方の「質」の改善を目指すアプローチへと転換したとのことですが、具体的にOffice 365はどのように進化しているのでしょうか?

Office 365では「コラボレーション」「インサイト」「セキュリティ」の3つのポイントを掲げています。まず1つ目のコラボレーションについて、イノベーションを生み出していくためには多様な人材が連携してビジネスを進めていく必要がありますので、社内外含め組織を超えたコラボレーションの実現を支援しています。

もちろんFace to Faceでのコミュニケーションが一番ですが、スピーディに多くの人と繋がっていかなければならない今の時代では、やはりICTによって人と人が繋がっていくIoW(Internet of Workers)の環境構築が求められます。

弊社内部での調査結果からは、例えば営業部門のプロジェクトの中で、成果を出して会社で表彰されたプロジェクトは、より多くの部門、社員が関わっていたことがわかっています。このように営業の場合は営業部門の中だけで動いているよりも他部門を巻き込んでいる人の方が実際に成果を出していますし、巻き込み力が高い人の方が成果を出しているということは体感としてもあるように思います。私たちはこのコラボレーションをICTでサポートしています。

【出所】日本マイクロソフト提供

AIによって「時間の使い方」と「コラボレーション」に気づきを与える

―――――SaaS業界では人工知能の活用が大きなトレンドになっていて、貴社でもOffice 365のAI機能として「MyAnalytics」と「Office Delve」を提供されています。これらはどのような機能でしょうか?

これらはまさに2つ目のインサイトの部分で、「MyAnalytics」は誰と多くの時間を共有しているか、「Office Delve」は誰とコラボレーションすべきかといった観点で気づきを与えてくれるAI機能です。

「MyAnalytics」は会議やメールのデータを解析していて、誰とよく会議をしているのか、また誰とよく連絡を取っているのかを見える化します。また、例えばAさんに招待された会議では内職でメールを作成しているという傾向が見られれば、会議に出席する必要はないのではというレコメンドがなされ、時間の使い方の改革を実現します。

【出所】日本マイクロソフト提供

弊社では内部で2016年12月から2017年4月までの4か月間、「MyAnalytics」を使った実証実験を4部門、41名を対象に行ったところ、無駄な会議が27%も削減され、またコミュニケーションの円滑化がなされた結果、合計で約3,600時間の削減を実現することができました。これは従業員2,000人規模で、一般的な残業時間で換算した場合、年間で約7億円の削減効果に相当します。

AIはブームになっていてIoTなどセンサーによってデータを取得する場合もありますが、弊社ではそこまでのことをしなくてもOffice 365を通じて作業や予定表の状況、また誰と会話をしているのかといったビッグデータがクラウド上にあります。このビッグデータを活用して働き方改革を支援していきたいという発想です。

―――――特に日本は情報共有の文化が強いため会社規模が大きくなればなるほど会議への参加人数も多くなり、本来出席する必要のない人まで参加する傾向がありますよね。年間7億円はとても大きな削減効果です。「Office Delve」の方はいかがでしょうか?

「Office Delve」の方は、Office 365のストレージ機能である「OneDrive for Business」上でドキュメントの編集をしていると、どのような内容のものを編集しているか、また誰とよく共同編集しているかという情報が蓄積してきますので、このようなデータを基におすすめのドキュメントやコラボレーションすべき人をレコメンドしてくれる機能です。

例えば業界やアカウント軸で動いていると、業界やアカウントを横断する働き方改革のようなテーマに詳しい人に辿り着くことは中々難しいのですが、「Office Delve」では様々な軸からレコメンドをしてくれるため組織横断でのナレッジシェアを容易に実現することが可能になります。

―――――人工知能活用におけるハードルとしてベースとなるビッグデータの収集があげられますが、貴社の場合は既に多くの企業に利用されていますのでやはり相当のデータ量が蓄積しているのでしょうか?

そうですね、弊社が収集しているデータとしてはメールやスケジュール、チャット、ファイル、グループなどありますが、量にすると合計でワールドワイドでは600億添付ファイル、70ペタバイト、月間8.5億会議のデータを蓄積しています。あまりにも膨大でピンときませんよね。日経225銘柄では8割の企業様にご利用いただいていて、これらのデータは匿名化して傾向値として利用しています。

【出所】日本マイクロソフト提供

―――――膨大な量のデータですね。ワールドワイドとなると、日本と海外では働き方も異なるかと思いますが、そのあたりの傾向も見えているのでしょうか?

そうですね、例えばアジア圏とそれ以外のエリアではいわゆるハイパフォーマー人材の総労働時間に違いがありました。アジア人の方が総労働時間は長く、アジア圏外のハイパフォーマー人材は短い時間の中で成果を出す傾向にあります。このようなインサイトもワールドワイドでデータを取得しているからこそ見えてきたものだと思っています。

「会話」をベースに進むコラボレーションを支援

―――――2017年3月にはOffice 365のチャットベースのワークスペースとして「Microsoft Teams」をリリースされています。こちらも従業員のコラボレーションを支援するツールでしょうか?

そうですね、「Microsoft Teams」はチームで働くすべての人々に対して、チームが必要とする様々なツールと共に、コンテンツを共有しながら、チャットや音声、映像を含む「会話」ができる環境を提供するツールで、「会話」をベースに進むコラボレーションを支援するものになります。

―――――「Microsoft Teams」は会話をベースとしたコラボレーション支援ツールということですが、会話×AIと言えばBOTがトレンドになっています。「Microsoft Teams」では秘書BOTを発表されていますがこちらはどのようなものでしょうか?

秘書BOTは会話形式で会議の設定ができるツールで、会議の参加者や所要時間、日時、場所を会話形式で決定することが可能です。参加者についてはよく一緒に会議をしているメンバーをレコメンドし、日時については参加者の予定表から全員が調整可能な枠を見つけてレコメンドします。このレコメンド機能でAIを活用していますね。

【出所】日本マイクロソフト提供

―――――私もスケジュール調整で苦労した思い出があります。既に設定されている予定を調整して会議を設定するような機能もあるのでしょうか?

現時点ではありませんがクラウドだからこそ日々アップデートできますので、お客様の声を基にどんどん進化させています。例えば会議室のレコメンドもはじめは1つだけの選択でしたが、2つ選択するといった形で変更しました。自動化できる作業は可能な限り自動化し、人が本来集中すべき作業に時間を割くことができるようにしたいと思っています。

―――――人工知能を活用したBOTは今後も増やしていくのでしょうか?

BOTはサードパーティのパートナーさんと一緒に活性化していきたいと考えている部分で、Apple StoreのようなプラットフォームとしてBOTを増やしていく予定です。ですので、実は秘書BOTはあくまでもドアノックとしての位置づけです。

ワンソリューションとしての価値

―――――「Microsoft Teams」では秘書BOT以外にどのような特長がありますか?

実は「Microsoft Teams」はOffice 365の入口となるツールです。例えば新しいチームを「Microsoft Teams」上で作成すると同時にOffice 365のグループも作成され、そのチームでそのまま「OneDrive for Business」上でファイルの共有や共同編集が可能になります。こういった連携の部分では他のストレージサービスと連携していても実現されない部分ですので、弊社が一貫してご提供できる点に価値があると思っています。

―――――SaaS業界ではAPIによるサービス連携も進んでいますが、貴社のように一社の中で連携されていることにもまた大きな価値がありますね。

そうですね、さらにAIの「MyAnalytics」も「Office Delve」も複数のデータを組み合わせなければ効果の最大化ができませんし、またAI自体も組み合わせて活用することで働き方改革をより強力に進めることができます。このあたりにワンソリューションで提供できることの価値がありますね。

―――――貴社にはワンソリューションだからこそ提供できる価値がある一方で、外部と連携していく領域もあるのでしょうか?

今後2017年春、2017年夏にアップデートを予定していて、春のアップデートは「MyAnalytics」の延長として、個人単位での時間の使い方やコラボレーション状況の可視化からグループ単位へと進化するものになりますが、夏のアップデートでは「MyAnalytics」から「Workplace Analytics」へと対象の範囲を広げていきます。

「Workplace Analytics」ではERPやCRMとも連携して、会社全体で働き方を分析していくことになります。例えば営業成績と実際の働き方をマージした分析結果は見たいですよね。このステージでは外部との連携も含めて進めていく予定です。

【出所】日本マイクロソフト提供

あとは「Microsoft Teams」の方ではコネクタを充実させていて、チームコミュニケーションにおいて必要なツールは連携できるようにしています。例えばSalesforce やOneNote, YouTube, Twitterなどとのコネクタは既に用意されていて、ボタン一つで追加していくことができます。既に100を超えるコネクタがあり日々増え続けています。

―――――「MyAnalytics」で支援している会議の効率化という観点では「Surface Hub」も強力なツールかと思います。「Surface Hub」では具体的にどのようなことができるようになるのでしょうか?

「Surface Hub」は会議室の参加者だけでなく、ネットワークを介した外部の参加者なども会議室にいる場合と同じように共同作業を可能にするコラボレーションに最適化されたWindows 10搭載の大画面デバイスです。

例えば経営会議において、その場で不足した情報を確認するためにオンライン会議機能によって担当者と繋ぐことができ、また弊社のビジネスインテリジェンスツールであるPower BIと連携していますので分析データを見ることができます。

通常、報告のための資料作成や追加の資料作成に多くの時間がかかってしまいますが、「Surface Hub」を活用すればその場で確認してその場で決定するということが可能になります。

【出所】日本マイクロソフト提供

―――――クラウドとクラウドの連携についてはよく聞きますが、クラウドとリアルデバイスの連携は新しい取り組みですね。

そうですね、弊社でも「Surface Hub」を提供し始めてからクラウドとリアルデバイスの両面でサービスの改善に取り組むようになりました。セキュリティの観点でも、リアルデバイスを活用した生体認証によってクラウドのセキュリティを高めるといったこともできるようになってきています。

クラウドだからこそ安全な時代に

―――――「セキュリティ」のお話があがりましたが、3つの機能のポイントとしてあげられていた「セキュリティ」の面ではどのような特長があるのでしょうか?

働き方に関するビッグデータも規模のメリットがありますが、実はクラウドのセキュリティの面でも我々ならではの規模のメリットがあります。弊社ではマルウェアの攻撃状況の可視化と複数のデータセンターを持っていることによって、何かあればほぼダウンタイム無しでルーティングを切り替えて逃げるという対策を取ることができます。

―――――クラウド化したからこそのセキュリティ対策ですね。クラウドへの切り替えにあたってセキュリティへの懸念が依然としてあげられますが、逆にクラウド化によってセキュリティレベルが向上するように思います。

そうですね、お客様にもそのように考える人が増えてきています。日々攻撃の手段も変化している状況では、自社で対応するメンバーを抱えるのではなく専門家に預けて最先端の対策をした方が望ましいです。

また、マルウェアの攻撃状況と働き方のビッグデータを組み合わせた新しいサービスも提供しています。例えばマイクロソフトは、メールがどのように送受信されているかといったデータを保有していますので、このようなデータと攻撃状況のデータを組み合わせることで感染していそうな人の特定が可能です。感染していそうな人は多要素認証を行うか、パスワードをリセットするまでは、機密性の高いファイルにアクセスできないようにするなどの対策をとることができます。

【出所】日本マイクロソフト提供

社員主導の「働き方で改革」の推進

―――――「働き方の改革」ではなく「働き方で改革」というスローガンを掲げています。これはどのような意味でしょうか?

もともと我々の働き方改革は、働き方改革そのものを目指すものではなく、ビジネスを成長させるために働き方を改革しなければならないという発想です。これまではトップダウンで働き方改革が進められてきましたが、社員自身が働き方の課題を見つけてボトムアップで働き方改革がなされることで継続的な成長に繋がると考えています。弊社では「MyAnalytics」や「Microsoft Teams」の提供を通じて社員主導の働き方改革を進めたいと思っています。

また、戦略もトップダウンで言われたとおりに動くという時代ではなくなってきていて、自然発生的に生まれたチームでアイディアを出し合って、余った時間を活用してチャレンジしていくことでイノベーションが生まれる時代です。

今後は芽がどこまで出るか分からないものにもたくさんチャレンジしていかなければならない時代ですので、種まきをしたばかりのアイディアレベルのチームや芽が出始めて本格的な取り組みが始まったチームなど、複数のチームに対してどのようにパワーをかけていくかといったことを個人がマネジメントしていかなければなりません。このあたりを支援するツールにしていきたいと思っています。

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SaaS業界レポート著者の視点

人工知能の活用はSaaS業界において大きなトレンドになっていますが、実は人工知能は1950年代後半から1960年代にかけて第一次AIブーム、1980年代に第二次AIブームが起こっており、現在は第三次AIブームと言われています。これら第一次・第二次AIブームと第三次AIブームの一番の違いは人がルールを設計する(コンピューターはそのルールに従って自動で答えを導き出す)のか、あるいはコンピューターが自動でルールを設計するのかです。

コンピューターの性能向上を背景として、2000年代後半にディープラーニング技術が確立(脳の神経回路を真似したアルゴリズムであるニューラルネットワークの階層を3層から4層、5層…と増やしたことで精度の高い機械学習を実現)したことでコンピューターは自動でルールを設計する力を得ました。そしてその力は、これがルールだと導き出すために必要な大量のサンプル、つまりビッグデータと掛け合わせることで発揮されます。

日本マイクロソフトはOffice 365の機能として、人工知能を活用した「MyAnalytics」や「Office Delve」の提供に力を入れていますが、これはOffice製品を30年来提供し続けてきたことで構築した巨大な顧客基盤、そしてそこから得られるメールやスケジュール、チャット、ファイル、グループなどのビッグデータの蓄積があるからこそ輝く機能です。

一方で、この価値あるビッグデータを蓄積できた理由は「効率化」「働き方改革」を常にゴールに定めてきたこと、そしてビッグデータを有効活用できる理由は働き方の「質」の改善という現代に合わせた具体的なゴールを定めているからです。

人工知能の活用はSaaS業界において大きな盛り上がりを見せていますが、ユーザーもベンダーもこのバズワードに踊らされてはいけません。人工知能はビッグデータを獲得してから力を発揮するものですが、そもそも人工知能を活用してユーザーはどのようになりたいのか、ベンダーはどのような世界を実現したいのか。このテーマにまず向き合うことが重要です。

SaaSとは?意味・市場規模・トレンド徹底解説!SaaS業界レポート/カオスマップ(2016-2017) | ボクシルマガジン
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著者紹介:阿部 慎平 (あべしんぺい)新卒でデロイトトーマツコンサルティングに入社後、大手企業の事業ポートフォリオ戦略、成長戦略、新規事業戦略、海外事業戦略、ベンチャー企業買収戦略など戦略プロジェクトに従事。 より主体的に事業に取り組みたいという思いから2017年3月にスマートキャンプに参画。現在はSaaS業界レポートや事業企画・営業、新規事業立ち上げを推進。
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