コナカのオーダースーツ新業態「急成長」の秘密、カギとなるMA導入・活用のポイント

公開日:
2016年のオープン以来、わずか1年で43店舗を展開し急成長を遂げたオーダースーツ店舗がある。老舗スーツ量販店コナカの新業態「DIFFERENCE」だ。ブランド立ち上げの狙い、事業内容、IT活用によるマーケティング戦略などを紹介しよう。
導入事例情報
インタビュー先
コナカ
業種
小売/流通/商社系
利用規模
導入サービス名
顧客ニーズを予測するBtoC向けマーケティングオートメーション Probance
MAツール(BtoC)
Large

コナカのオーダースーツ専門店「DIFFERENCE」が躍進

コナカといえば、『すべては品質から』をテーマに高品質・高感度なファッションでお客様のライフスタイルをコーディネイトしてきた老舗のスーツ量販店だ。そんな同社が、新たにオーダーメイドのスーツに特化したブランドを立ち上げた。2016年10月からスタートした「DIFFERENCE(ディファレンス)」である。

旗艦店の1号店は、青山に店舗を構えている。佐藤 可士和氏にデザイン協力を仰ぎ、洗練された空間に仕上がった。

このほか東京駅に近い商業施設「KITTE」内などに店を構え、わずか1年で43店舗(2017年10月末現在)を展開する急成長ぶりだ。

コナカ ディファレンス事業部 ゼネラルマネージャーの中嶋 傑氏は、DIFFERENCEを立ち上げた人物である。

コナカ ディファレンス事業部ゼネラルマネージャー 中嶋 傑氏

ブランド立ち上げの背景について、中嶋氏は次のように語る。

「もともと、コナカには10年前からオーダー部門がありました。しかし、従来のオーダースーツは敷居が高く、注文方法などもわかりづらいイメージがつきまとっていました。そこで、誰でも簡単にオーダーを楽しめるブランドを目指してDIFFERENCEはスタートしました」

従来の顧客体験を一新するDIFFERENCEの戦略とは?

オーダーメイドのスーツが欲しいと思っても、仕事が忙しくて時間が取れないというビジネスパーソンは多いだろう。

そこでDIFFERENCEでは、まず都合のよい日時を指定してスマホで来店の予約を行い、初回のみテイラーに採寸してもらう。2回目以降からは、個人のライフスタイルに合わせて、インターネットからも注文できる仕組みにした。商品の注文後、受け取りは自宅だけでなく全国各地にあるDIFFERENCEの実店舗でも可能だ。

「一般的な話ですが、インターネットで服を購入する際に、お客さまが気にされる点は『服のサイズ感と仕上がりイメージ』です。そのため、DIFFERENCEでは必ず1回は来店していただき、店舗で採寸するというスキームにしてあります」(中嶋氏)

また仕上がりイメージに関しても、生地の質感、全体のイメージ、会話する距離感で見える生地のイメージがわかるリアルなビジュアルをアプリ上で閲覧できるように工夫している。

(写真左から)生地の質感、全体イメージ、会話する際の距離感

利用者の中には仕事帰りに店舗で生地をチェックし、自宅に戻ってネットでオーダーを入れるケースもあるそうだ。

このような取り組みが功を奏し、DIFFERENCEは順調に業績を伸ばしている。注目すべきは、既存のスーツ量販店と比べて坪当たりの売上高が群を抜いて高いことだ。

一般的な紳士服チェーン店の場合、坪当たりの年間平均売上は100万〜200万円ほど。しかし同社は、1000万円超と約5倍から10倍の売上を誇っているのだ。

なぜこれが実現できるのか。中嶋氏は次のように語る。

「オーダーメイドは、店舗で服の在庫を持たないため店舗面積も少なく済み、坪当たりの売上が高くなります。既製品を販売する場合には在庫量が売上を左右しますが、DIFFERENCEはオーダー体験が提供できるスペースがあれば店舗を営業でき、在庫スペース分を接客スペースに割けるのです」

これまでもオーダースーツを扱う企業はあったが、なぜDIFFERENCEは他社を圧倒しているのだろうか。一つは、「短納期」を実現できていることが大きな要因となっている。

「オーダースーツをつくるとき、通常では注文してから最低1か月以上は掛かります。しかし我々の場合、国内に協力工場があり、生産ラインを確保しながら、迅速に対応しています。これまでコナカが培ってきた経験とノウハウがあるため、約2週間の納期を守ってお客さまに商品をお届けできます」(中嶋氏)

同社では、短納期を実現するためにITを全面的に駆使した仕組みを構築している。そのひとつが、商品の発注システムだ。

店舗やWebから送られる顧客からのオーダー情報や採寸データが、国内工場までシームレスに連携されているため、電話やFAXなどでの情報のやりとりがなくなり、工場での裁断・縫製といった作業をスピードアップできるというのだ。

DIFFERENCEのコンセプトを実現するIT化の取り組み

DIFFERENCEのコンセプトには、3つの大きな柱がある。それは、「パーソナライズ」「プロセスエンターテインメント」「アプリケーションスタイル」だ。そして、これらは、ITの活用なしには実現できない。

1つ目の「パーソナライズ」は、顧客一人ひとりに最適化したサービスを目指すということ。専任のテイラーがお客さまにスーツ選びや着こなしのアドバイスを行い、注文後のアフターケアまでをサポートしている。

2つ目の「プロセスエンターテインメント」は、ネットからの予約制度を導入し、店舗と情報のやり取りをすることで、オーダーメイドの敷居を自然に下げる工夫を凝らすというもの。これにより、予約から次のご来店までを大きなカテゴリーとして捉え、そのプロセスを楽しんでもらえるというのだ。

「カウンセリングシートにお客さまの予算、色柄、TPOなどに合わせた希望商品の情報を事前登録いただくことで、我々もニーズを把握して準備できます」(中嶋氏)




専用アプリをダウンロードし、カウンセリングシートから個人データを入力し、来店の予約を入れるという流れ

3つ目の「アプリケーションスタイル」の取り組みでは、顧客に専用スマホアプリをダウンロードしてもらい、個人アカウントをつくることで、マイデータからオーダー履歴や購買履歴などを確認できるようにしている。

「DIFFERENCEは、20代から40代のビジネスマンをメインターゲットとしており、アプリからネット予約を入れてくださる方が多いのです。ここ数年で、若いお客さまのオーダー需要が上がっています。自分の体形に合わせて着こなすスタイルの兆しもあるようです。その中で、すべてをカスタムするのではなく、数か所をカスタムしたい、というニーズが出てきています」(中嶋氏)

パーソナライズを実現するMAツール導入で何が変わったか

パーソナライズを実現するために欠かせないのが、MAツールの「Probance(プロバンス)」だ。この製品はフランス発のMAツールで、日本国内ではブレインパッドが国内ユーザーのマーケティングニーズにきめ細かく応えるべく、機能追加を行っている。

中嶋氏は、今回のProbanceを導入した理由について、「コンセプトのパーソナライズを実現するため、お客さま一人ひとりに最適化されたサービスをご提供する必要があり、お仕立て後のアフターフォローやその後のご連絡まで対応したかったのです」と語る。

具体的なMAツールの導入については、複数の製品を比較・検討して決めたそうだ。

そうした中で、中嶋氏は「一人ひとりのお客様に最適なタイミングでアプローチできることが、Probance導入の大きな決め手となりました」と回想する。

「当初より、ブレインパッドのプライベートDMP『Rtoaster(アールトースター)』で、さまざまなWebデータの連携をこの先で実現したいと思っており、容易に連携できるのがProbanceでした。また、メール配信やプッシュ配信のみならず、LINEなど多くのチャネルに対する拡張性がある点もポイントでした」

Probanceは、インターフェースもシンプルで使いやすく、スムーズに運用も開始できた。あらかじめ用意された8つのシナリオから選ぶことで、簡単にメール配信ができる。

実際の導入は2017年2月ごろから始まった。まずCRMのトライアルがスタート。プロモーションとセットで、Probanceを活用して一部の顧客にメール配信をはじめた。

春のフレッシュマン商戦に合わせるために、運用開始までわずか約1か月という超特急のスピードで導入が進んだ。

「Probanceで最初に配信したのはフォローメールです。洋服のご購入から数週間ほど経つと、お客さまも着心地がわかってきます。その段階でメールを送ると、お客さまが気づいた点をご連絡していただける場合もあり、来店していただかずに店舗のテイラーとのコミュニケーションをつなぐ役割を果たしてくれています。またお客さま一人ひとりに合わせてコンテンツをわけてメールを送ることで、メールの開封率も70%超になりました。コンセプトとするパーソナライズの効果を実感した出来事でした」と、中嶋氏は大きな手応えを得た。



顧客一人ひとりに最適化されたサービスを実現するProbanceの機能。フォローメールも適切なタイミングに配信できる

今後は10月以降の秋冬物商戦に向けて本格的なCRMを構築し、いよいよ本番へのスタートダッシュをかける予定だ。

中嶋氏は「オーダースーツは生地の価格や色柄を細かくカスタマイズできます。お客さまの購入履歴に基づき、Probanceの機械学習などを活用しながら、新商品情報、着こなしのご提案などを一人ひとりタイミングよく届け、最適な商品をレコメンドできるようにしていきたいです。一例ですが、インポート素材や国内製ウール100%素材など、お客さまの好みやニーズを把握しそれらに合わせた生地の情報をご提供できる基盤づくりを進めていきます」と抱負を語る。

機械学習機能によって、膨大なデータから顧客の興味や行動を予測できる点もProbanceの強みのひとつだろう

これからの時代、スーツは従来のような吊るし売りだけでなく、個人の趣向に合わせた一点モノの需要もどんどん増えていくだろう。スマホに代表されるITの普及に伴い、洋服の買い方も市場も変化の兆しがある。DIFFERENCEは、時代の要請を的確に応えているようだ。

「我々は、オフラインだけで完結する戦略は考えていません。これからは、購入形態も多様化していき、店舗で商品を見て、購入する際にはECを利用するというパターンが増えるだろうと予想しています。ECもリアル店舗も、あくまでひとつのツールとして考え、それらをサービスにつなげてご提供していきます」

店舗展開も主要都市を中心にさらに広げ、3年間で50店舗体制を目指すと力強く語る中嶋氏。まだまだDIFFERENCEの躍進は続きそうだ。

記事中で登場したサービス紹介

Probance(プロバンス)

Probance(プロバンス)は、機械学習を搭載し、顧客ニーズを予測するコミュニケーションを実現するBtoC向けMAツールです。

顧客属性や取引データ、行動データなど、BtoC企業が保有する膨大で多様なデータを安全かつ高速に処理し、機械学習アルゴリズムを用いて、個客一人ひとりの趣味・嗜好に基づいたレコメンド施策を実行します。さらに、オンライン・オフラインを統合したクロスチャネルマーケティングで、パーソナライズコミュニケーションを実現します。

ベンダーの経験豊富なコンサルタントが提案から導入、運用まで一気通貫でサポートしてくれるので安心です。

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