目次を閉じる
絶食世代とは
絶食世代とは、恋愛離れをする若者たちの世代のことを指しており、肉食系や草食系に関連する言葉の一つです。本記事では、絶食世代の特徴や背景について紹介し、絶食世代のような言葉に関する批判について解説します。
若者の「恋愛離れ」が進んでいる?
最近では若者の「恋愛離れ」が進んでいるという指摘があります。その理由はさまざまですが、「自分からアプローチしたことがなく、どうしていいかわからない」や、「デートするお金がない」など恋愛に対して後ろ向きな姿勢が要因です。
特に男性の恋愛離れが顕著であり、男性から積極的にアプローチするという流れが弱くなっている一方、女性が肉食化しているわけではないため、若者の恋愛離れが急速化しているのです。
絶食系男子とは?
これまでは「草食系男子」と言われる恋愛に対してあまり興味がないという分類がありました。
しかし、現在ではその草食系を超える「絶食系男子」という分類が新たに追加されました。
「絶食系男子」とは、「そもそも恋愛しなくても楽しめる」や、「些細なことで一喜一憂する面倒な恋愛は断ってしまったほうが楽」という考え方を持つ男性のことを指します。
さとり世代とは?
「絶食世代」や「絶食男子」などの言葉とともに引用されることの多い言葉が「さとり世代」です。この「さとり世代」とは、現在の17歳から26、7歳の人たちの世代のことで、これまでは「ゆとり世代」と言われていました。
なぜ「さとり世代」と呼ばれるようになったかというと、周りの空気を読み、あまり目立たないようにすることで、うまく世渡りする効率主義な思考が強い世代だからです。
そのため仕事においても恋愛においても特に期待をせず、無難に生活ができていれば満足という考え方が特徴です。
絶食世代の特徴?
絶食世代の特徴とされていることについて4つ解説していきます。
恋愛への無関心
若い頃の男女というと恋愛に対して情熱的になる傾向が強く、好きになったり嫌いになったりを繰り返し経験するのが一般的でした。
しかし、絶食世代たちは、そもそも恋愛に対する興味を持っていなかったり、興味が薄かったりするという傾向があります。
趣味に没頭
今ではインターネットが普及したことによって、さまざまな情報を簡単に入手できるようになりました。
そのため、自分の趣味を見つけることが以前に増して容易になったことで、絶食世代の方たちは趣味に没頭する傾向が強いという特徴があります。
結婚への考え
厚生労働省の出しているデータによると、今では3組に1組は離婚するという統計があります。
このようなデータにより、絶食世代は結婚に対するマイナスのイメージを持っている傾向にあります。離婚の原因は主に価値観の違い、金銭感覚の違い、性格の不一致などが挙げられ、結婚に夢をみる若者が減少しています。
精神的な弱さ
絶食世代は一人っ子でゆとり教育を受けてきたこともあって、競争社会を嫌う傾向になります。
そのため、これまでの人生で傷つくことを恐れ、傷ついた経験が少ないことから、精神的に傷つきやすいという特徴があります。
絶食世代の背景
絶食世代が増えてきた背景とされる事柄について解説します。
「自分らしさ」の探求
今ではいろいろな方の生き方をインターネットを通じて知ることができるようになりました。そのため、自分の人生を「自分らしく生きたい」と考える若者が増加しました。
恋愛をしている時間を自分の時間として有効活用することで、自己実現を図り、自分の夢を追うことを優先し、「自分らしさ」の探求をする人が増加しました。
経済的事情
平成10年を境に日本の平均収入はどんどん減少しています。平成10年には平均年収が467万円だったのに対して、平成29年では416万円と大幅に減少しており、生活にゆとりのない世帯が増えていることにより、恋愛や結婚を考える余裕がない人が増えているのが現状です。
世代による価値観の変化
世代によってもっている価値観が違うことに加え、特に若者の価値観に個人主義的な傾向が強くなっているように見えます。これは少子化の影響により大家族が減り、他者とのコミュニケーションを取る機会が減っていることが原因だと考えられており、恋愛に必要なコミュニケーションスキルの低下が起こっています。
絶食世代は本当に存在するのか?
ここまでは絶食世代の現状について解説してきましたが、最近では絶食世代に関するさまざまな指摘について、「現実を反映してないのではないか?」という批判があります。次ではその批判点について細かく解説します。
統計の取り方に関する問題
統計をデータとして出すためには、ある程度母数が必要になります。
しかし、絶食世代の統計を取る際の母数が、統計上十分といえるサンプルデータに至らないまま結論を出している可能性が浮上しました。
また、質問内容が曖昧だったりすることによって、正確な統計データが取れていない可能性が高く、メディアの伝えやすいような解釈であると指摘されました。
誤報・虚報問題
2015年には日本家族計画協会の発表データに関する内容を、毎日新聞が誤報で広まってしまった結果、曖昧な事実が確定事項として大げさに広まってしまった経緯があります。
そのため、そもそも急速な絶食化自体起きておらず、メディアよる誤報・虚報問題が作り出した話題の一つに過ぎないのではないかという指摘があります。
結論ありきの調査になっているという問題
絶食世代というキーワードはもっともらしい専門用語として一気に広まったこともあり、調査者や編集者の導き出したい結論に都合のいいデータ収集や、解析が行われている傾向が強くありました。
その結果、統計データの数値が不自然に変動していることから、結論ありきの調査になっているのではないかと疑われています。
各種メディアの倫理上の問題
大手メディアやネットメディアなどが、客観的な根拠が曖昧なまま記事を量産するなどして、正確ではない情報が広まってしまっている可能性があります。これはトレンドを扱うことでPV数を集め、広告収入を得るために行われており、事実の裏どりを怠って記事を公開していることが考えられます。各種メディアの倫理上の問題を改善しなくては今後も似た問題が発生することは免れません。
絶食世代は本当か?根拠の曖昧な情報に騙されない
以上が絶食世代の特徴や背景についてと、絶食世代のような言葉に関する批判についての解説でした。一時期世間では絶食世代という言葉が流行し、多くのメディアで取り上げられていました。
しかし、メディアが取り上げているからといって、それを鵜呑みにしてしまうのではなく、自分自身で情報を判断できる眼を養うことが必要です。
今後さらにインターネットの発展によって、より情報を得やすくなる分、間違った情報が流れることも増えていきます。そのため、根拠の曖昧な情報に騙されないようにしましょう。