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農業展開を推進するJRグループのJRアグリ仙台、農産物直売所「AOYA」を支援するICTの実力とは

最終更新日:(記事の情報は現在から2226日前のものです)
2017年9月、仙台駅の南隣りに産地直売所「AOYA(アオヤ)」とレストランなどが一体化した複合施設がオープンした。運営するのは、JR東日本と地元の農業生産者、加工業者が提携して設立されたJRアグリ仙台だ。地元でもあまり知られていない色鮮やかで美味しいユニークな野菜・食材は、地元住民はもちろん、通りを行き交う人々の足も引き留める。一方で店舗スタッフは、レジ打ちから接客、検品や品出しなどで多忙を極める。そこに導入され、店舗業務を効率化に貢献しているICTの仕組みを紹介しよう。

地域とともに発展する農業を目指して、仙台駅前に基幹店「AOYA」をオープン

JR東日本グループは、グループの経営方針をまとめた「グループ経営構想 Ⅴ(ファイブ)~限りなき前進~」において、「地域に生きる」を大きなテーマとして掲げ、地産品の販路拡大や地域の6次産業化(注1)の取り組みに力を入れている。

(注1)6次産業化:農林漁業者(1次産業)が生産物の価値を上げるため、食品加工(2次産業)や流通・販売(3次産業)にも取り組み、それによって農林水産業を活性化さる取り組みのこと。1次産業×2次産業×3次産業をかけ算した数字の6から「6次産業化」という言葉が生まれた。

JR東日本と宮城県内の先進的な農業生産者、加工業者などが提携し、2017年1月に設立されたJRアグリ仙台も、こうした取り組みの中から誕生した企業だ。

同社は、農作物生産、商品開発、直売所、飲食店の一体的な経営により、出口のある農業を展開することを目的に設立された。

2017年9月には、自らが運営する農地で生産した農産物はもちろん、宮城県内で生産された鮮度・品質にこだわった農産物の直売所「AOYA(アオヤ)」とレストランなどが一体化した施設を仙台駅南隣りにオープン。

農産物の直売所「AOYA(アオヤ)」とレストランが一体化した複合施設、AOYAビル

「地元でとれる新鮮な食材が安く手に入る、食べられる」と、地元はもちろん食に敏感な顧客のあいだでも評判を呼んでいる。同社の総括マネージャーをつとめる山蔦 悦美氏は、次のように説明する。

「宮城県内には、地元の方にも知られていない美味しくてユニークな野菜がたくさんあります。AOYAは弊社の基幹店舗として、こうした季節ごとの飛び抜けた野菜を取りそろえて、地元の方々はもちろん、首都圏のお客さまにも知っていただき、農業者の販路拡大につなげたいと考えています」(山蔦氏)

JRアグリ仙台 総括マネージャー 山蔦 悦美 氏

ただし、評判の店舗を支えるスタッフは多忙だ。山蔦氏は、店舗運営における状況を次のように語る。

「店舗は常時2~3名で運営しています。レジとお客さま対応をこなしながら、生産者から納品される商品の検品、伝票処理、品出しなどの業務が途切れなくつづきます。このため、何かトラブルが起きると手が足りなくなり、支援が必要になるのです」

そこで求められたのが、店舗の様子をどこからでもリアルタイムに把握し、何かあれば即座に対応できる仕組みだった。

店舗の様子を迅速に把握するため「ギガらくWi-Fi カメラオプション」を選択

もともと同社は、本社も兼ねたAOYAビルの建設が決まった際、ICT環境の構築・支援をNTT東日本に委託した。具体的には、NTT東日本が提供する「まるらくオフィス」と「ギガらくWi-Fi」を選択し、ICT環境の運用・管理をアウトソースしたのである。

「まるらくオフィス」は、通信インフラやパソコンなどICT機器などの手配・管理、故障などのトラブル対応を、NTT東日本が一括支援するサービス。また「ギガらくWi-Fi」は、現在の社内ネットワークの設定を変えることなく、アクセスポイントを設置するだけで高速Wi-Fi環境を利用できるサービスである。これらのサービスによって、AOYAはICT環境が万全に整備された状態でオープンできた。

ところが、オープンから1か月ほどが経過すると、前述のような店舗運営の課題が見えてきた。

「建屋の2階には本社の事務所があります。ただし、我々社員も商談や打ち合わせなどで外出することが多く、店舗の様子をリアルタイムに見ることは困難でした。そこでNTT東日本に、外出先でも店舗の様子を見られないか相談したのです。そこで提案されたのが、『ギガらくWi-Fi カメラオプション』でした」(山蔦氏)

「ギガらくWi-Fi カメラオプション」は、ギガらくWi-Fiで構築されたWi-Fi環境に接続して利用できるクラウド型のカメラサービスである。提案を担当したNTT東日本 宮城支店 第二ビジネスイノベーション部 安福 理香 氏は、次のように語る。

NTT東日本 宮城支店 第二ビジネスイノベーション部 安福 理香 氏

「ギガらくWi-Fiのカメラオプションは、2017年の10月に提供を開始したばかりのサービスでしたが、外出時に店舗の様子を見たいというご要望に最適だと判断しました。また、撮影範囲を横切る人物の顔を認識してカウントする『ビープルカウント機能』も活用していただけるのではないかと思い、ご提案しました」(安福氏)

高音質、高画質、広画角、充実したサポートで外からのリアルタイム監視を実現

提案を受けた山蔦氏は、さっそく店舗内にデモ機を設置し、試験運用を開始。他社の同様のシステムとも比較・検討した結果、正式に導入を決断した。選択した理由を、山蔦氏は次のように説明する。

「まずは、音声が非常にクリアなのに驚きました。また、画像も鮮明ですし、画角も広いので、スマートフォンだけで外から店舗の様子がとてもよくわかります。コストも他社の同様のシステムの1/3~1/4で、ピープルカウント機能も利用できますので、費用対効果は非常に高いと判断しました」(山蔦氏)

また導入にあたっては、防犯カメラなどのネットワークを共有する他社ベンダーのシステムもあったが、NTT東日本がサポートすることでスムーズに構築が進んだ。

「大元のネットワークを我々(NTT東日本)が構築しましたので、防犯カメラなどのネットワークにかかわるサービスを提供されている他のベンダーさんに集まっていただき、問題がないかどうかを詳細に検討しました。その際には、弊社本部のネットワークの専門家にも参加してもらい、技術的な確認を入念に行いました」(安福氏)

現在、カメラはレジカウンターの背後に設置され、細長い店舗内全体が見渡せる状態になっている。前述のように、スマートフォンを使って外から店舗内の映像・音声を確認できるので、当初の『何かあったときに即座に対応したい』という要望には、十分対応できている。さらに、店舗側での運用・管理が不要なのも好評だ。

「もともとIT専属の担当者を置けないので、まるらくオフィスを導入しました。『ギガらくWi-Fi カメラオプション』も、設置は簡単ですし、何かあってもしっかりとサポートしていただけるので、安心して活用できています」(山蔦氏)

ピープルカウント機能で蓄積したデータの分析やさらなる映像の活用にも期待

現在、まったくトラブルもなく運用できている「ギガらくWi-Fi カメラオプション」だが、カメラの位置については、現在、試行錯誤中だ。

「いまはレジカウンターの後ろに設置していますが、もう少し高い位置に置いた方が、より広範囲を見渡せるのではないかと考えています」(山蔦氏)

また、ピープルカウント機能についても、徐々にデータが蓄積されてきたことで、データの分析・活用への期待が高まっている。

「我々にとっては、店舗に入ってこられて何も買わないで出ていかれるお客さまが、最も重要です。具体的な分析はこれからですが、ピープルカウント機能で蓄積されたデータを、こうしたお客さまの分析に役立てたいと考えています」(山蔦氏)

「ギガらくWi-Fi カメラオプション」でクラウド型カメラのメリットを確認できたことで、さらなる活用への期待も高まっている。それは、店舗と店舗、生産者と店舗をつなぎ、さまざまな情報を共有することだ。

「弊社は、宮城、山形、福島の3県を拠点に事業を展開していく計画です。このため、今後、店舗が拡大すれば、遠隔での映像のやりとりは不可欠になると考えています。さらに、弊社が運営している農地、あるいは他の生産者様の農地と店舗をつないで、作業状態や作物の生育状況を映像でリアルタイムに確認し、共有できるようになると理想的ですね」(山蔦氏)

「インフラ・ネットワーク整備が済んだら、今後はデータ分析にも本腰を入れていきたい」と語る山蔦氏

JRアグリ仙台の基幹店舗であるAOYAにとって、少人数で効率的に店舗を運営するために「まるらくオフィス」と「ギガらくWi-Fi カメラオプション」は不可欠のサービスだった。同社の事業拡大にともなって、両サービスの役割と責任は、今後、さらに大きくなっていくだろう。

JRアグリ仙台の農産物直売所「AOYA」を支援するICTソリューション

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