国内ユーザー企業のクラウド活用状況と課題は?いかしきれないコンテナ導入「わずか1割」のワケ

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クラウド管理ツールを開発、提供するモビンギは9日、IaaS/PaaSを利用している国内企業の「クラウド活用度調査」に関する調査結果を発表した。クラウド利用が進んでいるにもかかわらず「コストの低減」や「リソース消費量の抑制」などさまざまな課題を抱えているユーザー企業が多いという事実が明らかになった。
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国内企業のクラウド活用状況は?ITR調査をモビンギが解説

モビンギは2015年1月に設立した企業。クラウドコスト削減ツールの「Mobingi Wave」、コスト請求自動化ツールの「Ripple」、運用自動化プラットフォームの「Ocean」などのSaaSを開発、提供している。

今回モビンギは、ITRに国内企業のクラウド活用度に関する調査を依頼。ITRが客観・中立の立場で分析したホワイトペーパー「Cloud User Analysis vol.1 国内企業におけるクラウド活用状況と現有課題」を、モビンギのWebサイトにて公開した。

これに先駆けて、モビンギは5月9日に説明会を開催。モビンギ Vice Presidentの石田 知也氏、Director of Sales & Marketingの小路 剛広氏らが登壇し、ホワイトペーパーの内容を一部抜粋し、同社の見解を解説した。

自社システムのクラウド化割合

今回の調査対象は年商1億円以上かつ従業員数100人以上のIaaS/PaaSを利用している国内企業。

自社システムのクラウド化割合と導入の経緯(出典:ITR 2019年3月調査)

自社システムのうちクラウド化されている割合はどの程度なのか。半数強が「40%未満」を選択し、残りが「40%以上」と回答しており、IaaS/PaaSを利用する企業において、クラウド化はすでに企業システムの半分近くにのぼった。

モビンギ Director of Sales & Marketing 小路 剛広氏

この結果をうけて、大手ベンダーで長年セールスに従事してきた小路氏は「オンプレミスで動いている基幹システムをクラウドに移行したいというお客さまからの相談は非常に多く、必須の選択肢になっている」と語る。

モビンギ Vice President 石田 知也氏

また石田氏は「ここ2、3年の特徴として、クラウドに対する理解が成熟してきた」と付け加える。

具体的には、オンプレミスで動いていたシステムを仮想サーバーに単純移行するだけでなく、サーバーレス/FaaSといったサービスに移行するといったトライアルが増えてきたという。

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ユーザー企業のクラウド活用における課題は?

しかし、クラウドの利用にあたっては約95%ものユーザー企業がなんらかの課題を認識しているようだ

具体的な項目を見ると、「コストの低減(45%)」がトップとなり、次いで「リソース消費量の抑制」と「ワークロード分析によるリソース最適化(32%)」と続いた。

クラウド利用における課題でもっとも多い回答が「コストの低減(45%)」(出典:ITR 2019年3月調査)

クラウドで利用しているサービス、コンテナ利用率の低さ

クラウドで利用しているサービスについては、仮想マシンやブロックストレージなどの利用率が47%と高い。また、サーバーレス/FaaSといった仮想マシンから一歩進んだ使い方をしている企業も22%という結果になった。

一方で11%と特に利用率が低かったのが、新たな仮想化技術として注目されるコンテナだ。


コンテナ仮想化は一つのOSに「コンテナ」と呼ばれるアプリケーション実行環境をつくれるため、仮想マシンと比べてプロセッサやメモリなどのコンピューティングリソースを減らせるというメリットがある。

クラウド環境の効率化を図るうえで重要な技術だが、利用率はまだまだ低いのはなぜか。いくつかの理由を石田氏は説明する。

「コンテナ仮想化は保守運用をするよりも手間がかかる。また、1台のサーバー上にリソースを集約するため、障害が起きたときにいろいろなシステムに波及してしまう。運用ベンダーを外注するケースが多い日本では、ベンダーが対応、把握できない場合もあるため、カジュアルに採用しにくい」(石田氏)

オンプレからクラウド移行、運用コスト削減効果は?

ユーザー企業は運用コストがどの程度削減されたと感じているのか。オンプレミスからクラウドに移行したことで、「大幅に削減された」という回答はわずか16%にとどまった。

オンプレミスからクラウドに移行したことで、「大幅に削減された」という回答はわずか16%(出典:ITR 2019年3月調査)

仮想サーバーがシステムの大多数を占めてくると、セキュリティパッチ適用やこれに伴うテストなどIT部門の保守運用工数は依然として発生してしまう。

利用期間を確約することで時間単価が割引されるリザーブドインスタンスの活用(AWS)、コスト可視化ツールの導入による全社的なクラウドコスト管理の最適化などの策を講じることである程度のコスト低減は可能だが、前述したコンテナ活用など、アーキテクチャの最適化を進められておらず、運用レベルまでクラウドいかしきれていないのが現状といえそうだ。

なお、今回紹介したホワイトペーパーは、モビンギWebサイトの「Cloud User Analysis vol.1 国内企業におけるクラウド活用状況と現有課題」でダウンロードできる。

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