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ティップネスとホリイフードサービスの事例に学ぶ「成熟市場におけるV字回復と急成長の本質」

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7月24日、一橋講堂においてClipLine主催セミナーが開催された。テーマは「成熟市場におけるイノベーション~V字回復と急成長を実現するリーダーシップと戦略~」。ボクシルでは、パネルディスカッション「成熟市場におけるV字回復と急成長の本質」を取材。ティップネス 取締役執行役員 小宮克巳氏、ホリイフードサービス 代表取締役会長 水谷謙作氏、一橋大学名誉教授 野中郁次郎氏が登壇した。

7月24日、一橋講堂においてClipLine主催セミナー「成熟市場におけるイノベーション~V字回復と急成長を実現するリーダーシップと戦略~」が開催された。

基調講演では一橋大学名誉教授 日本学士院会員 野中郁次郎氏が登壇。グローバル化とデジタル化がさらに進む現代における、イノベーションに成功する組織のあり方について講演した。次にパネルディスカッション、主催者×ゲスト講演、特別講演が続けて行われた。

ボクシルでは、パネルディスカッション「成熟市場におけるV字回復と急成長の本質」を取材。登壇企業は2社。急成長業態を構築したティップネスと、V字回復を実現したホリイフードサービスだ。

事業面・組織面およびClipLineをいかに活用したか、変革を振り返り、それに対し野中氏がコメントを述べた。モデレーターは、主催ClipLine 代表取締役社長 高橋勇人氏。

パネルディスカッション「成熟市場におけるV字回復と急成長の本質」の様子 提供:ClipLine

パネルディスカッション開催概要

パネルディスカッション「成熟市場におけるV字回復と急成長の本質」の登壇企業は、ティップネスとホリイフードサービスの2社。

冒頭、モデレーターをつとめたClipLine 代表取締役社長 高橋勇人氏は、「両社とも、国内産業が成熟する中、絵に描いたようなV字回復や新規事業立ち上げを成功させた企業様」だと紹介した。

ティップネスは、2013年にFASTGYM24という24時間型ジムを開業。アルバイトを中心に店舗を運営する新業態だ。以降、わずか6年で100店舗を超えており、総合ジムを抱える競合他社に比べても圧倒的なペースだという。

提供:ClipLine

ホリイフードサービスは、北関東を中心に居酒屋忍家(しのぶや)などを展開する。一時期は、営業利益が10分の1まで落ち込んだが、わずか2年で奇跡的なV字回復を遂げた。モデレーターの高橋氏は、「地方の居酒屋産業は典型的な縮小産業。このV字回復の秘訣は本日ご来場の多くの皆様の参考になるのでは」と話した。

提供:ClipLine

パネルディスカッションでは2社がそれぞれ、変革を3つのフェーズに分けて振り返る。変革転換期、変革着手期、飛躍的成長期、それぞれのフェーズについて、事業面、組織面、そしてClipLineをいかに活用したかを深堀りした。

提供:ClipLine

変革転換期

1つ目のフェーズである変革転換期。ティップネスが新規事業を立ち上げた背景や、ホリイフードサービスが陥っていた危機的状況が話された。

ティップネスが新規事業を立ち上げた背景

ティップネス 取締役執行役員 新規事業企画推進部/情報システム部 担当 小宮克巳氏は、戦略転換のきっかけと当時の事業の状況を、自身の"反省"も交えて赤裸々に語った。

ティップネス 取締役執行役員 新規事業企画推進部/情報システム部 担当 小宮克巳氏

日本人のフィットネスクラブへの参加率は、20年間、3%を維持。つまりずっと、100人中、97人が買わない商品だった。一方ここ数年で、異業種や外資系からの参入が進む。例えば、女性向けのフィットネスクラブであるカーブスは、ブルー・オーシャン戦略で有名だが、カーブスを例に挙げて小宮氏はこう指摘した。

「カーブスは約15年で80万人の会員様を獲得している。我々は今年で32年目になるが25万人。どちらか日本のフィットネスクラブ参加率を押し上げたかというと、歴然としている。ティップネスも、これまで振り向いてもらえなかった非消費者の、受け皿になるような業態を、いち早く作りたいと考えた。」

総合型が厳しい状況は、流通業界とも似ているのではないか、との話題も飛び出した。小宮氏は、カーブスが日本市場に参入する前から研究するも、「あれはフィットネスじゃない、誰でもできる」と甘くみて、企画書まで作ったのに出さなかったという。自身の反省を踏まえて、総合型にこだわらず新たな業態に挑戦する必要性を訴えた。

提供:ClipLine

しかし当時の社内の状況について、小宮氏はこう語る。「2012年頃から24時間ジムの企画を始めたが、実は企画開始から1店舗目のオープンまで2年もかかった。新しいことにチャレンジしようという雰囲気ではなかった。」

日本は、少子高齢化で人口が減少していく。異業種や外資系の参入で、新たな業態の競合が生まれつつある。小宮氏は危機感を抱いたという。しかし一方でティップネスは、サントリーの社内ベンチャーから始まり都心の好立地に出店する、高利益率の勢いある企業だった。

過去の成功体験が、外部環境変化への感度を鈍らせるケースは少なくない。小宮氏は、「お客様が何を求めるかということをずっと心に刻みながら、2年間を過ごした」という。"敵"が多い中での開業だった。

提供:ClipLine

ホリイフードサービスでは体制を大きく変更するも「古参に配慮」

ホリイフードサービス 代表取締役会長 インテグラル株式会社取締役パートナー 水谷謙作氏は、前会長である堀井氏とゴルフ友達だったご縁から、経営の立て直しに参画したが、逆風は強かった。

ホリイフードサービス 代表取締役会長 インテグラル株式会社取締役パートナー 水谷謙作氏

ホリイフードサービスでは、2013年くらいに急速に出店。この時期は、人手不足やお酒離れによって、居酒屋業界全体で業態転換が進んだ時期だった。ホリイでは、売上が昨対を割り続けていたという。

提供:ClipLine

水谷氏は、オーナー会長である堀井氏からの事業継承への打診に応える形で、ホリイフードサービス 代表取締役会長に就任。不採算店舗の閉店をはじめ、大変革着手にあたって、体制も大きく変更したという。

ここで意識したことについて、水谷氏はこう語る。「親会社であるTBIが、自社のことだけを考えて、ホリイに押し付けるようなことがあってはいけない。両社のシナジーを追求したいと考えた。」

まず社長と役員3名には、同じポジションと同じ仕事を用意した。新たに親会社から2名、外部から飲食の専門家1名を加え、古参と新規それぞれ4名、バランスに配慮した8名体制を構築した。

水谷氏は、自身が行司役となり、TBIのいいところ、ホリイのいいところ双方を生かし、双方にメリットがあることのみを捉えて実行していったという。

提供:ClipLine

【ポイント】

  • 適応と革新(アダプテーションとイノベーション)を同時に行わず、既存事業と別組織を立ち上げて取り組んだ
  • 組織が持つ過去のヒストリーを大切にしながら、現実の課題と向き合い、未来の新しいコンセプトを作り上げた

変革着手期

2つ目のフェーズである変革着手期。モデレーター高橋氏は、「変革は着手するときが一番辛い時期ではないか」と投げかけて、両社が変革着手期をいかに乗り越えたかに迫った。

ティップネスでは、離職が相次ぎ組織が不安定に

ティップネスでは、新業態となる24時間営業のFASTGYM24をオープンするにあたり、1店舗目と2〜3店舗目で異なる目標を掲げたそうだ。

1店舗目は「空前の大ヒット」を目指した。というのも、社内で大々的に承認されたわけではなかったためだ。それだけに1号店は、大成功を収めたかった。そのうえで2店舗目、3店舗目では、検証に重きを置いた。すでに総合施設のあるエリアにあえて出店し、徹底的に課題を洗い出した。

とはいえ事業の変革よりも、組織面での変革の方が大変だったようだ。

「24時間型ジムでは、インストラクターを配置せず、運動の指導は一切しない。営業時間24時間のうち、3分の2、16時間は無人となる。アルバイトの方々を採用・雇用し、店舗を運営したが、初期段階では好立地への早期出店を最優先したため、離職が相次ぎ組織は不安定だった」(小宮氏)

実に、新たに雇用したアルバイトの7割が、1年で離職してしまうという状況。常に採用、常に研修。店舗運営に携わるアルバイトはもちろん、SVを含めた社員も疲弊しきっていたのだ。

これを打破するのに一役買ったのが、ClipLineだ。現場スタッフが動画を見ながらスキル学習できるため、SVは個別相談にかけられる時間を増やすことができた。SVとスタッフの関係性も向上し、ボトムアップでのナレッジ共有も加速。暗黙知の形式知化が進むと同時に、離職率は大幅に改善された。

提供:ClipLine

ホリイフードサービスでは、顧客満足度と従業員満足度を重要視

ホリイフードサービスではV字回復を目指して、5つのプロジェクトが動き出していた。不採算店舗対策、広告販促強化、購買体制再構築およびメニュー開発、経費削減、そして人事交流だ。

ホリイの親会社であるTBIと、ホリイフードサービス、各社から担当者が選ばれ隔週でミーティングを実施。会議の場所も、両社を交代制とした。水谷氏が議長をつとめ、"行司役"として手腕をふるった。「両社に良いことを捉えて実行する」

提供:ClipLine

不採算店舗の閉店、ペイドメディアの活用、そのメニューを目指して来店してもらえるようなキラーコンテンツの開発など、様々な改革に着手した。なかでも水谷氏が強調したのは「CS・ES」だ。

「顧客満足度と従業員満足度、これはサービス業の基本だと思う。ずっと意識しなきゃいけないのだけど、それを計る指標がなかった。そこで顧客満足度と従業員満足度を客観的に測るための指標を導入し、これらの向上を目指して行動した」(水谷氏)

ホリイフードサービスでは、教育研修以外の場面でも、ClipLineの活用が進んだ。動画を使って、会長や社長の想いを現場スタッフへ直接伝えたり、店舗横断での「刺し盛りの盛り付けコンテスト」などイベントも実施した。いいね機能を活用して優秀店舗を選抜、さらに優秀店舗へのインタビュー動画を掲載するなど、スキルもモチベーションも横展開させたのだ。

提供:ClipLine

【ポイント】

  • 経営者が「何をいまなすべきか」課題について、多様なメンバーと対話し巻き込んでいった
  • 対話の基本は1対1のフェイスツーフェイス、だからこそお互いが本気になりイノベーションのアイディアが生まれる
  • オンライン上での対話、1 対 Nでの対話を可能にする ClipLineのような動画ツールの活用は、組織全体における対話を加速するのに有用

飛躍的成長期

最後となる、飛躍的成長期。変革転換期、変革着手期の苦労の先に、どのような展開が待っていたのか。戦略転換の結果と、今後のビジョンについて語られた。

ティップネス「様々な業態を同一エリアに同時展開」へ

FASTGYM24という新規事業立ち上げを当初反対されていた小宮氏だが、7月からは新規事業推進の旗振り役として活躍が期待されている。同氏はティップネスを「総合型“も”やっていたよね、と言われる企業に、早くしたい」と意気込む。

フィットネスクラブを初めて訪れる顧客は、総合型の手厚いサービスを受けられるジムを選ぶが、慣れてくると自身でマシンを使いこなし、プログラムを実践できるようになる。「お客様の立場だったら、使わないプールの分まで料金を払う総合型より、自分にあった業態のジムを選べたほうが望ましい」小宮氏は、指摘する。

「お客様の変化に応じた、様々な業態のジムを同じエリアに展開して行きたい。しかし24時間ジムをはじめ、こうした業態は参入障壁が低い。総合型が長年安定してきたのに対して、多様な業態はプロダクトのライフサイクルが短いと思う。新たな業態から、また次の事業を創出するというサイクルをどんどん作って行きたい」(小宮氏)

ホリイフードサービス「変化が激しく速い業界」をリードできる人材育成を目指す

ホリイフードサービスでは、30店舗以上を閉店したという。赤字が減ると、それだけで会社の雰囲気はよくなる。撤退は一気に加速させた。120品目あったメニューも大幅に減らし、現場のオペレーションは楽に、顧客への提供スピードも改善された。

ペイドメディア活用、キラーコンテンツ開発、経費削減なども並行して進めたが、一番大事だったのは人材交流だったという。親会社であつTBIは年齢が若く、ホリイフードサービスはシニア。しかし両社が一枚岩になることが重要だと判断し、社員総会のほかバーベキュー、富士山登山、フルマラソンと交流の場を設けた。

「インセンティブ制度や、ClipLineを活用した風通しのよい社員間コミュニケーションを通じて、社内の空気が変わった。やったら報われる、やりたいことがやれる、やる気になれば結果が出る、という感覚が広がり、顧客に向いた外向き志向になったと思う」(水谷氏)

居酒屋業界は、サービス業のなかでも、変化が激しくそして速い。「組織を引っ張ってくれる人材が育つよう、能力を引き出しチャンスを与えてあげたい」と水谷氏は締めくくった。

【ポイント】

  • 効率重視から、創造性重視へと転換を図る
  • 理論ありきから、経験ありきへ
  • 仲間と試行錯誤することで、組織には「共感」が生まれる

ClipLine活用についてまとめ

ClipLine(クリップライン)は、サービス業の多店舗ビジネスを展開している企業向けに提供している、動画 とタブレットを活用した技術習得支援プラットフォームだ。

ティップネスの事例を振り返ると、ClipLineは新規事業における人材教育に最適だ。新規事業では、誰もが経験則や確固たるナレッジを持ち得ない。視覚的に新人教育できるほか、現場で発案される多様な暗黙知を動画として吸い上げることができるためだ。マニュアルの改善、遠隔店舗へのナレッジ共有に活用できる。

またホリイフードサービスの事例を振り返ると、コミュニケーション活性化ツールとしても有用だ。開店前チェックの様子をSVへ動画で送る、経営サイドからのメッセージを配信する、現場スタッフの暗黙知を組織全体の形式知にして褒め合う・アドバイスし合うなど、バーチャル空間での人材交流活性が功を奏した。

ClipLineの活用によって、動画やリアクション・コメントのやり取りによる仮想的なコミュニケーションが成立し、リアルに会ったときの対話を加速させることこそ、サービス業においてClipLineを導入する本質的な価値なのではないだろうか。

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